らいだ~Joe流ニッパーの使い方【お気楽ガンプラテクニック 2022】
2022.03.01お気楽モデリング基本編 ニッパーとパーツの切り出し 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)
自分に合った一本を見つけよう!
模型を作るにあたって真っ先に思い当たる工具といえばニッパーでしょう。でも、一言でニッパーと言っても千差万別、多種多様なニッパーが販売されているのでどれを使えばいいのか分からないですよね? ニッパーの使い方ひとつで後の工程に大きく影響するのも事実です。自分に合ったニッパーと出逢うことは脱ビキナーの一歩かもしれません。
ここでは一般的に「模型用ニッパー」と呼ばれる物に焦点を当て、ニッパーの基礎知識と基本的な使い方、パーツの切り出し方について解説していきます。
あなたは両刃派? それともと片刃派?
ニッパーには大きく分けて、「両刃」と「片刃」の二種類があります。以前は刃先の両方に「刃」がついている「両刃」が主流でしたが、最近では切れ味や切断面の品質から、刃先の一方に「切刃」・もう一方は「まな板刃」になっている「片刃」タイプも人気です。それぞれの特徴を理解したうえで使い分けるのもいいでしょう。
●両刃ニッパーの例 タミヤ 先細薄刃ニッパー(ゲートカット用)
コストパフォーパンス最高の両刃ニッパー。多少のゲートならコレ一本でカバーできます。最近買い直したものを入れるとウチには6本もあります
●片刃ニッパーの例 ゴッドハンド アルティメットニッパー5.0
「ヌルっと切れる」感覚が気持ちいいニッパー。切断面の品質は文句なしの最上級といえるでしょう
らいだ〜Joe流ニッパーの握り方
片刃向こう側が刃の先端(手前が手元)
切刃の背面をパーツ側面に密着させまな板刃をゲートにしっかり固定し切刃のみを動かします。
手前が刃の先端(向こう側が手元)
刃のあて方を反対にしてしまうと…
両刃タイプも実は微妙に刃がズレていますこれは使えば使うほど顕著に現れてきます
らいだ〜Joe流 ニッパーの使い方
一昔に比べ格段に性能が上がったニッパーのおかげで、細いゲートは一度切りでも充分にきれいに切断できるようになりました。でも私は「パーツをエグってしまわないように」やっぱり二度切り・三度切りをしています。ここではそんな私の日常的なニッパーの使い方を解説していきます。特に模型製作はもっぱら自宅のリビングゆえの切り方は、家庭内平和のためにぜひご参考にしていただきたい技です。
●ゲートができるまで
■お気に入りのニッパーと長く付き合うために
ニッパーは消耗品です。鋼鉄vsプラスチックなのですが、切れば切るほど刃が消耗していきます。きっちりお手入れをしてあげないとせっかくの切れ味が維持できません。
最近ではニッパーの刃を守る「ニッパーキャップ」や、軸のガタツキや防錆・潤滑のためのメンテナンスキットが販売されていますので、これらを活用するのもいいでしょう。ただ、刃の消耗が激しくなると、「研ぎなおし」が必要になるのですが素人が行うと余計に悲惨な目に…。そんなときは新たな活用法として、「二度切り専用」や「ランナー切り専用」ニッパーとして活躍するのもアリですね。
人それぞれ身長や体重が違うように、手の大きさ指の長さも異なります。わたしは自他ともに認める短指なので、みんなが使いやすいというものが自分に合っているとは限りません。事実、私の指の長さでは片刃ニッパーのハンドルを上手くコントロールできないのです。また、新しいニッパーを試してみてはそれっきり使わないといったことも多々あります。そういう意味では、まだまだ私自身も本当に自分に合った一本に出逢えていないのかもしれません。
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