1/9スケール「ホットライダー」の革の質感と美貌を塗装にて見事に表現【菅原進哉】
2022.01.11革の質感と肌感を塗装で表現
月刊ホビージャパンにおいてスケールフィギュア塗装のエース級モデラーである菅原進哉によるホットライダー作例。こちらは先のBMW R nineTと組み合わせることができるレジンキットであり、胸を大きく開いたセクシーなライダーススタイルといかにもブロンド美女といった雰囲気の顔立ちが特徴的だ。作例ではそのイメージに準じて、レザースーツの質感と美貌を塗装にて見事に表現。塗装手順と合わせて見ていただきたい。
■はじめに
AFVを中心にリリースしているMENG MODELから、1/9フィギュアレジンキットとしてSPS-076 ホットライダーが販売されたので塗装しました。これは同社の1/9 BMW R nineT に合わせることを想定されたキットで、塗装済み完成品もリリースされています。
■組立
キットは肌色ウレタンレジンの複製品です。欠けや気泡は皆無でクオリティが高いと感じました。パーツは個々に独立した湯口が設けられており、パーティングラインが途中から消えた箇所があるので、切り裂き型的なシリコーン型で複製したことが予想されます。四肢・頭部・髪とフィギュアとしてはオーソドックスな分割です。
脚の付け根には少し段差が出来ますが生地の縫い目とも考えられます。今回は臀部の丸みを強調するため段差が無くなるように仕上げました。
レザースーツが大きくはだけた胸元は、エアブラシで塗料を乗せづらく肌塗装に悩むキットではないでしょうか。
■塗装
塗装の方針としては、レザースーツをラッカー塗料で仕上げ、その後に肌をファレホで筆塗りする手順としました。
カラーリングはボックスアートに準じ、レザースーツは黒。いわゆる真っ黒・真っ白は表現的に強すぎるので、基本色としては使わないのがフィギュア塗装のセオリーと言われてます。なので黒はガイアノーツのジャーマングレーを基本として、ガイアノーツ ニュートラルグレー4より暗めに調色したグレーを下地に塗装し、明るい部分を残しつつジャーマングレーで仕上げました。縫い目や皺には真っ黒でスミ入れすることで変化を付けることが出来ます。とはいえリアル寄りの造形ゆえに、光沢仕上げとすることで自然なハイライトが付き、グラデーションは目立たないので控えめです。
肌は対照的に、メリハリを強調した肌にしました。スーツを光沢クリアーで保護していれば、はみ出しても爪楊枝等で削れるので塗り分けは比較的容易です。
面相はファレホ肌をクリアーでコートしてタミヤエナメルで目と口を描き込みました。
髪もファレホで、ウェーブの掛かった髪がきれいに見えるように筆塗りしました。
モンモデル 1/9スケール レジンキット
ホットライダー
製作・文/菅原進哉
ホットライダー
●発売元/モンモデル●12650円、発売中●1/9、約19cm●レジンキット
菅原進哉(スガワラシンヤ)
月刊ホビージャパンではフィギュアメインの作例をコンスタントに披露。リアルテイストだけではなく、キャラクターの塗装もお手のもの。