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ハイクオリティバイクキット「BMW R nineT」を基本に忠実に製作【成田建次】

2022.01.07

BMW R nineT【モンモデル 1/9】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)

ホットライダー トップ画

モンモデルのハイクオリティバイク&ライダーキットをツーマンセルモデリング

 2021年9月にモンモデルから発売された1/9スケールのBMW R nineTとホットライダーのキット。過去に同スケールのカワサキNinja H2Rとバイクガールが発売されており、その流れを汲むキットといえる本作はどちらも非常にハイクオリティ。形状的にはそのままでも充分通用するほどだ。こちらの作例を担当するのは月刊ホビージャパンが誇るふたりのモデラー、成田建次と菅原進哉。カラーリングはどちらもボックスアートの通りに仕上げており、基本に忠実にひたすらハイレベルな作例を作り上げている。

BMW R nineT

マルチマテリアルキットの素性を活かし仕上げる

 まずは成田建次による作例から。車体から突き出したBMWの伝統的な水平対向ボクサーエンジンが目を惹くR nineT。キットは一部メタルパーツやゴムパーツが採用されたマルチマテリアル仕様であり、1/9ならではのハイディテールな仕上がりが楽しめる。本作例ではそんなキットの素性を活かしつつ、改修すべきポイントを的確に押さえて完成度を高めている。

BMW R nineT 横
BMW R nineT 正面
BMW R nineT 後ろ
BMW R nineT 内容
BMW R nineT 内容2

▲パーツ数とそのハイディテールさは圧巻。デフォルトでエッチングパーツが封入されており、タンクは金属パーツで重厚感ある作りに。本作例ではこれらの素材感を活かして仕上げている

BMW R nineT 仮組み
▲接着剤いらずのスナップフィットキットなので仮組みがしっかり行えるのも利点。この段階で改修ポイントを把握しておく
ボルトの頭部
▲ボルトの頭部はエナメル塗料のクロームシルバーを筆塗りして仕上げ。黒に映える良いアクセントとなる
ボクサーエンジン
▲フォルムに特徴をもたらす水平対向のボクサーエンジン。シリンダーブロックに施された冷却フィンのディテールなど、非常に繊細で精密感抜群だ
BMW R nineT エキパイ 周辺
エキパイ
▲エキパイに焼け表現を施す。クリアーブルー→クリアーレッド→クリアーオレンジ→クリアーイエローの順番にエアブラシの細吹きでグラデーション塗装
タンク取り付け前のフレーム内部
▲タンク取り付け前のフレーム内部の様子。市販のリード線にてパイピングを追加し、情報量を増やした
各部のビスを高品質のものに置き換え
▲目立つパーツなので、各部のビスを高品質のものに置き換え。左がキット付属で右が置き換え後のもの。比べると違いがはっきりと出る
フローティングピン
▲ブレーキディスクと同様に、フローティングピンも旋削痕を追加。右が加工後
ブレーキキャリパーのパイピングを変更
▲ブレーキキャリパーのパイピングを変更。キット付属のチューブは太く、ホースジョイントのモールドも省略されてるため、さかつうのφ1.2X1.0ステンレスパイプでジョイント部を自作。チューブは一回り細い汎用φ1.0チューブに置き換えた(右が置き換え後)
ホイールは細かく分割されたパーツ構成
▲ホイールは細かく分割されたパーツ構成となっており、塗り分けがしやすくなっていた
ホイールはキットの形状を活かして製作
▲ホイールはキットの形状を活かして製作。塗装して組み立てただけでも見映え充分だ。ブレーキディスクには定番工作として、リューターに取り付けて回転させながら180番〜240番程度のペーパーを当てて摩擦痕を付けている
BMW R nineT 後方
BMW R nineT フロントフォーク
▲フロントフォークは金属製の純正オプションパーツを使用
フェンダーパーツ
▲フェンダーパーツはエッジを薄く削り込んでシャープ化。ステーにはボルトモールドを追加している
ボトムブリッジ
▲ボトムブリッジの赤丸部にアドラーズネスト製φ1.5金属リベットを追加。青丸部はさかつうステンレスパイプでブレーキホース取り付け部のモールドを追加
スプリングを後ハメ化
▲赤丸のパーツを削り込むことでスプリングを後ハメ化。塗装がしやすくなる
アクセルワイヤーテンショナーを自作
▲さかつうのφ1.2X1.0ステンレスパイプとφ1.0の洋白線でアクセルワイヤーテンショナーを自作した
BMW R nineT ハンドル周辺

■はじめに
 今回製作したのはBMW R nineTです。モンモデルは海外キットの中でも最近は特に力をつけてきているメーカーですね。前作のカワサキH2からさらに進化した繊細なディテールと1/9というビッグスケールで迫力のある模型作りを楽しめます。

■製作について
 キットはブレーキディスクやフローティングピン等に金属パーツを使ったマルチマテリアルなのでそれらを活かした製作としました。次にキットはすべてビス止めとハメ込み式によるスナップフィットになってますが、お約束で嵌合の緩い部分やきつい部分がありますのでやはり接着剤とパーツオープナーは準備しておきたいですね。
 また付属の極小ビス類は頭の形状がつぶれ気味です。外観に露出する箇所も多いだけに、今回はすべて日本メーカーの高品質なものに置き換えました。これだけでも完成度はグッと上がります。
 またキットのパイピングはチューブが太く接続ピンが簡素化された作りとなっているため、今回は一回り細い市販のチューブに置き換えて接続部をステンレスパイプで新造しています。
 最後に、フロントフォークは同社から純正オプションとして別売りされてる金属製のものを組み込んでます。ノーマルのプラパーツでは出せない質感が得られますのでぜひご参考に。

■塗装について
 カラーリングは3種類選べる仕様ですが、今回はボックスアートと同じブラック・ストーム・メタリックとしました。
 ポイントはタンク等の外装類の金属パーツの塗装です。ブラックとシルバーのツートン塗装を行いますが、ブラックを塗る前にプライマー処理としてミッチャクロンを吹き付けます。その後ブラックを塗装してラッカークリアーでコートして仕上げています。シルバー部分はきれいなヘアーライン処理が施された金属パーツなので素地をそのまま生かして質感を強調。その他のシルバー部分はスーパーファインシルバーを主とし落ち着きのある色にしました。エンジン等メカ部分は黒が多い配色なのでアクセントとしてボルト頭部を丁寧にエナメル塗料のクロームシルバーで塗り分けて真っ黒にならないように仕上げました。

BMW R nineT

モンモデル 1/9スケール プラスチックキット

BMW R nineT

製作・文/成田建次

BMW R nineT
●発売元/モンモデル●20900円、発売中●1/9、約23cm●プラキット

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成田建次(ナリタケンジ)

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