Imaginary Skeleton ティラノサウルスで博物館風のディオラマを製作【澤武慎一郎】
2021.09.10Imaginary Skeleton ティラノサウルス【BANDAI SPIRITS 1/32】 月刊ホビージャパン2021年10月号(8月25日発売)
博物館をイメージしたディオラマ仕立てで注目キットを楽しむ
BANDAI SPIRITSの新たなプラモデル「Imaginary Skeleton」シリーズ。固定骨格プラモデルと銘打った本シリーズは、最新の学説や科学的知見を盛り込み、骨格標本の組み立てを疑似体験しながら、知的欲求も満たしてくれる化石プラモデルだ。生命を感じる細部の造形は、恐竜専門家の富田京一氏監修によるもの。その魅力的な化石モデルを、巧みなパーツ構成と接着剤不要のスナップフィット方式で見事にキット化。立体パズル的に組み上がっていく様は、まさに最新の恐竜化石教材といえる。作例では、このキットをさらに楽しむべく、博物館内をイメージしたディオラマとして仕上げている。
ティラノサウルス Tyrannosaurus
学術名:Tyrannosaurus rex
竜盤目獣脚類(亜目)テタヌラ類(下目) コエルロサウルス類 Coelurosauria
ティラノサウルス科 Tyrannosauridae ティラノサウルス亜科 Tyrannosaurinae
地質時代:中生代白亜紀後期
全長:最大13m 体高:約6m 体重:最大9t 寿命:約30年 肉食恐竜
本格的な骨格標本模型であるこのキット、博物館風にとのオーダーです。
キットは素晴らしい造形で惚れ惚れします。ほとんど問題になるような箇所はありませんが、合わせ目が脚に何箇所かあり、ぴったり接着したあとヤスリ掛け……といつもなら行くところですが、せっかくの微細な彫刻が台無しになりそうなので、残った合わせ目は流し込み接着剤を撫でるよう塗り、ならしてやるとなじんで消えてくれます。成型色が濃いブラウンなので、一度サフ吹きしてから黄土色に塗装しています。ハンドピースを細吹きにしてレッドブラウンやマホガニーで調子をつけて、博物館の骨格標本の質感を目指します。
ベースは一体成型ながら良い感じのヴィネットになっており、化石化した体ならば無塗装ないしは単色でもOKですし、岩肌風に塗装してもいいでしょう、普通に塗り分けるだけでも雰囲気が出ます。今回はせっかくなのでリアルに見えるよういろいろ追加して博物館の展示風にしています。基本は筆でペタペタ塗っていくだけです。倒木や草、岩を塗り分けていきます。エナメル塗料で汚したり、岩などは明るめの色でのドライブラシも効果的です。
ここからはいろいろプラスしてグレードアップする方法です。といっても特別なことでもなく、いつものようにモーリンの砂を撒いたり、ターフを生やしたりします。薄めた木工用ボンドをスポイトで染み込ませてそれらを固定してやります。さらにグリーンスタッフワールドやウェーブの葉っぱ型パンチを使い切り出し、着色した落ち葉を散らしてやると森の中感が出ます。これも木工用ボンドを染み込ませて固定します。今回はさらにグラスウールも植えてみました。足跡のあたりはぬかるんでるような造形なので、周りの水溜りともどもカトーのリアリスティックウォーターを流してヌメった感じにしてあります。端の岩にスポットライトを3ヵ所設置。これはビルダーズパーツHD1/100MSスパイク01を流用して作り、ホルダーはプラ板とプラパイプの組み合わせです。配線はベースの裏に逃がし006P電池を仕込んでいます。CRDは3個使用しました。
ディオラマベースは100円ショップのコルクボードに、スチレンボード+プラ板でタイルの床を再現。柵は真鍮線にエナメル線をハンダづけしたものをたくさん作り、コの字に曲げてフックにし、そこにチェーンを引っ掛けて速乾ボンドGクリアーで留めています。
フィギュアはミニアートのドイツ市民1930’s-40’sを使い、軍人以外は全員出演願いました。短パンの青年は軍服っぽいので長ズボンに改造し、それぞれ今風のカラーに塗っています。
動画で作例をチェック!
BANDAI SPIRITS 1/32スケール プラスチックキット
Imaginary Skeleton ティラノサウルス
ディオラマ製作・文/澤武慎一郎
Imaginary Skeleton ティラノサウルス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●3960円、発売中●1/32、約36cm●プラキット
ⒸBANDAI SPIRITS
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。