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ステッドラーはペンだけじゃない!? すごい粘土でディオラマベースも作ってみよう!
こちらも同じくステッドラーから発売のマテリアルである「FIMO(フィモ)」を使ってみましょう。通常のラインナップはカラフルでベタつかず、仕上がりもサラッとした表面になるキレイ系の粘土ですが、今回使用するのはフィモエアーのグラナイト。こちらは乾燥させると、まるで本物の石になったのではないかと勘違いしてしまうほど、“本物らしい”仕上がりになる特殊なアイテムです。
石ということであれば、地面に使ったらより凄さが増すのでは…? というところから、30MF用のディオラマベースを作ってみることにしました。
フィモエアー グラナイト
●発売元/ステッドラー●935円、発売中
▲ 市販のパネル用素材をベースの基礎として使用します。今回はちょっとした神殿の入口みたいなステージを考え、石の階段を作っていきます
▲ 段差をつけるポイントにペンで目印をつけつつカット。立体のベースを作っていきます
▲フィモエアーグラナイトは、パッケージを開けたときからしっかり石のように見えます。表面は少しだけしっとりとしています
▲ ぐいっと力を込めると、板状の粘土を崩すことができます。使用する分を取ったら、残りは乾燥しないように密封できるチャック付き袋などに保管しておきましょう
▲ パネルを粘土で覆っていきます。粘土を平たく延ばし、パネルに押し付けていきましょう。思っていたよりも薄く延ばすことが出来ます
▲ 滑らかに延ばしたり粘土同士をつなぐときには、水を少し足して均していきましょう。指先につけるぐらいの量で粘土は緩くなります
▲ パネルで作った階段全体を粘土で覆いました。ちぎっては平たく覆い、それをつなげるというのを繰り返し、想定よりも早く作業が完了しました
▲ 柱全体もフィモエアーグラナイトで覆い、階段のベースができました
▲ 乾燥をさせる前に、ちょっとだけディテールを入れます。石を組み合わせたようなイメージにして、スパチュラで溝を作っていきます
▲ 縦列にも刻んでいきます。単にスジをつけるだけでなく、ちょっとスジを開いてランダム感をつけ、より石の組み合わせっぽくなるように意識しました
▲ 地面も石の板のようなカタチにして、ディテールもつけ終わりました。粘土が乾燥するとカチカチになるので、水分が飛ぶのを待ちましょう
▲ ベースの裏側はマスキングテープを貼って、水性塗料をつめたウォーターブラシで塗ります。見えない面は無理に覆わず、これで良いんです……!
▲ ベースの形状はこれで完成。パネルとタミヤクラフトボンドで大まかな形状を作ってしまえば、その後は粘土でお手軽に石系の加工を行うことが出来ました!
ブレンディングリキッドは水性塗料も落とせる!?
ウォーターブラシに水性塗料を詰めて塗るのも良いですが、その結果ウォーターブラシの筆先までのルートが水性塗料まみれに…。これを水で洗浄しても良いのですが、キレイにするには洗う手間が少しかかります。
そこでブレンディングリキッドを入れてみて何度か筆の先端から出したところ、水で洗うよりも早く先端をキレイにすることができました。塗料を溶かしてグラデーションにさせるリキッドの力は流石ですね! このままブレンディングリキッドの筆にしても良さそうです。
▲ 粘土が乾燥すると、グレーの色が明るくなり表面もカチカチになります。この状態であればペン塗装が行えるので、まずはスミ入れをしました
▲ 石の端などに風合いを出すために、バーントシエナで汚れを描いていきます
▲ アンバーを重ねて、2色が混ざりあった状態を作っていきます。フィモエアーはピグメントブラッシュペンならどんどん色を乗せられます
▲ 雨や土などの汚れが堆積したような表現ができます。ただ周辺よりちょっと差がありすぎるので、もうひと工夫しましょう
▲ ウォームグレイ系の色を使って、端をぼかすように塗り拡げます。2色ほどグレーを使ってさらに汚れを広げていきました
▲ ここでブレンディングリキッドの出番です。今までの色を混ぜたり、端をぼかすように塗り拡げるだけで、いい感じに石の端の汚れを表現することができました
▲ 柱は雨だれのように、まずアンバーを縦にランダムに叩いていきます。ぼかすのを前提にしているので、ある程度ぼける範囲を想定しつつ、色を置いていきます
▲ ブレンディングリキッドを入れたウォーターブラシで、先程のアンバーを同じように縦に叩いて色をぼかしていきましょう
▲ 上はブラウン、下はグレー、中心はアンバーで、柱のランダムな汚れをつけていきました。石の粘土単体でも柱感はありますが、ピグメントブラッシュペンで汚し、ブレンディングリキッドでぼかすことでさらに雰囲気を出すことができます
完成
ピグメントブラッシュペンやメタリックマーカーペン、そしてフィモエアーなど、ステッドラー製品を欲張りに使って、ダークな雰囲気の30MFとディスプレイベースができました!
▲ 石段に佇むローザンビショップ。荒れ果てた神殿の入口で遭遇し、果たして敵か味方なのか……!? そんなイメージでまとめました
▲ ローザンビショップはスミ入れ後にプレミアムトップコートの半光沢を吹いて、ペンの塗料の安定を図っています
▲ ビショップ自体の色合いが濃いので、アーマーの汚しはメタリックがちょうど良かったですね
▲ 汚しが多いと、怪しさが増します。杖はメタリックの銀とピグメントブラッシュペンの重ね塗りで鈍い光になっているので、どことなく目を引く要素になっていますね
▲ ディオラマには何か背が高いものを配置するといい、という先人の教えで、ビショップよりも少し高い柱を建てました。後ろ姿もサマになりますね!
▲ 石段の高さは、実はローザンビショップのポーズから逆算して、足の上げ方がかっこいいサイズに調整しています
▲ 地面は端を汚しつつ、中央の素材はそのまま。裏側はざっくりマスキングテープに塗料を塗って短時間でベースを作ることが出来てしまいました
まとめ
ペンツールはキャップを閉じれば終わりなので、メンテナンスも後片付けもいらないのが魅力です。今回も30MFの組み立てやフィモエアーの乾燥時間を入れて、2日で完成させることができました。つまり、粘土の乾燥を就寝やおでかけ時間にあてることで、土日の休暇中に完成させることができてしまいます。
模型製作と楽しみつつ、乾燥時間には気分転換でおでかけをすることで充実した時間を過ごすことができるでしょう。
ペンツールやフィモエアーでじっくりとプラモデル&ディオラマベースづくりを行うのは楽しいのでぜひお試しあれ!
ガールズプラモ、スケールモデルの塗装も振り返ろう!
12月22日(月)発売予定の「ガールズプラモスタイル #09」でもピグメントブラッシュペンをピックアップ!
本連載を担当したけんたろうをアドバイザーに迎え、ホビージャパンスタッフのぴよ乃がピグメントブラッシュペンを使用した、ガールズプラモのメイク塗装を実践。果たしてその結果は…?!
実践記事は12月22日(月)発売予定の「ガールズプラモスタイル #09」に掲載いたしますので、そちらもぜひお楽しみに!
ガールズプラモスタイル #09
●2460円、12月22日(月)発売予定
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