帝国海軍駆逐艦 潮【Takumi明春】
2021.11.09大戦を生き抜いた幸運艦をラージスケールで作る
昭和初期の1920年代末から日本海軍に導入が進められた「吹雪」型駆逐艦24隻は、それまでの駆逐艦よりも重武装の高性能駆逐艦であったため「特型駆逐艦」とも称される。今回ファインモールドから発売された「潮」は1/350スケールの特型駆逐艦キットだが、同型艦でも細部が微妙に異なる部分を新金型パーツでていねいに再現。また機銃類は精密なプラパーツナノ・ドレッドシリーズのパーツをセットし、ディテールアップパーツなしでも充実の仕上がりを保障。日中戦争から太平洋戦争に至るまで活躍した幸運艦をストレートに製作!
■キットについて
ファインモールドから今回も期待できるキットが発売されました。同社1/350シリーズの「綾波」、「天霧」に続く特型駆逐艦の第3弾「潮」です。
キットはフルハルとウォーターラインとの選択式で、ディオラマなどでも使えそうですね。パーツは艦橋、マストなど「綾波」と異なる部分が新金型で追加。モールドも繊細な感じで、細いところ太いところのメリハリも効いてとてもいい感じ。単装・連装・三連装25mm機銃は精密なナノ・ドレッドシリーズのパーツが付属するので、そのまま組み立てれば精密な「潮」が完成します。さらに別売りで特型駆逐艦用砲身、小型駆逐艦用弦外電路、特型駆逐艦用手すりセットも用意されており、完成度を極めたい時はこの3つのアイテムがあれば完璧でしょう。
■組み立て
今回は別売りパーツを使わずフルハルで製作していきたいと思います。フルハルなので最初に艦底パーツにプロペラシャフト以外のパーツを接着。次に側面船体パーツを接着し、長い方の甲板の銃座穴をドリルで開口して接着してしまいます。
そして船体、魚雷、砲塔、艦橋土台、艦橋上部、煙突土台前後、煙突上部前後、機銃、マスト前後、後部構造物上下を組み立て接着し、合わせ目処理後に板に両面テープとクリップを使って固定し塗装準備。
あと忘れていけないのがこの時点では艦首甲板パーツはまだ接着しません。そこは入り組んだ部屋があるため塗装後に接着するので……。
■塗装
上記のパーツが塗装準備できたら全部のパーツを塗装。大まかな流れは、船体は艦底色とリノリウムを塗装してマスキング。煙突上部を黒で塗装してマスキング。艦橋土台と艦橋床をリノリウムとタンで塗装して床部分をマスキング。あとは船体色を塗装し、乾燥後にマスキングを撤去し艦首甲板パーツを接着します。
あとは汚し塗装です。1/350なので個別にスミ入れと汚しをしていきます。スミ入れはタミヤのエナメルで、塗装表面に深みを加えるため原色の赤・白・青・黄の4色を筆で下地にポンポン乗せていきます。さらに筆に溶剤を少しつけてポンポン叩き、色が交わる感じに表面を馴染ませます。限られた時間の中で少し凝った塗装表現をしたくてやってみました。深みが出たと思うのですがどうでしょうか?
続いて茶系・赤系でサビ表現。油絵具を手でちぎったスポンジ片に軽く付け、ティッシュに余分な塗料を落としてから全パーツにポンポンします。基本は錆びるであろう部分にする感じですね。
ここまで来たら、各パーツを接着して違和感がないかチェックし、船体に接着。デカールを貼り、細かい部分は筆で塗り分けてから半ツヤでコーティング。さらにスミ入れが弱い部分はさらなるスミ入れを加えて完成です。
■まとめ
完成してみるとさすが最新アイテム、作りやすかったです。今回は別売りのディテールアップパーツは使わず、汚し塗装に時間を費やしてみました。1/350とはいえ昔と違ってパーツが精密なので紛失や破損には注意してください。
ファインモールド 1/350スケール プラスチックキット
帝国海軍駆逐艦 潮
製作・文/Takumi明春
帝国海軍駆逐艦 潮
●発売元/ファインモールド●8250円、発売中●1/350、約33.9cm●プラキット
Takumi 明春(タクミアキハル)
広大な海を船で自由に爆走し好きなところで船釣り! 最高にリフレッシュでき作例にも新たな気持ちになれる。Takumi明春 YouTube やり始めましたよ!