タミヤの「チーム スズキ エクスター GSX-RR ’20」を徹底ディテールアップ
2022.02.18MotoGPチャンピオンマシンを徹底ディテールアップ!
2020年、スズキ創立100周年・レース活動60周年という節目の年にMotoGPに投入され、見事チャンピオンの座を獲得したチーム スズキ エクスター GSX-RRのキットがタミヤより発売中! フロントのウイングレットやロワフェンダー(スプーン)など近年のMotoGPのトレンドを押さえつつ、着実なアップデートを重ねた末の無駄のないフォルムをタミヤらしい高いクオリティで再現している。こちらの作例は石鉢俊が製作。今回はキット自体のクオリティが非常に高いため、細かいポイントに焦点を当ててディテールアップを行った。3Dプリンターも駆使した徹底的な工作をご覧あれ。
■最新MotoGP車だ!
待っていました! と叫びたくなるほど嬉しいタミヤからの最新MotoGP車両のキット化です。しかも久々のSUZUKIな上にGSX-RR ’20はライダーとチームの2冠タイトルを取ったチャンピオンバイク! ありがとうタミヤさん。
■タミヤクオリティは健在
最新のMotoGP車両はフロントにウイングレットが付いたり、リアタイヤ前方にスプーンなるエアロパーツが追加されていたり等、ここ数年で容姿がかなり変化し情報量も増えた印象がありますが、キットではそれらを上手く取り入れた見事なパーツ構成になっています。接着面も極力接着剤がハミ出ないよう工夫されており、しかも取り付け強度も申し分無し。またカウルや小物パーツに関しても、ある程度塗膜分の厚みも計算されており塗装後もスムーズに取り付けられるなど製作側を配慮した設計に、いつものタミヤクオリティを実感。また今回クラッチの取り付けがポリキャップになっていて、完成後は指で回せるギミックに設計者の遊び心を感じました。個人的にはアクスルシャフトとスイングアームピボットシャフト先端にプラスビス隠しのナットパーツが追加されていたことが密かに嬉しかったです。注意点を挙げるとすれば、今回ピンバイスで穴を開ける箇所が2ヵ所ある点と、36号車で組む場合はタンク脇のオプションパーツを取り付けるためのダボ穴を開ける必要があるので忘れずに。
■塗装
極力パーツ点数が抑えられていて組みやすい反面、塗装での塗り分けが今回は比較的多いので、焦らず丁寧な作業を心掛けて地道に進めて行きましょう。今回私が使用した主な塗装レシピは、
カウルの青=GSIクレオス GXメタルブルー
カウルのシルバー=ガイアノーツ ブライトシルバー
フレーム、スイングアーム、ラジエーター=GSIクレオス クロームシルバー+シルバー
コーティングは、カウル等=ガイアノーツ Ex-クリアー、半ツヤ=セミグロスクリアープレミアム、ツヤ消し=フラットクリアープレミアムをそれぞれ使用しています。
マフラーはブラックサーフェイサーを下地にそのままガイアノーツのプレミアムミラークロームを上塗り。さらに同メーカーのクリアーブラウンを全体にある程度の濃さで塗装後、溶接痕と繫ぎ目の部分を細切りマスキングテープで覆いGSIクレオスのスーパーチタンを全体塗装。マスキングテープを剥がしてクリアーブラックを塗装し光度を下げ、その後デカール貼り。乾燥後、ガイアノーツのプレミアムセミグロスクリアーでコーティングして完成です。
■結局どう作ったの?
ただでさえ完成度が高く精密に再現されている今回のGSX-RR ’20。私が作例で出来たことといえば、配線とセンサー系の追加と小物のディテールアップをした程度です。製作の詳細は各写真とキャプションで見ていただきますが、パッと見て素組みとの差異は極端に感じないと思うので、深く考えずにストレートに組むもよし、腕のある方は実車を詳細に再現してもよし、それぞれの楽しみ方で作ってみてください。
タミヤ 1/12スケール プラスチックキット
チーム スズキ エクスター GSX-RR ’20
製作・文/石鉢俊
チーム スズキ エクスター GSX-RR ’20
●発売元/タミヤ●4400円、発売中●1/12、約17.8cm●プラキット
石鉢 俊(イシノハチマサル)
バイクモデラーのエース格で、3D造形も駆使したバイク模型のハイレゾ作例を多数担当している。