【太田垣康男メカニクス】ダグラムの好敵手「ラウンドフェイサー」をTV版からの小改造でGet truth版を製作!
2022.02.14ソルティックH8 ラウンドフェイサー【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)
小学館とebookjapanのウェブコミックサイト、ebigcomic4にて2021年5月28日より連載配信が開始された、太田垣康男氏が描くフルカラーコミック『Get truth 太陽の牙ダグラム』。元となるTVアニメ『太陽の牙ダグラム』は1981年放送のサンライズ作品で、地球の植民地、惑星デロイアの独立を巡る動乱の中、ゲリラに身を投じた若者たちの戦いと青春を描いた、リアルロボットアニメの傑作である。放映当時はダグラムを中心としたコンバットアーマーのプラモデルや半完成品であるデュアルモデルのヒットもあり、放送延長に伴い全75話が製作され、1983年には劇場版『ドキュメント太陽の牙ダグラム』が公開されるなど、リアルロボットアニメ、そしてロボットプラモデルのその後に大きな影響を与えた。
そんな本作を、リアルなSF 描写や濃密な人間ドラマに定評のある太田垣康男氏が新たに描くということで、太田垣ファン、そして『ダグラム』を中心とするリアルロボットファンから注目を集めているコミックス1巻が、ついに去る12月28日(火)に発売となった。フルカラーコミックのみの通常版に加え、完全新規造形のプラキット「1/72 Get truth 版 ダグラム」が同梱された特装版も同時リリースされ、大きな話題を呼んでいる。
「1/72 Get truth版 ダグラム」に続いて、ダグラムの好敵手、ソルティック H8 ラウンドフェイサーの作例をお届けしよう。COMBAT ARMORS MAX 1/72 ソルティック H8RF コーチマSpi(キット入手事情の関係でこちらを使用)をベースに、前腕装甲や各関節部やディテールなど、Get truth版との差異を修正。カラーリングも劇中の淡いものに変更し、Get truth版ラウンドフェイサーを完成させている。
ヒジやヒザ関節、球体の股関節が特徴的な太田垣氏が描くラウンドフェイサー。各部の赤いフックと淡いカラーリングも目を惹くポイントだ。このイラストではミサイルポッドは背中左側に設置されているが、コミック劇中ではアニメ版と同じく右側に装備されている。作例はこのイラストをベースに製作している。
イラスト/太田垣康男
今回は『Get truth 太陽の牙ダグラム』版のラウンドフェイサーです。『太陽の牙ダグラム』が脚光を浴びる日が来るとは嬉しい限りです。放送当時のキットも良い出来だった記憶がありますが、今回使用するマックスファクトリーの1/72のキットも洗練されていていい感じです。太田垣氏のアレンジも小気味良いですね、大きくプロポーションやサイズアップの必要もないので作業も捗ります。
■頭部
今回のデザインではアンテナがちょっと短いのかな? と思ったので、端から2mmだけカットしました。座席を固定するホゾ穴の上部を切り欠いておけば、塗装後にはめることができます。キャノピーのピラーが塗装済みなのは楽できて嬉しいですね。
■胴体
上下に別けてあるお腹を連結する丸いパーツは、はめにくいので縁を少し削っておくといいでしょう。腰の周りのアーマーは0.5mmのプラ板を裏から貼り厚みを強調しました。
■腕部
肩のアーマーの裏をパテで埋め、ここも厚みを増すためにプラ板を貼りました。キットの前腕のアーマーは、手首方向へ狭くなるようにテーパーがかかっていたり、細かい所がGet Truth版デザインとは異なるので、プラ板で新造しました。ヒジ関節は市販品の可動パーツを加工しました。
■脚部
太モモの上部をカットして、HGガンタンクの肩をボールジョイント用に加工して接着しました。ヒザ関節はパテで形を整えて角を丸めました。
最後に全身の手すりですが、ひとつずつ金属線などを曲げて加工するのも大変なので、今回はコトブキヤさんのプラユニット P-130 フックを12個くらい使いました。
■塗装
基本色1、グリーンFS34092を40%+ホワイト60%とブルーをごく少量、基本色2、ガルグレー60%+ホワイト40%、関節などニュートラルグレー、ライフル、ニュートラルグレー50%+ブラック50%、ミサイルポッド、モンザレッド90%+ブラック10%。
マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット “COMBAT ARMORS MAX” ソルティック H8RF コーチマSpi 使用
ソルティックH8 ラウンドフェイサー
製作・文/おれんぢえびす
ⓒ太田垣康男/小学館 Ⓒサンライズ
おれんぢえびす
月刊ホビージャパンで長年活躍するベテランモデラー。的確な形状調整とディテールアップを得意とする。