セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記 成型色を活かしたプロポーション変更[後編]
2022.01.20
気まぐれガンプラ製作記 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)
個性的なテクニックで月刊ホビージャパンモデラーの中でも一線を画する存在のセイラマスオ。その代名詞である“マスオディテール”やオリジナルアレンジ、淡い塗装表現がどのような考えで行われているか気になりませんか? そんな知られざる“マスオ理論”に迫るのが本連載「セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記」です。お題だけ決めて、あとは自由にいつも通り製作していく様子をゆるくお届け。第6回は、HG Hi-νガンダムを題材にした成型色を活かしたプロポーション変更の後半パートを解説します。
製作・解説/セイラマスオ
ウマく作るためのHow toじゃありません
これから紹介していく私の製作法は、自分なりに上手い人のやり方を参考にしつつ、そこから手を抜いたり道具的な問題から妥協した結果たどり着いたものです。この方法が正解とかオススメとか言うつもりは毛頭なく、いい意味での“これくらい力を抜いてもいいんだ”と思ってもらえる機会になれば、くらいに考えています。

theme:成型色を活かしたプロポーション変更[後編]
use kit:HG Hi-νガンダム
1. 頭部を調整
▲それでは今回は頭部から。キットのパーツ構成はマスクの位置変更がとても簡単にできる素晴らしいもの! マスクの部分だけを切り離すだけでいいのです
▲切り離したマスクの切断面を整えて再接着した状態です。再接着時に角度や位置を調整すればもっといろいろな表情にすることができそうです
▲さらにサイドのダクトの下端部分を削り取ります
▲削り取ったダクトの下端をランナープラ板で復活させて上方に移動させます
▲しっかりと接着させます
▲不要部分を削り取るとダクトが小型化されサイドのラインにメリハリが出ました
2. 表面処理法を紹介
▲ここで私ならではの表面処理法をご紹介。いつも目が荒い鉄ヤスリで形状出しを行い、そのままのことも多いのですが(汗)、表面を整えたいときは…
▲彫刻刀の刃を立ててカンナがけをします。こういう面積の小さい箇所ですと、この方法が簡単で早く仕上がります
▲カンナがけの前にしっかりと平面を作っていれば意外と広い面でもこの方法でいけたりしますので、お手軽さと完成度の兼ね合いでお試しください
3. マスオ流リカバリー術
▲腰サイドの流用パーツを削っていたら穴が開いたのでふさがないといけないのですが、ついでなので自作でバーニア状のパーツにしてふさぎたいと思います
▲ランナープラ板の幅が一定なことと厚みがあることを利用して彫刻刀でバーニア状になるように彫り込みます
▲幅が狭い彫刻刀で彫り込んだ底面を平らに整えたら立派なバーニアパーツになりました。小さいパーツですので精度よりも何となく雰囲気が出ているくらいで充分でしょう(楽してばっかり)
▲自分の好みの大きさに調整できるところがよいですよね(節約にもなるし…)
4. お手軽工作
▲バックパックの中央部は流用パーツを使ってお手軽にディテールアップ!
5. 武装のディテールアップ
▲今回は青色も成型色を活かすので、シールドの色が切り替わる箇所もランナープラ板を使ってディテールアップします
▲これで色を塗らずにディテールの追加ができました♪
▲ビーム・ライフルの細い銃身が気になったのでランナーを使って少しだけ太くします
▲結果的にそれほど太くはなりませんでしたが(泣)、トライすることに意義がある! のです
6. 仕上げ〜完成
▲あとはいつものように全身にディテールを入れていけば完成です! ほとんど塗装しなくてもOKな状態ででき上がりました
▲今回は機体色のほとんどの部分を成型色のままとする仕上げなので、素組み感の緩和のために青部分に薄い青を塗ってツートーンとしてみました
▲さらに素組みじゃないよ表現として、関節(ここも成型色)にブラウンを塗りやすい箇所にだけ追加して多色化したら完成です!
7. RX-93-ν2 Hi-ν GUNDAM
成型色を活かしたプロポーション変更によるHG Hi-νガンダムが完成しました。的確に工作ポイントを押さえることで、大がかりな改造を施さずに、それでいてしっかりと印象を変えるものに仕上がっています。
▲キット素組み(左)との比較。首関節の短縮でやや浮き気味に見えていた頭部が胴体に収まっている。バランス調整で延長した腹部も違和感なく馴染んでいるのがお分かりいただけるだろう。ヒザ関節の加工で脚のラインがきれいにつながり、力強く大地を踏みしめて見えるようになった
▲最新キットであるRG Hi-νガンダムに対抗してHGキットをアップグレードさせるという意味合いもあったが、結果としてRG版Hi-νガンダムとは異なりつつもバランスの取れたプロポーションになった。また、色数の少ないHi-νガンダムを選択したことで成型色を活かせる箇所が多くなり、プロポーション変更工作に注力することができたのもプラスに働いたと言える
至高の出来のRGが大盛況という逆境の中で果敢にもHGで挑んでみましたが、いかがでしたでしょうか。個人的には、細身のHi-νガンダムという括りではなかなか良くなったのではないかと自己満足。しかも意外と手はかかっていないというオマケ付き(成型色も最大レベルで活かせています!)。キットのポテンシャルはやはり手を付けてみないと分かりませんねェ。
マスクの位置変更によるイケメン化とヒザ関節の加工は簡単かつ非常に効果的なので、キットをお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください!
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RX-93-ν2 Hi-νガンダム
製作・解説/セイラマスオ
HG Hi-νガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2420円、2009年6月発●1/144、約14cm●プラキット
©創通・サンライズ
セイラマスオ
独特の視点と考察によるディテーリング“マスオディテール”と、作品問わずパーツを使いこなすミキシングテクニックを持ち、成型色を活かした淡い塗装仕上げを得意とするガンプラLOVEの先導者。
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