『サンダーバード』からペネロープ号の作例をお届け!【山田卓司】
2022.01.22初期モデルの資料を参考に細部を改修する
「サンダーバード2号&4号」に続いて劇中でも活躍したヒロイン、レディ・ペネロープが乗るピンクのロールスロイス、ペネロープ号(FAB1)の作例をお届けしよう。キットはイマイから引き継いだものを改修してリリース。美しいボディラインやバンパー、グリルなどのメッキ加工パーツが魅力のキットである。作例は情景王・山田卓司が担当。撮影に使われた初期モデルの資料を参考にキットの形状を改修し、ベースを用意したディオラマ作品として仕上げている。エポパテで作ったペネロープとパーカーにも注目いただきたい。
ついに公開されました日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』。私もサンダーバード世代なので楽しみで仕方ありません。オープニング映像とテーマ曲、主題歌はいつ観ても気分が高揚しますね。今回はペネロピー・クレイトン・ウォード嬢(ペネロープ)と執事のアロイシャス・パーカーとペネロープ号と呼ばれるFAB1。ロールスロイス製で普通乗用車としては巨大サイズの自動車です。元はイマイからリリースされていた製品を改修して、新たにリリースされたアオシマ版のキットを使っています。開発時期は古いものの、劇中登場のFAB1を上手くキット化しています。私はサンダーバードマニアではないので付け焼き刃なので恐縮ですが、リサーチしてみたら撮影時期によってディテールに若干違いがあるようです。側面にエンブレム、後部にモールのあるモデルもあるのですが、今回は初期に使われたモデルと思われる車体としました。
ペネロープとパーカーの寄りのカットで使われるアップ用モデルもシートの白いパイピングやインテリアの塗装、キャノピーフレームで撮影時期による違いがあります。キットのディテールはたぶん撮影に使われたモデルを取材しており、インテリアのディテールに大きな間違いはないと思われます。しかし操縦席のシート左側から伸びているインカムマイクはキットでは右側からとなっており、ここはディテールを含め修正しました。シートにはプラ棒でパイピングを追加。バスタブ形式のパーツとなっているので左右内壁は切り取り、プラ板に変えました。
ボディは左右のモールのディテールの場所にパーティングラインが設けられており、デフォルメがキツいので、ボディサイドをモールのディテールごとすべて削り落とし整形しました。ボディ後部もバランスが違っているようなのでプラ板で工作。ドア、ハッチのラインをスジ彫りしました。フロントグリルは内蔵された機関銃用の穴があり、ここを埋めるついでに、グリルそのものをモールド入りのプラ板に変えました。
鬼門のメッキ塗装はボーンペイントを使っていますが、研究不足でちょっと質感が違っていて申し訳ありません。サイドモールとキャノピーフレームにはハセガワのミラーフィニッシュシートを使いました。
ペネロープとパーカーはエポパテによる工作。ファッショナブルなペネロープの衣装は、第12話「ペネロープの危機」のものにしました。
ベースは本編の雰囲気を意識して各種ディオラマ素材を使って工作しました。
青島文化教材社 1/32スケール プラスチックキット
ペネロープ号
製作・文/山田卓司
ペネロープ号
●発売元/青島文化教材社●2750円、発売中●1/32、約19.5cm●プラキット
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山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンモデラーとして2022年で43年目を迎えるレジェンドにして“情景王”。AFVからキャラものまでさまざまな情景を切り取る。