“静”的ヴィネットで魅せる『フロントミッション』テラーン作例 by きの助
2021.12.29スクウェア・エニックスプロダクツ 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)
静的ヴィネットで魅せるフロントミッションの世界
続々とヴァンツァーが出揃うストラクチャーアーツ『フロントミッション』から早くも第2弾を使用した作例が到着。「フロスト」「テラーン」「炎陽」「ウォーラス」の中から今回はテラーンをピックアップして製作。ゲーム内の「セットアップ」シーンをイメージして、同スケールのフィギュアを加えてドラマやメカのサイズ感を強調。また筆塗りによる機体の質感はどこか懐かしさのある雰囲気となった。
アイデアや解釈次第でさまざまな姿を見せるストラクチャーアーツ『フロントミッション』シリーズ。新たに“静”の一面を見せてくれる作例をご覧いただこう。
■はじめに
第2弾に収録ラインナップの中でも、テラーンは1980 年代の模型・メカデザインの匂いを強く感じるユニークなビジュアルです。そんなテラーンの雰囲気に合わせてその時代のHJで見たことがあるような、どこか懐かしいヴィネットに仕上げて見ました。
広い可動域を持つストラクチャーアーツですが、中でもテラーンの脚部は手を加えることなく自然に降着ポーズがとれます。そこで今回のテーマとして、戦闘で破壊された右腕部を「ダスラークロウ」(特典パーツ)に換装している整備ハンガー内をイメージして製作しました。
■製作
まず、POM 製の関節部はポージングが決まったらエポパテですべて覆ってしまいます。これで塗装中に剥がれる心配もありません。“整備中”というシチュエーションを強化するため、コックピットハッチや整備用ハッチを開き、内部をジャンクパーツでデコレートします。
ダスラークロウを乗せているドーリーも同じくジャンクパーツの組み合わせて製作。整備シーンに欠かせないフィギュアは1/72ハセガワ「グランドクルーセット」をそのまま使用しました。ベースはスチレンボードにスジ彫りを施し、タミヤ製テクスチャーペイントを塗っただけのお手軽台座です。
■塗装
ラッカー塗料を筆塗りで基本塗装をし、仕上げにエナメル塗料で汚しを施します。筆塗りはきれいに満遍なく塗るというよりは明暗を描き込むようにタッチを入れていきます。デカールは同スケールの飛行機模型のものから色や形が適したものを選んで使用しました。
スクウェア・エニックス 1/72スケール プラスチックキット“フロントミッション ストラクチャーアーツ” テラーン 使用
セットアップ
製作・文/きの助
©1995,1997,1999,2003,2005,2007,2008 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
きの助(キノスケ)
『Ma.K.』関係の作品を数多く製作し、スケールからキャラクターまでさまざまなジャンルで雰囲気ある作品を手掛けるモデラー。