ハイクオリティバイクキット「BMW R nineT」を基本に忠実に製作【成田建次】
2022.01.07モンモデルのハイクオリティバイク&ライダーキットをツーマンセルモデリング
2021年9月にモンモデルから発売された1/9スケールのBMW R nineTとホットライダーのキット。過去に同スケールのカワサキNinja H2Rとバイクガールが発売されており、その流れを汲むキットといえる本作はどちらも非常にハイクオリティ。形状的にはそのままでも充分通用するほどだ。こちらの作例を担当するのは月刊ホビージャパンが誇るふたりのモデラー、成田建次と菅原進哉。カラーリングはどちらもボックスアートの通りに仕上げており、基本に忠実にひたすらハイレベルな作例を作り上げている。
マルチマテリアルキットの素性を活かし仕上げる
まずは成田建次による作例から。車体から突き出したBMWの伝統的な水平対向ボクサーエンジンが目を惹くR nineT。キットは一部メタルパーツやゴムパーツが採用されたマルチマテリアル仕様であり、1/9ならではのハイディテールな仕上がりが楽しめる。本作例ではそんなキットの素性を活かしつつ、改修すべきポイントを的確に押さえて完成度を高めている。
■はじめに
今回製作したのはBMW R nineTです。モンモデルは海外キットの中でも最近は特に力をつけてきているメーカーですね。前作のカワサキH2からさらに進化した繊細なディテールと1/9というビッグスケールで迫力のある模型作りを楽しめます。
■製作について
キットはブレーキディスクやフローティングピン等に金属パーツを使ったマルチマテリアルなのでそれらを活かした製作としました。次にキットはすべてビス止めとハメ込み式によるスナップフィットになってますが、お約束で嵌合の緩い部分やきつい部分がありますのでやはり接着剤とパーツオープナーは準備しておきたいですね。
また付属の極小ビス類は頭の形状がつぶれ気味です。外観に露出する箇所も多いだけに、今回はすべて日本メーカーの高品質なものに置き換えました。これだけでも完成度はグッと上がります。
またキットのパイピングはチューブが太く接続ピンが簡素化された作りとなっているため、今回は一回り細い市販のチューブに置き換えて接続部をステンレスパイプで新造しています。
最後に、フロントフォークは同社から純正オプションとして別売りされてる金属製のものを組み込んでます。ノーマルのプラパーツでは出せない質感が得られますのでぜひご参考に。
■塗装について
カラーリングは3種類選べる仕様ですが、今回はボックスアートと同じブラック・ストーム・メタリックとしました。
ポイントはタンク等の外装類の金属パーツの塗装です。ブラックとシルバーのツートン塗装を行いますが、ブラックを塗る前にプライマー処理としてミッチャクロンを吹き付けます。その後ブラックを塗装してラッカークリアーでコートして仕上げています。シルバー部分はきれいなヘアーライン処理が施された金属パーツなので素地をそのまま生かして質感を強調。その他のシルバー部分はスーパーファインシルバーを主とし落ち着きのある色にしました。エンジン等メカ部分は黒が多い配色なのでアクセントとしてボルト頭部を丁寧にエナメル塗料のクロームシルバーで塗り分けて真っ黒にならないように仕上げました。
モンモデル 1/9スケール プラスチックキット
BMW R nineT
製作・文/成田建次
BMW R nineT
●発売元/モンモデル●20900円、発売中●1/9、約23cm●プラキット
成田建次(ナリタケンジ)
クリーンな仕上げに定評があるバイク・カーモデラー。必要とあれば3Dモデルも駆使し、ハイレベルな作例を実現する。