ノモ研 「クリアーパーツと接着剤」【野本憲一モデリング研究所】
2021.10.16今回はクリアーパーツに適した各種の接着剤について、その特徴と使用例を紹介していく。クリアーパーツは取り付けに粗があると目立ちやすく、うまく行えると作品の印象がグッと良くなるポイント。たいていは塗装後や仕上げ段階での接着なので、パーツ表面や周辺の塗装を痛めにくい接着剤を選び、個々の状況に応じた手順をとっていく。
製作・解説/野本憲一
ありがちな失敗例
こうした事態を避けるために接着剤の選択が重要、というお話。
接着剤選びのポイント
仕上がりを優先すると以下の3点が重要。
・パーツや塗装を痛めない(痛めにくい)
・硬化後が透明
・ハミ出しなど修正が可能
さらに接着箇所に応じて「接着の強さ、硬化時間、処置のしやすさ」などを加味して適したものを選ぶ。通常のプラキット製作では汎用的な2〜3種があれば、あとは使い方の工夫でほとんど対応できるだろうが、普段使わないタイプも特徴を把握しておけば困った時の助けになるかもしれない
水性形(ウレタン樹脂)接着剤
無溶剤でプラパーツを溶かさずに接着。7〜8年程前から模型用が販売され、プラキットやディオラマなどでの小パーツの接着に広まっている。
水性形(酢酸ビニル)接着剤
いわゆる「木工ボンド」タイプの接着剤。これもプラパーツや塗装を痛めないもので、クリアーパーツの固定には古くから用いられている。
接着跡が見える
合わせに塗り、固める
エポキシ系接着剤
二液混合型で強固に固定できる。力の掛かる場所や隙間のある接着で助かる。
光硬化型接着剤
前回でも少し触れた光硬化の透明接着剤。クリアーパーツ越しに接着面に光を当て、短時間で硬化させ固定できる。
透明粘着シート
両面テープの様に粘着して貼り合わせるもの。手順を踏んだ使い方なので、そこを詳しく紹介。
野本憲一(ノモトケンイチ)
小社にて「NOMOKEN」シリーズを多数執筆。キャラクター、スケールモデルなどジャンルを問わず数多くの作例とHow toを発表している。