即席戦闘用エグゾフレームを使用した『OBSOLETE』ディオラマ 「EP6 JAMAL」【澤武慎一郎】
2021.09.23EP6 JAMAL 【グッドスマイルカンパニー 1/35】 月刊ホビージャパン2021年10月号
即席戦闘用エグゾフレームで子供兵の束の間の休息を切り取る
2021年4月に発売された即席戦闘用エグゾフレーム(2体セット)を使った作品。即席戦闘用エグゾフレームを4体(2キット分)と同スケールの装甲車を使い、戦闘後に焚火を囲み休息をとる子供兵たちの姿を描いている。キット以外は100円ショップやホームセンターで購入できるものがほとんど。1/35スケールのベースに詰め込まれた濃密な情景をじっくり楽しんでほしい。
即席戦闘用エグゾフレームを使いヴィネットを作ります。作例はキット2セット、合計4体分のエグゾフレームを使用。パイロットは男女2種が選べますが、今回は1名だけ搭乗させ、あとの隊員は降りて休憩中とします。
まず組み立て、やはり幌の透明部分がクリアーになってないのは気になるので、クリアーレジン化します。お湯まるで型を取り窓部分をくりぬきます。型を当てて裏からクリアーレジンを流し紫外線ライトで硬化させます。その他、アメリカ軍の装備品を幌にくっつけてあります。こうすると長いこと遊撃隊やってる感が出る?
全体をサンディブラウンで塗装してしまいます(これがベースカラーになります)。細かな塗り分けは筆で行い迷彩も筆で描き、グリーンはフィールドグレー2を使用。基本塗装が終わったら、全体にエナメル塗料のデッキタンやサンドイエロー等でウェザリング。かなり使い込んだ感じにしてやります。
今回は廃工場か倉庫だった建物の残骸でひと休み、にしたかったので、場面を唸りながらない知恵しぼって必死に考えます。ベースは100円ショップのコルクボードを加工。ダンボールや余剰のコルクで少しかさ上げし、建物はスチレンボードで2階まで作り、そこから派手に壊していきます。大まかにはカッターで切り取って、欠けた切り口や弾痕はペンチで千切ってやると感じが出ます。形が決まったらコンクリ感を出すために溶きパテを塗布し乾かします。破壊された部分はニッパーで切ったりペンチで千切ったりひん曲げたりしてから塗装します。コンクリ部分はライトグレー、鉄製の部分はガンメタルで塗り、油彩でひたすら汚したり錆びさせたりします。
ゲストの車両はトランペッターのカナダ装甲車クーガーです。これを素組みしてからひたすら汚して残骸にします。横腹に1発喰らって大火災になり中は丸焼け、タイヤも繊維を残して消失し、その後放置されて荒れ放題といった趣。
フィギュアは少年兵を出したかったのでマスターボックスの傭兵セットを採用。どこの軍隊かまるで分らない無国籍というか、良い感じの胡散臭さが世界観に似合うと思います。ほとんど箱画の通りに塗って仕上げています。
ちょっとしたお遊びで焚き火を作って電飾を入れてみました。スイッチを入れると明かりがまたたいて火が燃えてるかのように見えます。
グッドスマイルカンパニー 1/35スケール プラスチックキット“MODEROID”即席戦闘用エグゾフレーム使用
EP6 JAMAL
ディオラマ製作・文/澤武慎一郎
MODEROID 即席戦闘用エグゾフレーム(2体セット)
●発売元/グッドスマイルカンパニー●2300円、発売中●1/35、約8.5cm●プラキット
ⒸPROJECT OBSOLETE
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。