HOME記事キャラクターモデルULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》アルファ・スペリオル/曙丸

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
アルファ・スペリオル/曙丸

2021.08.16

ULTRAMAN SUIT ZERO《LM MODE》【BANDAI SPIRITS 1/12】、アルファ・スペリオル/曙丸 月刊ホビージャパン2021年9月号(7月21日発売)

UAUフォトストーリーに登場したオリジナル作例を紹介!

 ここではUAUフォトストーリー特別編に登場した2つの作例「ZERO SUIT《LM モード》」と「SEVEN用装備《アルファ・スペリオル》&《曙丸》」を紹介する。フォトストーリーの展開を受け、《LMモード》は只野☆慶が、2つの装備はフォトストーリー設定協力の谷崎あきらのアイデアを基にスクラッチを得意とするアスイが製作した。
 《LMモード》はフォトストーリー初の女性が装備(憑依)したULTRAMANということで普段の只野☆慶のULTRAMAN作例とはあえてテイストを変え、女性らしい艶やかさを演出。
 対する《アルファ・スペリオル》&《曙丸》は、谷崎あきら案に盛り込まれたオマージュを丁寧に拾いつつ迫力ある造形を実現。
 本作例は、過去作オマージュが盛り込まれつつどんどん広がりを見せるUAUの世界の自由度を表現するような作例となっている。このようなオリジナル武器や形態を作ってみるのもULTRAMANプラモの楽しみのひとつだ。

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》と
アルファ・スペリオル/曙丸
扉絵

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
リア
▲ULTRAMAN SUIT ZEROの新たな形態。配色自体はスマートフォン用ゲーム『ULTRAMAN BE ULTRA』ですでに登場しているものを参考にしつつ、女性が宿っているという設定はUAUフォトストーリーオリジナルのため女性的な印象を塗装で付与した。シルバー部分にも薄くクリアーバイオレットが重ねられており、神秘的な雰囲気が漂う
ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
フロント
ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
立ちポーズ
通常カラーと比較
▲只野☆慶製作の通常ZERO SUITと比較。ソリッドな質感のZERO SUITと比べると全体的に艶があり、性格の違いを想起させるものとなっている
シルバー検討段階テストピース
▲シルバー検討段階のテストピース。ラフシルバーは効果的だが粒子が粗く、スーパーシルバーは2コート前提であり粒子も細かいので最適と判断した(スーパーシルバーの商品詳細はこちら)(ラフシルバーの商品詳細はこちら)
塗装手順
▲塗装の手順。①ベースグレー⇒②C159スーパーシルバー⇒③クリアー×GX108 GXクリアバイオレットでシルバー部分は完成。④ブルー部分はその上にクリアー×GX103 GXクリアブルーを重ねてフィニッシュ(ベースグレーの商品詳細はこちら)(GXクリアバイオレットの商品詳細はこちら)(GXクリアブルーの商品詳細はこちら)
ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
アクション
肉抜き穴埋め
▲ヒザ関節の肉抜き穴に光硬化パテを入れ硬化後切削。ZERO SUIT3体目ということもありディテールは露出部分のみに集中した
ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》
アクション2
SC仕様とLMモード比較
▲同じく只野☆慶製作の《SC仕様》と合わせて。《SC仕様》はどちらかというと通常のZEROに近い仕上げとなっている。それぞれのイメージソースはウルトラマンゼロの変化形態、「ストロングコロナゼロ」と「ルナミラクルゼロ」である

■LMモード
 UAUフォトストーリーは番外編が進行しておりますが、今回はZEROのエピソードということで有難くも招聘されてまいりました、只野です。
 今回は ZERO SUITがお題です。UAU Ep17 ZERO編最終回でゼロスラッガーの結晶構造の中に思考主体を退避させたマヤは、科特隊によって回収されZEROの中で電子生命体として復元されました。無骨な戦士がZERO SUITをマヤに譲ると装甲の可変波長透過吸収機能がボディカラーをブルーに変えたのでした。そう、マヤが宿ったZERO SUITはLMモードとなったわけです。
 マヤのキャラクター性を何とかカラーリングで表現したい! 只野は無い頭をフル回転させ、チーンと来ました! ジャグラスカラーにも応用したキャンディ塗装を再度活用しようと。

■基本工作と方向性決め
 ヒザ関節の肉抜き穴への処理やパーティングライン処理、ディテール彫り直し等の基本工作は従来と同等のものだが、時間的制約もあり股関節改修など一部割愛。
 これまで製作した13体のULTRAMAN SUITの内12体はソリッドカラーにパールカラーを重ね半光沢仕上げを施しています。これは下地色の透過により華美にならないしっとりとした質感を得られるためで、写真が印刷された際のリアリティーを意識した結果。しかし今回は少しテイストを変え、女性を内包するキャラクターらしい透明感のある仕上がりを目指すことにしました。

■キャンディ塗装
 さて、その透明感はキャンディ塗装で表現しようと思います。キャンディカラーは下地にシルバーを塗装→クリアーカラーでオーバーコートすることで深みのある表情を得られます。ということでまず下地シルバーの選定を行います。
 最初にGSIクレオスのC8シルバーを下地に使ったところ、濁った状態となり不向きなようです。次に使ったGX208ラフシルバーは下地に適していて深みも出ますが粒子が大きくイメージに合いません。UAU作例で定番のC159スーパーシルバーが、元来エアブラシ専用で2コート推奨な上粒子もきめ細かく最適だと判断しました。
 次にクリアーカラーですが、吹き付けのためにそのまま希釈すると発色させるのに苦労します。そこでクリアーを添加すると顔料が比重で淵に寄ったりせず均一に定着させやすくなるのでオススメです。メインの青はクリアー+GX103 GXクリアブルーを3倍程度の希釈率で複数回重ね吹きします。この際発色の変化をよく観察しながら行うと、目標とする色味までの重ね吹き回数を割り出せるでしょう。シルバー部位はクリアー×GX108 GXクリアバイオレットを軽く重ね淡く色味を加えています。

試作対怪獣大型高速力線砲 アルファ・スペリオル

科特隊エンジニア、中島が開発した大型銃。取り回しの悪さが諸星の不評を買い、失敗作の烙印を押される羽目となった。

試作対怪獣大型高速力線砲 アルファ・スペリオル
試作対怪獣大型高速力線砲 アルファ・スペリオル装備状態
イメージラフ
▲UAU設定協力:谷崎あきらによるイメージラフ。こちらを基にプラ棒とプラ板の箱組みで製作されている
グリップ部分
▲グリップはSEVEN SUITに付属のEXライフルのグリップを使用。ヒンジを使用し可動する仕様となっている。上部の大型グリップは同キットのWIDE SHOTから
試作対怪獣大型高速力線砲 アルファ・スペリオルとSEVEN SUIT比較
▲全長は約28cm。SEVEN SUIT(製作/只野☆慶)の倍近くあり、相当なボリューム感だ
バイポッド可動
▲バイポッドが可動。地面に固定しての射撃…などというシチュエーションも可能だ

試作対怪獣大型超振動伐斬刀 曙丸

科特隊エンジニア、堀井が開発した伐斬刀。刀身自体が激しく振動し、その力で対象を切断する。科特隊に侵攻したマグニアを撃破したが、諸星から厳しい評価を受けた。

試作対怪獣大型超振動伐斬刀 曙丸
▲アイスラッガーをモチーフとした武器。刀身部分はポリパテ、他部分はプラ棒で製作
イメージイラスト
図面

▲谷崎あきらによるイメージイラストを基に図面を起こし、製作にあたっている

試作対怪獣大型超振動伐斬刀 曙丸装備状態
試作対怪獣大型超振動伐斬刀 曙丸とSEVEN SUIT比較
▲全長約32cm。長さもさることながら厚みもありかなりの迫力
合体状態
▲アルファ・スペリオルの銃口に曙丸が合体! 全長は驚異の47.5cm。こちらは後のフォトストーリーで登場予定。その際改めて紹介予定なのでお楽しみに

 どうも、アスイです。前回の「アルファ・スペリオル」に引き続き「曙丸」の作例を担当させていただきました。最近長さのある作例に定評が出てきたかな?と思い始めております。
 フルスクラッチ作例は初めてではないですが、編集部から送っていただいた資料が難物で大いに頭を悩ませました(笑)。
 まず「アルファ・スペリオル」に関しまして。モチーフは『ウルトラマンレオ』に登場した「ウルトラキー」だということで、それをオマージュした形状で製作しました。「曙丸」はウルトラセブンのアイスラッガーを取り入れた形状となっております。
 全体的にプラ板の箱組みで構成しましたが、曙丸は刃の造形にポリパテを使っておりますのでやはりそこそこの重さになってしまいました。そしてあの大きさなのでもう笑うしかありません(笑)。ちょっとした鈍器です。
 そんな重くて長い「曙丸」と「アルファ・スペリオル」が合体したことによって、自身の模型人生で一番長い作品となりました。
 合体に関してですがもう単純に差し込んで合体する方が寧ろいいのではないかと思い、どシンプルに銃身に差し込んで合体という形にさせていただきました。
 カラーリングについてですが、「アルファ・スペリオル」は見ての通り金色をメインカラーに、「曙丸」は『ウルトラマンダイナ』に登場する「曙丸」を意識したカラーリングにさせていただきました。

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》とアルファ・スペリオル/曙丸

BANDAI SPIRITS 1/12スケール プラスチックキット“Figure-rise Standard”

ULTRAMAN SUIT ZERO《LMモード》

製作・文/只野☆慶

ノンスケール スクラッチビルド

アルファ・スペリオル/曙丸

製作・文/アスイ

ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSEのすべてがここに!

『ULTRAMAN』(原作:清水栄一×下口智裕)から派生するプロジェクト「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」。そのすべてが詰まった1冊がついに登場!

 SUITの設定画やビジュアルをじっくりと見ることができる「ULTRAMAN SUITギャラリー」。模型製作にも役立つプラキットシリーズ「Figure-rise Standard」の作例が多数掲載された「Figure-rise Standard作例紹介」。月刊ホビージャパンに掲載された、長谷川圭一氏による「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」小説の「番外編」を写真とともに掲載した「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSEフォトストーリー」。3つの章と豪華インタビューで「UAU」の世界を楽しみ尽くせること間違いなし!
 さらに「NEXUS SUIT」が登場する書き下ろし小説も収録されておりますので、見逃し厳禁です!

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Ⓒ円谷プロ ⒸEiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi

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只野☆慶/アスイ

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