海兵隊の野外での模擬訓練風景を想像する

『OBSOLETE』EP8「AREA51」では海兵隊用エグゾの試作機「ガビアル」を使った模擬訓練シーンが描かれていた。今回も月刊ホビージャパン5月号で紹介したものに続き、Blu-rayコレクターズエディション［初回限定生産］特典のキットを使い、この訓練シーンをイメージしたディオラマを製作。劇中では屋内での訓練だったが、ディオラマの見映えを考え屋外に場所を移しての完成となった。

▲ガビアルはプラストラクトの六角プラ棒でリベットを再現。機体各所のフックは0.3mmのピアノ線、0.5mmの真鍮線に、ボイジャーの現用アメリカ軍用エッチングパーツを組み合わせて使用。アンテナも真鍮線で再現。靴のワイヤーカッターは設定にはないのでカットしている

▲地面はスタイロフォームをハンディニクロムカッターや細刃のカッターナイフで削り出して表現。トラスの柱はKATOのNゲージ用単線トラス橋を2本組み合わせて製作、壁面のトタン板は100円ショップのダンボールペーパーでそれらしく表現している

　空軍のあんちゃん、アンタすげぇな！　遠隔でエグゾの模擬戦やるなんて並みじゃないな！　あぁ、ここで3年ほど海兵隊のヒヨッコ相手にしてるからな…、しかしあの3番機の若いの、奴はなかなか見所がある、オレの機体から腕をもぎ取ったのはヤツが初めてだ…。エリア51でのA-10からの機銃掃射シーンの寸前に、訓練用の施設がチラッと映るのはご存知ですか？　今回訓練用エグゾフレーム「ガビアル」での模擬戦闘訓練の情景は劇中のような体育館だと景色が単調になってしまうため、屋外の演習場として製作しました。
　ガビアルは省略されているディテールもあるため、エッチング製のフックと真鍮線で丁寧に再現し、さらに精密な仕上がりを目指し丹念に作業していきます。実戦用と異なるキューポラ周りには手摺り用のダボ穴が残っているので、市販パーツの六角ボルトで塞いでいます。
　フィギュアはモンモデルのIDF戦車兵のセット。頭部だけより表情が精細なミニアートのものに交換しています。設定とは異なりますが、海兵隊のマーパット迷彩パターンで塗装。アグレッサーのパイロットはミニアートの米軍戦車兵休息セットからツナギ姿のフィギュアを選びました。顔はサンドイエローにクリアーオレンジを混ぜたものをエアブラシで吹いてから、油彩のバーントシェンナを全体に塗り、乾いた筆で拭き取るとシャドウ部分にだけ影の色が残ります。これを基本として目や眉毛を細筆で書き込みをします。さらにモンモデルのものにペットボトルが付属していたので、エリア51名物の青いドリンク(笑)も追加して、演習の疲れを癒すアイテムとして風景に華を添えてみました。
　地面はスタイロフォームをプロクソンのハンディニクロムカッターや細刃のカッターナイフでなだらかな起伏を削り出し、手前の一部は荒いペーパーで表面を荒らしたプラ板を差し込んで地面に変化をつけてみました。
　ドラマ『ウォーキング・デッド』の街を取り囲む防御壁のように簡易的な目隠しを急造し、ザンクトガレン協定対策を意識しながらも、実践的な訓練施設を短期間で構築したムードが出せればと考えました。表面にはシーナリープラスターを塗布し硬化後にモーリンのクラフトサンドを始め、数種類のパウダーをブレンドした砂を巻いてスーパーフィックスで固着させています。

グッドスマイルカンパニー 1/35スケール プラスチックキット
“MODEROID”
アメリカ海兵隊試作エグゾフレーム「ガビアル」使用

EP8 エリア51

ディオラマ製作・文／コジマ大隊長

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ⒸPROJECT OBSOLETE