ミニディオラマ風で仕上げるⅡ号戦車 F型 “北アフリカ戦線”【青木周太郎】
2021.09.02II号戦車 F型“北アフリカ戦線”【アカデミー 1/35】 月刊ホビージャパン2021年10月号(8月25日発売)
久々の完全新規でのキット化となった、アカデミーのⅡ号戦車F型を青木周太郎が製作。キットは抑え気味のパーツ数ながらその武骨なスタイルを忠実に再現。手のひらサイズながら満足度の高いキットといえるだろう。作例では、ほぼストレートで製作しつつ、ダメージ表現で使い込まれた車両の雰囲気を追加。さらにフィギュアとベースを加え、ミニディオラマ風にまとめている。
■まえがき
今回はアカデミーより新発売されたⅡ号戦車のF型を早々に製作してみました。
Ⅱ号戦車F型はタミヤでもキット化されていますが、かなり古い時期のものですし、ドラゴンのキットは現在入手が困難なため、エンジン上部のグリルが開口された今回のアカデミー版は貴重なキット化と思われます。
箱組みの車体もはめ込み部分を大きく取ることにより組みやすさを重視しつつ、精細なモールドも充分に再現されているので楽しく組むことができました。履帯も部分連結で構成されており、モールドも良好です。
■製作
キットはほぼストレート組みです。少し戦闘に使用された感がある車体にしたかったのでフェンダー部分をプラ板で少しいじって滑り止め部分も軽いダメージによる変形を、大げさにならないくらいに再現してみました。
OVMのツールホルダー、工具箱のクランプ等はグリフォンモデルのパーツに変換してみました。ライトコード等もパーツに含まれていますが少し太い気がして、真鍮線に置き換えてみましたが、キットのままでも充分だったかも。
旧ジェリ缶もキットに入っていますが、数が少なくタミヤのキットより流用しました。ジャッキは筆者のミスで損失してしまい、やむなくガレージキットを流用して代用してしまいました。キットの再現性はすばらしいだけに大失敗でした。
アンテナは0.5mmの真鍮線をドリルにはめ込みヤスリで先端を細かく削り出して製作しました。溶接跡はいつも通りブレインファクトリーのヒートペンでそれらしく誇張してあります。
フィギュアは戦車兵はタミヤのキットを組み合わせそれらしく、兵士はホビーボス(旧トライスター)の物を少しいじって製作してあります。
道標はミニアートのキットを使用しましたが、勉強不足でそれらしく置いてみましたが適切ではないかもしれません。サボテンはドラゴンのキットのおまけです。
■塗装
今回再現してみたかったのが、友人柴田和久氏に以前ご教授を受けたことがある、本来のアフリカ色であるトローペンⅠでの初期のイエローブラウンでのベース色に、グレーグリーンの迷彩を再現してみました。
タミヤアクリルXF-9に、イエローブラウンに、フラットフレッシュを混色して数種類のベース色を用意して、グラデーションを考慮してエアブラシで吹き付け、基本色としました。迷彩は、デザートイエロー、フラットグリーン、レッドブラウンの混色で塗装してあります。
アカデミー 1/35スケール プラスチックキット
Ⅱ号戦車 F型“北アフリカ戦線”
製作・文/青木周太郎
Ⅱ号戦車 F型 “北アフリカ戦線”
●発売元/アカデミー、販売元/インターアライド●3080円、発売中●1/35、約13.7cm●プラキット
青木周太郎(アオキシュウタロウ)
デビュー36年を数えるベテランAFVモデラー。持ち前のフットワークの軽さで、新作キットを中心にコンスタントに作品を発表している。