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RUSSIAN MEDIUM TANK T-34-85

2021.05.07

ソビエト中戦車 T-34-85【タミヤ 1/48】 月刊ホビージャパン2021年6月号(4月24日発売)

1/48MMシリーズ待望のキット化!
T-34-85をキットレビュー!!

 シリーズNo.100も目前に迫り、内容の充実が著しいタミヤの1/48ミリタリーミニチュアシリーズに、大戦後期の情景に欠かせない車両のひとつ、T-34-85が加わった。「T-34/76」の発売が2005年ということを考えると、キット化を長年待ち望んでいたモデラーも多かったのではないだろうか。今回はそんなT-34-85を山田卓司がキットレビュー。本文中にて製作手順も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

▲全長は約16.9cmという手ごろなサイズを活かして、破壊されたドイツ市街をイメージしたベースを製作。ケースをそのままディオラマ化している
▲さらにこだわって製作したい方には、現在発売中の「T-34-85戦車写真集」(3300円、小社刊)が年式ごとの違いやディテール写真も豊富でおすすめ!
▲小さいながらも繊細なディテールを確認できる車体後部。部分的に分割された履帯は重厚感を演出しつつ、パーツ数を抑えた構成なのもうれしい
▲鋳造ならではの梨地状の表面も再現された砲塔。合わせ目処理で消えたディテールは、タミヤパテを爪楊枝で擦り付けることで復活させている
▲単色で塗装されることの多いT-34-85には、色味の面でも車外装備品が良いアクセントになる

■キットについて
 砲塔、車体ともに各面で分割された箱組みですが、適切なガイドと精度の高い成型によりストレスなく組み立てることができます。すべて流し込み系接着剤を使って組む人が多いと思われますが、通常の接着剤(タミヤなら白いキャップの物)を少し付けて組み、パーツ間の隙間や垂直、平行を確認してから仕上げに流し込み系を流して接着すると失敗が少なくて安心、確実です。
 砲塔後面がパーツ分割されていますが、実物にも鋳造の分割ラインが残る物があるので合わせ目消しにあまり神経質になる必要はないと思います。合わせ目を消す場合は、表面をナイフの刃を立てて削ってならしてから、チューブから出したタミヤパテを爪楊枝の先に付け、擦り付けてキットパーツの鋳造肌と馴染ませます。

■足周りの製作手順
 履帯は分割されたパーツを組む仕様となっています。戦車キットは履帯、転輪など足周りの塗装仕上げは段取りをよく考えるべきだと思います。本体の塗装色、転輪周囲のゴムの縁、履帯の錆びや磨耗して鉄の地色の露出している表現、加えて時間経過による土汚れの変化など、表現すべき事柄が多く、すべて接着してしまうと塗りにくい場所も出てきます。
 転輪と履帯を接着してしまい塗装仕上げするロコ組みと言われる方法と、履帯を起動輪の所だけ接着しないでC型に組み、転輪とは別に塗装仕上げするC型組みの方法があります。
 今回は手間はかかりますが塗装のしやすさを重視して、後者の方法を使っています。
転輪を仮にセットしてから履帯を組み立て、接着。
履帯をいったん外して塗装。その後金属面が磨耗した表現、汚し塗装も施す。
転輪を外して車体とともに車体色で塗装。
転輪のゴム縁を塗装。
車体下部、転輪それぞれに土汚れ塗装。
車体下部に転輪を接着。
履帯を接着。
車体上下を接着。
あらかじめ塗装しておいた車体ディテールパーツを接着。
という手順です。
 側面に付く車載工具や予備履帯などは取り外した状態で作るのも一興ですが、すべて搭載するとシンプルな車体に対して良いアクセントになって、充実したディテールとなります。ひとつずつ丁寧に塗って取り付けましょう。

■ベースについて
 ベースは用意したケースの高さが足りなかったのでシンプルな物としました。タミヤのイベント限定品のレンガ模様のシートを塗装して石畳とし、奥に瓦礫を蒔いてドイツ国内の市街地のムードにしました。

タミヤ 1/48スケール プラスチックキット

ソビエト中戦車 T-34-85

製作・文/山田卓司

ソビエト中戦車 T-34-85
●発売元/タミヤ●2090円、発売中●1/48、約16.9cm●プラキット

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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