HOME記事特撮【ガメラ生誕60周年記念】 『ガメラ対ギャオス』対決シーンを大迫力のディオラマ化!! バンダイ「ムービーモンスターシリーズ」をディテールアップ&エフェクト追加で臨場感あふれる戦闘シーンに!【昭和ガメラ】

【ガメラ生誕60周年記念】 『ガメラ対ギャオス』対決シーンを大迫力のディオラマ化!! バンダイ「ムービーモンスターシリーズ」をディテールアップ&エフェクト追加で臨場感あふれる戦闘シーンに!【昭和ガメラ】

2025.11.22

ガメラ生誕60周年プロジェクト/双子山の決戦【バンダイ】●山田卓司 月刊ホビージャパン2025年12月号(10月24日発売)

山田卓司製作「双子山の決戦」
ガメラ生誕60周年ロゴ

ガメラ生誕60周年プロジェクト

 1965年11月27日、怪獣映画『大怪獣ガメラ』が公開されてから2025年で60年。現在「ガメラ生誕60周年プロジェクト」と題してさまざまな企画が展開中だ。そこで『ガメラ』シリーズを幾度となく取り上げてきた月刊ホビージャパンもプロジェクトに参戦。今回は情景王・山田卓司によるスペシャルディオラマに加え、コチラの記事では昭和ガメラ3作品の4Kデジタル修復版を監修した樋口真嗣監督、小椋俊一氏の対談企画も敢行。原典となる昭和ガメラシリーズの魅力に改めて迫る!


情景王・山田卓司が『大怪獣空中決戦 ガメラ対ギャオス』をディオラマ化!

 昭和ガメラシリーズ第3弾、1967年公開作品『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の2大怪獣対決シーンを、情景王・山田卓司がバンダイ ムービーモンスターシリーズのガメラ、ギャオスを使用してディオラマ化。ガメラは『対ギャオス』版に形状修正。ギャオスも翼の厚み調整や口内のディテールアップなど、細部にわたり手を加え、超音波光線と火炎放射エフェクトを追加し、臨場感あふれる戦闘シーンに見立てている。

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967)

 高速道路開通に端を発した、道路工事事業者と地元住民の軋轢のなか、双子山から肉食巨大怪獣ギャオスが出現。超音波メスであらゆるものを切り裂き、次々と人々を襲っていく。麓に暮らす少年英一はギャオスに襲われ、間一髪のところで突如現れたガメラに救われる。ギャオス撃退の航空作戦が展開されるが、超音波光線と飛行能力の前にあえなく撃沈。最後の手段として、ガメラとの交流を経験した英一少年の発案のもと、日光に弱いギャオスを深夜におびき寄せ、ガメラと対決させる作戦を実行する。

山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス背面側
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス正面側
▲双子山近郊でのガメラとギャオスの最終決戦をディオラマ化。ギャオスを飛ばし高低差を付け、火炎放射と超音波光線のエフェクトを追加することで、臨場感あふれる戦闘シーンとして完成させている。ディオラマサイズは横40cm×縦25cm×高さ34cmほど。作品は「昭和ガメラ映画祭」(於/角川シネマ有楽町)にて展示予定
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス背面アップ
山田卓司製作「双子山の決戦」ガメラ左側アップ
山田卓司製作「双子山の決戦」ガメラアップ
山田卓司製作「双子山の決戦」ガメラ背中

▲ガメラは1965年版からの相違部分を改造し1967年版にモデルチェンジ。眼を大きく作り直し、腕のヒダをエポパテで追加した

山田卓司製作「双子山の決戦」ガメラ顔アップ
山田卓司製作「双子山の決戦」ガメラ顔製作途中

▲顔は眼をいったんくりぬいて大きく開口。プラ棒の削り出しで大きく作り直した目を埋め込んでいる。口内はエポパテでベースと舌を作り直し、牙もプラ棒を削り出したものを埋め込んでいる

▲手や足の爪も切り飛ばし、プラ棒を削り込んだものに置き換えた
山田卓司製作「双子山の決戦」火炎放射エフェクト
▲火炎放射エフェクトは、透明プラ棒に透明エポキシ樹脂を染み込ませた脱脂綿をまとわり付かせて造形。硬化後にクリアーオレンジや蛍光オレンジで発光表現を施している
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオスアップ
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス背中
▲ギャオスは翼の下端の厚みも気になったので、パーツを削いで改めて貼り合わせて薄く修正。各パーツの継ぎ目もエポパテや瞬間接着剤で埋めている
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス右側顔
山田卓司製作「双子山の決戦」ギャオス左側顔

▲頭部はガメラと同様に口内をエポパテで作り直し、牙もプラ棒を削り出したものに置き換えている。超音波光線エフェクトは、0.3mm厚のプラ板を2枚貼り合わせて0.6mm厚にしてから切り出して口に固定している

山田卓司製作「双子山の決戦」製作途中二体
▲製作途中の2体。改造ポイントがよく分かる。アイボリー部分がエポパテ。爪や牙をプラ棒の削り出しに置き換えているのが確認できる。口内とガメラの眼は塗装してから最後に接着している

 今回はバンダイ ムービーモンスターシリーズの「ガメラ(1965)」と「ギャオス(1967)」を使って、昭和時代の怪獣映画の名作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』を再現してみました。ゴジラをはじめとする東宝特撮やテレビ番組の『ウルトラマン』『マグマ大使』などにより、世の子供たちは怪獣ブーム。そんななかで他にはない生々しさがある大映特撮は魅力的で、新作が公開されるたびに観に行ったものです。シリーズ3作目となる『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』は人間側のドラマと怪獣の戦いがバランスよく盛り込まれた傑作として思い出深い一本です。
 バンダイのムービーモンスターシリーズはコストパフォーマンスに優れたソフビ製フィギュア。ただ、牙や爪は安全性やソフビの成型上の都合によりスケールモデル的に見てシャープさに欠けていると感じましたので、プラ棒の削り出しに変更しました。ガメラはシリーズ第1作『大怪獣ガメラ』をモチーフにしているので、『対ギャオス』版に改造。眼を少し大きいサイズにするためプラ棒から削り出したものに変更。腕にエポパテでヒダを付け加えました。指も隙間ごとに切り離し、関節で曲げて表情を付けています。そこまで手を加えたらギャオスの翼の下端の厚みも気になってしまい、パーツを削いで、改めて貼り合わせて薄く改造。各パーツの継ぎ目もエポパテや瞬間接着剤で埋めました。
 ベースは山の麓をイメージしながらスタイロフォームからの削り出しに、タミヤテクスチャーペイントを塗布して外形を仕上げたあと、KATOの「ジオラマ材料ラージプランツ」を使って植栽しました。
 ガメラはベース裏側からビス止め。ギャオスは4mm径アルミ線を差し込んで支え棒として飛んでいる状態としました。
 ガメラ対ギャオスならば両者の必殺武器、特にギャオスの超音波光線はエフェクトとしてぜひとも入れたい。ガメラの腕が切られて緑色の血が吹き出すところは子供心にドキドキしたものです。0.3mm厚「Mr.工作板(旧グンゼ産業※絶版)」の黄色を2枚貼り合わせて0.6mm厚にしてから超音波光線を切り出します。ギャオスの口内に接着してからガメラとの当たりを取り、ガメラの腕に切り込みを入れます。透明プラ板や透明プラ棒で血飛沫を造形してから切り口に接着。クリアーグリーンで塗装してガメラの血飛沫を表現しました。ガメラの火炎放射は透明プラ棒に透明エポキシ樹脂を染み込ませた脱脂綿をまとわり付かせて造形。硬化後にクリアーオレンジや蛍光オレンジで塗装して表現しました。

バンダイ ノンスケール ソフトビニールフィギュア“ムービーモンスターシリーズ”ガメラ(1965)、ギャオス(1967)使用

双子山の決戦

ディオラマ製作・文/山田卓司

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