グリューツェラボ「カルノタウルス」をアクリルガッシュの塗り重ねでおおいに楽しんで仕上げる!
2025.10.17アクリルガッシュの塗り重ねで、
白亜紀後期の肉食恐竜を仕上げる
リアル系から斬新なデザインや多彩なキャラクターなど、幅広い立体造形に挑戦する新鋭メーカー、グリューツィラボ。このたび、塗装済み完成品に続き、ソフビキットとして白亜紀後期の恐竜「カルノタウルス」が発売された。原型は気鋭の人気怪獣造形作家、ねんど星人氏。科学考証とオリジナル解釈を融合させた魅力あふれる造形を全高約36.5cm、全長約44.5cmでキット化している。製作は我らが情景王・山田卓司。ソフビキットの塗装法を交え、大型ソフビキットをおおいに楽しんでいる。
新鋭メーカー・グリューツィラボ。すでにソフビ製塗装済み完成品として販売されていますが、新たにソフトビニール製キット「カルノタウルス」が登場。パーツ数は少なく、簡単に組み立てられる他、興味深いところは内側に重しのための充填加工がされている点。大きなサイズのソフビの場合、特に課題となる経年や気温による“変形”を防ぐため、左脚部と左足、さらにそれを支える土台部分に、熱に強い高純度のセメントを充填しており、長期間に及ぶ形状保持が保証されています。これは安心。原型は造形作家・ねんど星人氏。「カルノタウルス」とは“肉食の雄牛”の意味で、白亜紀後期の約7200万年前から6900万年前の間、南米に生息した獣脚類の恐竜なのですが、こちらの製品では躍動感やポージングの良さに加えてウロコの彫刻が楽しくて、ここだけをずっと見ていても飽きません。恐竜を再現したフィギュアからさらに一歩進んで、オリジナルアレンジが利いた独自の造形作品としてとても魅力的です。
造形的には何の破綻も不具合もありませんので、ここはそのままとし塗装を楽しむことにします。ソフビ専用塗料「Vカラー」を下地に使いますが、念のため、先に万能プライマー「ミッチャクロン」をスプレー塗装。そのうえで、Vカラー つや消しホワイトを光の当たる部分を意識して、上方からスプレー塗装します。その後はアクリルガッシュを調合してブラウン~オレンジ~クリームのグラデーションを付けながら、ウロコ間にウォッシングで影色を流したり、体色のクリームを塗装していきました。場所によってはアクリルガッシュの塗面を台所用洗剤で拭き取ってベースカラーを露出させたりしながら、ここは納得いくまで何回も行きつ戻りつ何度も繰り返し、塗装を重ねていきます。爪や背中の突起、頭の角はブラウン~ブラックとして塗装を重ねました。
歯はVカラーのホワイトを重ね塗り。眼はホワイトを下地にブラウン系でグラデーションを付けました。
地面は先に枯木と地表を塗り分けておいてから、完成品の製品では難しいであろう草地を設けました。ここはディオラマ用の芝生シート、100円ショップで販売されている同種のシートをちぎって貼り付けていきます。さらに背の高い雑草としてディオラマ用に販売されている毛皮を切って草色に塗装、付け加えました。最後に苔の表現としてグリーンのパウダーを接着して変化を付けました。

グリューツィラボ ノンスケール ソフトビニールキット
カルノタウルス
製作・文/山田卓司
カルノタウルス ロート、カルノタウルス シュヴァルツ
●発売元/グリューツィラボ●各26400円、発売中●約36.5cm(台座含む)ソフビキット●原型/ねんど星人
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