傑作キット「MGウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka」をベースに仮想“MGウイングガンダム EW Ver.Ka”を製作!「ガンダムウェポンズ 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光編 」より
2022.03.26
XXXG-01W ウイングガンダム●コボパンダ ガンダムウェポンズ 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光編
キット2個イチで最新Ver.Ka想定モデルを製作
ヒイロ・ユイが搭乗する「XXXG-01W ウイングガンダム」。5機のガンダムの中で唯一バード形態への変形機構を持ち、強力な破壊力を有するバスターライフルを装備している。コボパンダによる作例は、2020年に発売された傑作キット「MGウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka」をベースに、2004 年発売のMGウイングガンダム Ver.Kaからウイングとバスターライフルなどを移植。仮想“MGウイングガンダム EW Ver.Ka”と呼べるものとして完成させている。
▲MG Ver.Ka の中でも最新キットであるウイングガンダムゼロ EW Ver.Kaに初期アイテムのウイングガンダムVer.Kaのパーツを移植。当然のことながら、パーツの精度には確固たる差があるので、移植工作と平行して各パーツのスジ彫りディテール追加や面出しエッジ出し工作といった整面作業を丁寧に行うことで両アイテムのパーツを馴染ませている
▲平面部分は当て木ヤスリを使用して整面。写真の肩アーマーパーツは真ん中に絶妙なエッジが入っているので、それを起点にしつつ崩さないようにヤスリ掛けを行う
▲曲面はスポンジヤスリを使用。スポンジヤスリは種類が豊富にあり、スポンジ部分の厚さを変えることで好みに合ったヤスリ掛けができる
▲ディテールが入っているパーツなどは、ヤスリ掛けによってディテールが潰れてしまう場合があるので、あらかじめ彫り直しをしておく。先端部はプラ板を貼り足して削り込むことでシャープ化した
▲0.1mmのBMCタガネで装甲が重なっているような部分を彫り直す。力を入れずになぞるように彫っていく
▲ダクトのような幅が広い部分の彫り直しはその形状に合わせたタガネを押し当てて彫る。力のいる押し切りなので、ケガをしないように注意
▲反対方向からも同じように刃を当てて、クサビ形に刃が入るように切り欠きを入れる。その後、幅に合わせたタガネで彫ることで角型のディテールになる
▲キット素組みと作例。各モールドや一体成型されている段差部分は彫り直しを行うことで別パーツに見えるようになった。また、元々ハイディテールキットであるところにスジ彫りや凹モールドを追加することでさらに密度感が高められているのが確認できる
▲バスターライフル予備カートリッジホルダーマウント部分の爪パーツをシャープ化するために、まずは大きめにプラ板を貼ってしっかり接着させる
▲接着乾燥後、プラパーツに合わせて削り込んでいく。小さいパーツは形が崩れやすいので、時間短縮のために粗い番手のヤスリで削るときは注意が必要
▲ウイングのバックパックを移植するためにゼロの胴体パーツを切り欠く。パーツを合わせて平らになるようにヤスリを当てていく
▲ウイングのバックパックはサイズを調整するためにプラ板等で幅増しし、ゼロの胴体パーツに接着するために調整。ABSを使用しているので瞬間接着剤を使用する
▲ゼロの胴体パーツに接着。強度を確保するため、接着面だけではなくパーツ同士の隙間にも瞬間接着パテ、瞬間接着剤を流し込む
▲両パーツを合わせてバランスを確認。ウイングパーツの位置等を確認したり、可動部のすり合わせを行う。強度確保のために下部にプラ板も貼り足している
▲ゼロのハンドではウイングのバスターライフルを装備できないので、ツインバスターライフルのグリップを丸ごと移植。黄色いパーツは軸部分を切り取って後ハメ加工を行う
▲グリップ部分をバスターライフルのサイズに合わせて上部を切り欠き、真鍮線を通して接着面との強度を確保する。合わせ部分が割れる可能性があるので、すり合わせは慎重に行う
▲グリップを接着。この時点でハンドパーツとのすり合わせや、保持力を確認しておく。グリップ下部の形状は瞬着パテで整える
▲最後にグリップ下部をプラ板で補強しつつ、バスターライフルの形状に合わせて整面。違うパーツ同士を接着するので、補強と補修ができる瞬間接着パテを使用している
▲組み合わせの元になった2キット(左2体)と完成した作例(右)。MGウイングガンダム Ver.Kaはシルエットだけで見るなら現在の目で見てもとてもよくできたものであるが、MGウイングガンダムゼロEW Ver.Kaは近年のキットに見られるインナーフレームが露出したアーマーやシャープな造形など圧倒的な進化が見られ、太モモやふくらはぎがひと回りボリュームアップしたことでグラマラスな体型になっている。本作例はこのキットを使用することで最新モデルとしてのMGウイングガンダム EWを作り上げ、いつかリリースされるであろう「MGウイングガンダム EW Ver.Ka」を想定したものとしている
▲付属のフィギュアは丁寧に塗り分け。フィギュアはMGウイングガンダムゼロEW Ver.Ka付属のほうを使用した
▲1/144『新機動戦記ガンダムW』のWFシリーズとしてリリースされたキットに付属している5人のフィギュアを丁寧に塗装。一部整形して形状をくっきりさせている
▲MGウイングガンダムゼロ EW Ver.Kaでは『敗者たちの栄光』劇中に合わせてバード形態への変形機構が追加されており、その機構を活かして本作例でもバード形態への変形が可能となっている
■一番乗り(ノリ)でやっちゃうよ
MG Ver. Ka最新作「ウイングガンダムゼロEW」(以下、ゼロ)を使用して、変形機構も活かしつつMGウイングガンダム Ver.Ka(以下、ウイング)とのミキシングで、「新バージョンのウイングガンダム EW」を製作していきます。
■ミキシング
ゼロとの違いはウイングパーツとバックパック、前腕外側パーツなのでそこからトライしていきます。ウイングパーツをバックパックごと移植するためにゼロの胴体をカット。バックパックと接続軸をまるまる移植します。幸いなことにバックパックの幅がほぼ一緒だったので、切り欠いたパーツをそのまま接着することができました。素材がABSなので瞬間接着材で固着したり、軸打ち、プラ板等でしっかり補強します。前腕パーツはゼロのパーツにパテを盛って土台を作り、そこにウイングのパーツを差し込んで固定しています。ややサイズが合わないので、プラ板等で延長してバランスを合わせました。
■武装
ウイングのシールドマウントパーツはゼロの前腕パーツの幅とぴったり一致する上に、ちょうどいい爪をひっかける凹みがあった(ラッキー!)ので、ゼロ側の形状に合わせて少し削り込んですり合わせをするだけで取り付けられました。手間を要したのはバスターライフルで、ハンドパーツとの規格が全く合わないのでゼロのツインバスターライフルのグリップをカットしてバスターライフルに移植することで対処しています。軸打ちなど強度も必要な上にバスターライフル自体に重量があるので保持力が弱く、難易度もそこそこな工作ではありますが完成した時の満足度がすごいです。
■塗装
ホワイト=アルティメットホワイト+ニュートラルグレーⅠ ブルー=ブライトロイヤルブルー+本体ホワイト レッド=ローズブライトレッド イエロー=マイルドオレンジ+本体ホワイト 関節グレー=ガイアカラーのニュートラルグレー各種を調合
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット“ マスターグレード”ウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka + ウイングガンダム Ver.Ka
XXXG-01W ウイングガンダム
製作・文/ コボパンダ
ご覧いただいたウイングガンダムは、現在好評発売中の「ガンダムウェポンズ 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光編 」にも掲載されております。本書はコミック作品『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』をフィーチャーし、ウイングガンダム以外にもMGウイングガンダムゼロ EW Ver.Kaを中心に、コミックで新たに設定された新武装を含めて主要な機体の作例を全網羅しております。
主役ガンダムをはじめとするモビルスーツの魅力が伝わる一冊となっておりますので、ぜひご覧ください!
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ⓒ創通・サンライズ
コボパンダ
メカものからガールズキャラクター系キットに加え、スケールモデルもこなす中堅モデラー。スジ彫りやプラ板工作の精度が高く、塗装テクニックも幅広く持っており、キットレビューからHow to記事などさまざまな場面で活躍している。
オススメの書籍
ガンダムウェポンズ 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光編
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