タミヤ ウォーバードコレクションに仲間入りしたF-35C型をキットレビュー! デカールのシルバリング対策は必見!
2025.11.17タミヤ ウォーバードコレクションに、ついにF-35C型が登場!
昨年1/48スケールで大きな話題となったタミヤのF-35Cが、ついに1/72ウォーバードコレクションに仲間入り。A/B型との違いの再現はもちろん、組み立てやすさ、塗装のしやすさなどにも万全の配慮がなされている。タミヤのF-35シリーズの掉尾を飾る本キットは、同社の歴史の集大成となる究極のプラモデルだ!
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■キットについて
タミヤ 1/72 F-35Cは、パーツ数を抑えて作りやすさを優先した設計で、同社1/48 F-35Cのようなウェポンベイ内部の再現こそないものの、選択式ながら主翼の折り畳み再現やガンポッドなど、艦載機型の「ツボ」をしっかりと押さえています。
■組み立てについて
組み立ては組立説明書どおりに進めていけばとくに問題はなく、まさにプラモデルのお手本のような内容です。巷では「タミヤ製品は部品精度が高いため塗装の厚みによって合わせがきつくなる」といった話がありますが、このキットは部品同士のクリアランスが適度で、そういった杞憂はまったくありませんでした。ただひとつ注意すべき点は、胴体上下部品の分割線が、機首側面やエアインテーク側面に張り出したエッジの稜線にあるところです。ここを接着やヤスりがけの作業の際に削りすぎて、シャープな形状を鈍らせないようにすることです。
■塗装について
機体の基本塗装は指定のタミヤカラーLP-84カモフラージュグレイとLP-85ミディアムエアーグレイを使用しましたが、いずれもツヤ消し塗料のためデカールを貼った際に起きるシルバリングが懸念されます。対策としてデカールを貼る部分にのみグロスクリアーを吹きつけて下地をグロスにしておく方法が一般的ですが、作者は以前からこのクリアー塗装がデカール貼付部以外にもかかってしまうことが気になっていたので、作例では次の方法を試してみました。
まず基本塗装が終わったのちに、デカールを貼る部分にターナー色彩U-35グロスバーニッシュを面相筆でさっと塗ります。乾燥後にデカールを貼り、丸一日ほど乾かしたらキッチンマジックリンを含ませた綿棒でデカール周囲の余分なグロスバーニッシュを拭き取ります。この拭き取りによってグロスバーニッシュの層はデカールの下にしか存在しなくなります。こうすることで、デカールの密着は良好でシルバリングは発生しませんでした。
デカールは機体表面のRAMコーティングやアレスティングフックのストライプなどが含まれています。このスケールではかなり小さなデカールもありますので紛失に注意しましょう。主脚柱やミサイルにぐるりと巻き付けて貼るものは、タミヤ マークフィット(スーパーハード)などの、やや強めのデカール軟化剤を使用することをお勧めします。
実機のキャノピーはステルス機特有のコーティングが施された、じつに悩ましい色合いで天候や角度によって金色や緑色などさまざまな色に見えます。作例はガイアカラー047クリアーパープルに046クリアーブラウンを少々混ぜた色を内側からエアブラシで塗布しました。
仕上げにGSIクレオス水性ホビーカラーH110半光沢クリアーを全体に吹き付けます。しっかり乾燥させたあと、ヌーベルカレーパステル#143セピア色を#600耐水ペーパーの上で粉末にしたものを石鹸水で溶き、平筆で機体表面に薄くウォッシングします。乾いたら水で湿らせた綿棒や筆で余分なパステルを拭い取りますが、部分的に残して濃淡のアクセントをつけます。
ウェザリングは胴体後部の左垂直尾翼根元にあるAPUと呼ばれる始動装置にスス状の汚れがみられるので、黒の油絵具を使ってそれらしく表現しました。
タミヤ 1/72 スケール プラスチックキット
F-35C ライトニングII
製作・文/熊谷丈洋
ロッキードマーチンF-35C ライトニングII
●発売元/タミヤ●4400円、発売中●1/72、約21.8cm●プラキット
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