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ディオラマで魅せる、MMシリーズ最新キットの魅力!

2021.05.07

エンジントラブル【タミヤ 1/48】 月刊ホビージャパン2021年6月号(4月24日発売)

 小型車両ながら、製品化発表以来、AFVファンから注目を集めていたタミヤの最新キット、ケッテンクラートを、今月二度目の登場となる山田卓司が製作。精密感と組み立てやすさが向上したタミヤの新生ケッテンクラートの見どころを、ある晩秋の風景を切り取ったディオラマとともにご覧いただこう。

▲ 過去にMMシリーズNo.29としてもキット化されているケッテンクラートだが、今回は1943〜44年に生産された中期型を再現。ドライバー、行軍中の兵士2体に加え、専用の牽引トレーラーも付属する
▲ ディオラマ全景。地面はスタイロフォームを積層して削り出して製作し、地表はタミヤのテクスチャーペイントを塗った後に赤玉土を接着。塗装して仕上げた。ベース奥のケッテンクラート一行は、キット付属のフィギュアを配置したものだが、いずれも自然な雰囲気が素晴らしい名優ぞろい。ベースサイズは縦約23cm×横約27cm×高さ約17cm
▲ エンジングリルのエッチングパーツを曲げるための治具も用意されている
▲ 付属の行軍中の兵士もNo.29のフィギュアのアップデート版を思わせる装備とポーズ。フィギュア単体でもさまざまなシチュエーションに使用できそうだ
▲ 開閉可能のエンジンハッチの下にはエンジンや変速機が収まる。小さいながらに見どころの多いキットだ

■懐かしのケッテンクラート再び
 今ではすっかり有名になった小さな軍用車両、Sd.Kfz.2 クライネス・ケッテンクラフトラート。通称ケッテンクラート。
 ベテランモデラーにとってタミヤのケッテンクラートのキットは懐かしい思い出がたくさんあるのではないでしょうか? エンジンがダイキャスト製だったのが印象深いです(近年に再販されたキットのエンジンはプラスチックに置き換わっています)。足周りは一体化が進められていて組み立てやすく、付属フィギュアは体格に変化がつけられ、アクセサリーのオマケも楽しい良いキットでした。
 そんなケッテンクラートが現代的にアップデートされた姿でリニューアルされます。旧キットでは省略されていたディテールも作りやすさはそのままに、より精密に再現されました。ドイツ軍らしい凝った複合転輪は見えない部分で一体化されていて組み立てやすい。ここはユーザーライクなタミヤらしい所です。

■キットについて
 注目の履帯は直線部分が一体化された組み立て式。接地パッドは別部品で履帯のピッチに合わせたランナー配置となっており、大半のパッドはランナーに付いたまま接着可能な設計になっているところは楽しいポイント。起動輪や転輪のシャフトのある側壁は別パーツとなっていますから、組み上げてから塗装することも容易な仕様です。ここはいろいろと検討しましたが、転輪の周囲のゴム縁の塗り分けはパーツ状態の時に施したほうが塗りやすいようです。
 エンジン&変速機もユニットごと、塗装して組み上げてから組み込むことが可能な設計になっているところも好感が持てます。
 エンジンカバーのグリルメッシュはエッチングパーツとなっており、カバーの曲面に合わせて曲げるための治具パーツも用意されています。このエッチングパーツの接着は少し神経を使う所です。接着剤がはみ出ないように、かつメッシュの目を潰さないで確実に固定する必要がありますので、エポキシ系接着剤の使用を推奨します。硬化前ならはみ出した接着剤を拭き取ることも可能ですし。
 先にリリースされている1/48スケールでケッテンクラートはインファントリーカートやゴリアテ&キャリア付きですから、1/35スケールでも同様の内容のバリエーション化も期待したいです。
 さて小さな車両ゆえに一両だけでは物足りないと思って二両作り、エンジントラブルに困惑する二体のフィギュアは同じタミヤの「フンメル」付属フィギュアから改造して作りました。

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット
ドイツ Sd.Kfz.2 ケッテンクラート 中期型使用

「エンジントラブル」

ディオラマ製作・文/山田卓司

ドイツ Sd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型
●発売元/タミヤ●2530円、5月29日予定●1/35、約13.9cm●プラキット

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山田卓司

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