Honda Super Cub C100
およそ63年の歴史を模型で表現し、楽しむ
2021.08.11
Honda スーパーカブC100【フジミ模型】 月刊ホビージャパン2021年9月号(7月21日発売)
スーパーカブシリーズの原点、初代C100の作例。今もなお現役で稼働中というドラマ性を持たせた仕上げとし、本体はピカピカではなく経年変化を持たせたヴィンテージスタイル。シチュエーションをイメージさせるストラクチャーや小物を用意し、ライトアップギミックも搭載させた。
バイクやカーモデルはピカピカに仕上げるのがセオリーと思われがちだが、こうしたヴィンテージ仕上げももちろんありだし、歴史のあるスーパーカブでは特に楽しみやすいテイストといえる。
TVアニメ『スーパーカブ』でにわかに盛り上がりを見せる今日この頃ですが、1958年にホンダから発売された初代スーパーカブを抜きにしてスーパーカブは語れない! ということで、今もなお愛されているこのC100を作ってみました。
バイクプラモの鬼門、スポークの処理も非常にシャープな成型で極細スポークが再現されており、ストレートに組んだだけでも充分にかっこいいC100が完成するのですが、せっかくなのでポイントを絞って手を入れました。まず、カブで一番印象的なフロントのカバーのフチが分厚いのでナイフで削り込みシャープな印象にしています。ほかにもフェンダーなどフチの厚みが目立つパーツも同じく削り込み。リアのチェーンカバー裏をプラ板で塞ぎディテールアップしました。
車体全景の写真だけでは分かりにくい箇所も、C100はパーツ単位でオークションなどでも盛んに取引がされているため、資料に困ることが無いのが嬉しいですね。
ヘッドライトとテールランプを光らせるため、シートに電池ケース、エンジンにスイッチを入れて配線をしています。
塗装は「現役で活躍しているC100」に見えるようにポイントを絞ってサビなどのウェザリングを施しました。サフを吹いた後、タミヤパテに園芸用の砂を少量まぜたものを塗布することで浮き錆を表現しました。C100は58年当時としては先進的で一部パーツに樹脂(プラスチック)が使われているので、金属で作られたパーツより白を多めに混ぜ、紫外線による白化を再現しました。ホイールやマフラーにはガイアノーツの「プレミアムメッキシルバー」を使用。
台座は自宅の近所を散策して見つけた、いい雰囲気の町工場をスチレンボードとプラ材で製作しています。プラパイプで作ったパーツクリーナーと市販のドールハウス用の工具を添えれば、バイク乗りならお馴染みのバイク整備シーンが出来上がります。
フジミ模型 1/12スケール プラスチックキット
Honda スーパーカブ C100
製作・文/きの助
ホンダ スーパーカブ C100(1958年)
●発売元/フジミ模型●3190円、発売中●1/12、約15cm●プラキット
きの助(キノスケ)
キット製作、スクラッチ、電飾などさまざまな模型製作技術を駆使して魅せる仕上げを得意とする。バイク乗り。