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【MARUTTOYS作例】コトブキヤ×MARUTTOYSの働き者ロボット「NOSERU」【マイスター関田】

2022.01.09

NOSERU【コトブキヤ 1/12】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)

NOSERU トップ画 イイデスヨ

働き者のロボットを塗装で愛らしく仕上げる

 コトブキヤ×MARUTTOYSのプラキット第2弾「NOSERU」が発売となった。造形作家MiZ氏がワンダーフェスティバル2020[冬]で発表した、ATARASY社製の移動用および巡回警備用ロボットであるNOSERU。マイスター関田による作例では、その可愛らしいフォルムを引き立てる塗装表現を主題に製作。マスコットロボットとして本当にどこかに実在しそうな、親しみやすい印象で仕上げている。

NOSERU
NOSERU 後ろ

▲NOSERUはクラウドAIで管理されており、物や人を目的地まで迅速に運んでくれる。ワークモードでは背が高くなり広範囲を見渡せるため、警備用としても重宝されるロボットだ。市販もされており、用途に応じてさまざまなバリエーションが存在する

車輪を引き出して左右傾斜もできる
頭部はボールジョイントで微妙な仕草が取れる

▲頭部はボールジョイントで微妙な仕草が取れる。車輪を引き出して左右傾斜もでき、無機質な動作の中にも微妙な表情付けが可能となっている

NOSERUオプションキャリー
keiichiro製作のまどかをNOSERU

▲背中にはオプションキャリーを装着可能。荷物を載せたり、キャリー自体を追加座席にしたりできる。後頭部のシートには跨ぐほか横向きに座ることも。keiichiro製作のまどか(ホビージャパンエクストラ2021Winter掲載)を乗せて街へお出かけ!

NOSERU 走る
NOSERU内部
▲キットは頭部センサーや各部ライトがクリアーパーツ、内部にはディテール豊かなフレームが造形されており、架空メカの模型としてのポテンシャルも高い
urahana3製作のマガツキ[橘花]をNOSERU
▲各所に3mm軸穴を搭載。M.S.Gほかさまざまなコトブキヤ製パーツに対応する。FAガールとのコンビネーションで専用機風のカスタマイズも。urahana3製作のマガツキ[橘花](月刊ホビージャパン2021年10月号掲載)とは色合いも相性ばっちり

【塗装レシピ】

本体色=パールピンク
下地=GXクールホワイト+色ノ源マゼンタ+色ノ源イエロー
2層目=GXスーパークリアIII+雲母堂本舗FGパールオパールレッド
3層目=GXスーパークリアIII→5日間乾燥後に中研ぎ
4層目=GXスーパークリアIII(3層目の時より薄め液多め)

下地としてピンクを塗装
①下地としてピンクを塗装。この時点である程度の光沢を出すことでパールの反射が整い美しい仕上がりになると同時に最終的な光沢も出しやすくなる
パールパウダーをクリアーに混ぜ吹き
②パールパウダーをクリアーに混ぜ吹き付ける。下地の明度が高いのでパール反射の自己主張は抑えめ。パウダーを多めにし過ぎたり、吹き重ねすぎると白く濁るので注意
さらにクリアーコート
③さらにクリアーコートし、5日間放置した状態。塗膜内の溶剤成分が少なくなるほど中研ぎ後の表面状態がきれいになる。放置期間が不充分だと深い傷がつく等のリスクがある
ヤスリで中研ぎ
④ヤスリで中研ぎした状態。ここで塗膜上の凹凸をならす。1500~2000番の紙ヤスリでも可能だが、ウェーブの「ヤスリスティックフィニッシュ」は1500番よりもならす性能が高く2000番よりも仕上がりが細かいためおススメだ
もう一度クリアーコート
⑤もう一度クリアーコートして光沢を出し直した状態。溶剤を多めに混ぜ、塗膜の初期硬化までの時間を稼ぐことで吹きっぱなしでも光沢が出る。ただし、溶剤多めの塗料は垂れやすく、ギリギリのラインでの見極めに集中したい
NOSERU 高級家電や車の外装のような質感
▲作例はパール塗装+クリアーコートを施し、高級家電や車の外装のような質感を表現。「未来で販売されているロボット」らしさを演出している
ボディ中央がせり上がりワークモードに変形
▲ボディ中央がせり上がりワークモードに変形。格納していた腕が展開する。各節が可動し、先端の手で物を掴むこともできる
NOSERUとまどか

 ドーモ、マイスター関田でございます。今回は「TAMOTU」に続く「MARUTTOYS」シリーズの新作「NOSERU」です。キットはコンパクトかつシンプルな設計で、短時間の組み立てでユニークな流線形ボディが完成します。プラモに「強さ」と「カッコよさ」を追い求めてきた私としてはあまり開拓してこなかった「人の役に立つ」「カワイイ」非戦闘ロボットということで、いつもと違う感覚を持ち込んでの製作となりました。
 工作面では最終組み立ての際にパーツにストレスがかからないよう、仮組みでの確認を徹底。ハメ込みが緩くなるよう微調整を重ねました。またその調整がそのまま活きるよう、接続ピン・関節軸や軸受の穴をマスキングし塗料が乗らないよう注意しました。
 ボディの塗装は「カワイイ」という感覚の欠落を補うため妻に色のサンプルを見てもらい、アドバイスをもらいつつ色調を決めていきました。独特な形状を活かしたかったこともありパール層に光沢のクリアーコートを重ねて車のボディやおしゃれな家電製品の質感を意識した仕上げをしています。
 クリアーコートに関しては2回垂れるギリギリまでたっぷり吹いた後5日放置。カチカチに固まった塗膜をウェーブ「ヤスリスティックフィニッシュ」で磨き上げ、さらにクリアーコートを重ねています。これは塗料の表面張力を活かし吹きっぱなしで光沢を出す方法で、研ぎ出し→コンパウンドの仕上げに比べて研ぎ傷が残りにくいという利点があります。
 フレームパーツはABS樹脂ですが、特に下地を作るわけではなく直接塗装しています。注意すべきはパーツに応力がかかっていない=バラした状態で塗ることと、塗料を薄め過ぎず1回で大量に乗せすぎないこと。個人的にはこの点を守る限り塗装でABS樹脂が割れたことはないので、いつも通りの塗装作業で進めています。

MARUTTOYS NOSERU

コトブキヤ 1/12スケール プラスチックキット

MARUTTOYS NOSERU

製作・文/マイスター関田

MARUTTOYS NOSERU[ホワイトVer.]/[イエローVer.]
●発売元/コトブキヤ●各3300円、発売中●1/12、約9.4cm●プラキット

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ⒸMARUTTOYS ⒸKOTOBUKIYA

マイスター関田(マイスターセキタ)

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