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【ガールズ&パンツァー最終章 作例】プラウダ高校VS黒森峰女学園の一幕をディオラマで再現【山田卓司】

2022.01.09

「んんん~んやったぁ!」【プラッツ】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)

ガールズ&パンツァー最終章ロゴ

 いよいよ映像ソフトが発売となった『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話。同話からプラウダ高校VS黒森峰女学園の一幕を、ディオラマでお届けしよう。無限軌道杯第2回戦、プラウダは黒森峰の戦術を見越し高地に籠城しながらの迎撃戦を展開。マウスまでも撃破され黒森峰は劣勢に陥る。窮地の中で、エリカはまほの言葉から母校の伝統にこだわることをやめ、乗り換えたⅢ号戦車を中心に機動戦術を選択。プラウダのフラッグ車が逃げ遅れたこともあり、相打ちになりながらもⅢ号がフラッグ車を撃破する。エリカ会心の笑顔も印象的なこのシーンを、お馴染み山田卓司が製作。アクロバティックな構図が印象的な、『ガルパン』らしい作例となっている。

「んんん~んやったぁ!」

プラウダ高校VS黒森峰女学園 特写
プラウダ高校VS黒森峰女学園 ディオラマ全体
プラウダ高校VS黒森峰女学園 Ⅲ号戦車側アップ
ディオラマサイズ
▲ディオラマサイズは横33cm×縦25cm×高さ18cmほど。劇中の高地上をイメージしてベース自体も傾斜をきつめに造形している
Ⅲ号戦車 固有イラスト
▲固有のイラストが描かれているこのⅢ号戦車(どことなくまほに似ているような…)。以前もエリカが搭乗していたようだが、このⅢ号が今後の隊長車になるのだろうか?
プラウダフラッグ車のT-34/85 フラッグ再現
プラウダフラッグ車のT-34/85 天面にもディテールを追加工作

▲プラウダフラッグ車のT-34/85もプラッツ製キットを使用。フラッグをスプリングとピアノ線で再現した。天面にもディテールを追加工作している

転輪
ジャッキ台
転輪のアライメントを軽く下垂調整
▲Ⅲ号は車体に装着する転輪からハブキャップを複製し予備転輪にも装着。ジャッキ台にベルトモールドを追加した。T-34/85に圧し掛かるため、転輪のアライメントを軽く下垂調整している
Ⅲ号の塗装前状態 前方
Ⅲ号の塗装前状態 後方
▲Ⅲ号の塗装前状態。大規模な工作はしておらず、キットのストレート組みでもかなり印象は近いだろう
車体前方ハッチのヒンジや砲塔フック
車体正面装甲

▲車体前方ハッチのヒンジや砲塔フックを他キットから流用。車体正面装甲はキットより厚くするためプラ板に置き換えた

主砲基部は3mmほど延長
各部手すりは真鍮線に置き換え

▲主砲基部は3mmほど延長。細切れプラ材で凸ディテールを追加し、各部手すりは真鍮線に置き換えた

クラッペは2基とも開状態に加工
各転輪はハブキャップ周りにスジ彫りを追加

▲クラッペは2基とも開状態に加工、機銃もシンプルな棒状に作り直した。各転輪はハブキャップ周りにスジ彫りを追加している

T-34/85は全体にわたって加工 後方
T-34/85は全体にわたって加工 前方

▲T-34/85は全体にわたって加工。キットでは窓状に区切られている車体後方の各ルーバーは、ひとまとめになるようプラ棒で新造した

『ガールズ&パンツァー最終章』第3話も印象的なシーンは多々ありますが、個人的にグッと来たのが黒森峰女学園のⅢ号戦車。厚い装甲と大火力で圧す黒森峰伝統の戦法から離れて、エリカ自身が自分だけの戦車道を考え、ティーガーⅡからⅢ号J型に急遽乗り換えてフラッグ車を仕留めに行くシーンです。砲塔後部の備品箱に描かれた「石炭泥棒(現実のマーダーⅡにも描かれていたもの)」に似たイラストに思わずニヤリ。黒森峰のⅢ号戦車はTV版の決勝戦でマウスの取り巻きとしての登場のみで、本連載ではこれまで取り上げられませんでしたが、今回晴れて製作となりました。このⅢ号戦車は今後、黒森峰の隊長車として使われるのかもしれませんね。キットはプラッツの公式最新キットを使用しました。

・車体前面は設定とキット指示とは装甲厚が違うのでプラ板を貼って整形。
・履帯はモデルカステンの可動式に替えたのでサスペンションはトーションバーアームを荷重が掛かってない状態で固定。サスペンションアームのダボを削って可動化。
・車体各部の溶接線はすべてプラ棒&パテ埋めして消す。
・車体後部上面のワイヤーロープ用ブラケットは位置が違う箇所があるので埋める。
・車体後部左右の空気取り入れ口のルーバー中央板は真ん中なので、エッチングソーで切れ目を入れてから正しい位置に修正。
・フェンダー前部内側はフラットなのでプラ板で改修。
・左側後部の予備転輪ラックはキットパーツを使わず、プラ板で作ったアングル材に替える。
・予備転輪のハブキャップは本体転輪と同じなので、キットパーツを型取りしエポパテで複製して取り付け。
・車外装備品ブラケットは場所が違うので3Dプリントパーツに交換。
・ジャッキのブラケット形状が違うのでタミヤⅣ号戦車装備品セットから流用。
・砲塔側面、クラッペの前に跳弾板が付く(作例は付け忘れ)。
・砲塔側面前部に付くフックは形状が違うので別キットから流用。
・砲塔備品箱後部、ハッチの止め金はエッチングパーツでディテールを入れる。
・砲塔備品箱下部の絶縁用板はプラ板で工作。

 プラウダ高校のフラッグ車T-35/85もプラッツの公式キットを使用。

・車体前面下部はプラ板&パテでフラットに修正、車体前端はT-34/76と同じ丸い形状なのでプラ板で改造。そこに付くF6パーツは形状が違うのでプラ板で新造。
・転輪ハブに、プラ板から作ったテンプレートを使って同心円をスジ彫り。
・車体前面牽引フックの止め金左右にプラ板細切りでディテール追加。
・車体上面のスジ彫りのラインが違うので修正。
・備品箱上面に補強リブ追加。
・機関室のルーバーは前後に走るラインが違うのでプラ板の細切りで修正。
・予備燃料タンク基部上面のバーは真鍮線で長く作り替え。ベルトには三角形の金具が付く。
・防盾砲身基部は少し延長、監視口形状が違うのでパテ埋めして修正。
・砲塔上面とベンチレーターの溶接線やリブはすべて削り落とし、細いプラ棒でディテールを入れた。
・砲塔上面ペリスコープ基部座金の形状が違うのでプラ板を円盤状に切り出して工作。
・車体、砲塔の手すりの寸法、場所が違うので真鍮線で作り替える。
・左右の吊り下げフック(E3)の位置が違う。
・アンテナをピアノ線で付け、フラッグを薄い紙で作り取り付ける。

 ベースはプラウダ高校が陣取る高地をイメージしながらスタイロフォームで造形。テクスチャーペイントで地表のディテールを付け、さらに赤玉土を蒔いた。
 草はスタティックグラス(ディオラマ用草素材)。

プラウダ高校VS黒森峰女学園

プラッツ 1/35スケール プラスチックキットガールズ & パンツァー 最終章 III号戦車J型 黒森峰女学園‘エリカ隊長車(?)です!’ ほか使用

「んんん~んやったぁ!!」

製作・文/山田卓司

ガールズ & パンツァー 最終章 III号戦車J型 黒森峰女学園 ‘エリカ隊長車(?)です!’
●発売元/プラッツ●7700円、発売中●1/35、約18.3cm●プラキット

© GIRLS und PANZER Finale Projekt

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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