ファインモールド「アメリカ空軍 F-4C 戦闘機」別売りのディテールアップパーツを組み合わせてポテンシャルを最大限に引き出す!
2025.08.24セルフリッジANG基地 1984年「ウイリアム・テル’84」
1960年代にアメリカ海軍が導入した艦上戦闘機F-4BファントムIIの戦術戦闘機の能力に着目したアメリカ空軍は、各部を空軍仕様に変更したF-4Cを採用、ベトナム戦争では主力戦闘機として活躍し、国内の州空軍でも多数を運用した。ファインモールドの傑作1/72F-4ファントムシリーズより、限定発売されたミシガン州空軍のF-4Cを迫力のスタイルで製作!


▲履帯ユニットは裏側をプラ材と市販パーツでそれらしくディテールアップ。前側のクローラーアームと本体に隙間ができるので、ジャンクパーツを加工したものを差し込んでデコレイトした
今回は、ファインモールドの「アメリカ空軍 F-4C戦闘機“エア・ナショナル・ガード(州空軍) ”【初回特装版】」を、付属のパイロットフィギュアを使用し、箱絵のようなキャノピーを開けてパイロットが見えるタキシング状態で製作しました。さらに、別売りのウェポンセットを使用して対空ミサイルを満載し、その威圧感を強調しました。
■タキシング状態と武装の迫力
キットに付属するパイロットフィギュアを搭乗させることで、駐機状態とは異なる、いまにも滑走路を駆け出しそうな躍動感を演出しました。開かれたキャノピーから覗くパイロットの姿が、臨場感を高めます。そして、同じくファインモールドから発売されている「アメリカ軍 航空機用ミサイルセット2」からAIM-9 サイドワインダーとAIM-7 スパローを選択し、機体下面にフル装備。迎撃戦闘機としてのF-4Cの力強いシルエットを際立たせました。
■コクピットとインテークの製作
まずはコクピットの製作です。近年のファインモールドのキットではお馴染みですが、計器盤やコンソールパネルがモールドされたパーツに対してデカールを密着させ、より精密感のある仕上がりを狙う方法をとりました。
インテーク内部の白い塗装は先に塗装を済ませ、マスキングテープでマスキングしておいてからパーツを内部に組み込んで接着します。塗装後にピンセットで慎重にマスキングテープを引き抜くだけで簡単に塗り分けができるのでおすすめの技法です。
■精密な排気ノズルと退色表現
排気ノズルには、HMA製の3Dプリントパーツを使用しました。3Dプリントならではの繊細なディテールが、キットのリアリティを一段と引き上げ、見どころのひとつになります。
塗装は、GSIクレオスMr.カラーGX GX2ウイノーブラックを下地色とし、各部のエッジに下地色が残るように機体色を吹いていきました。
機体の塗装にはステンシルを利用してエアブラシによる退色表現を施しました。これにより、長年運用された機体の雰囲気を演出します。機体全体はエアクラフトグレーで塗装し、パネルラインを強調するためにWC01マルチブラックでウォッシングを行いました。
■デカールとウェザリング
機体全体に一度グロスクリアーを吹き、デカールがシルバリングしないようにします。このキットのデカールで再現される機体上部のウォークウェイ部分には、実機の使用感を出すためにウェザリングを加えました。これにより、単調になりがちなデカール部分に深みが加わります。デカールが乾燥したら、余計な糊を除去したのち、半ツヤ消しクリアーで全体をコートして落ち着いた質感に仕上げました。
■最終組み立て
付属のパイロットフィギュアを乗せ、キャノピーは開けた状態で機体に取り付けて完成です。タキシング中の躍動感と、フル武装による威圧感が同居する、魅力的な作例になったと思います。ファインモールドの精密なキットと、別売りのディテールアップパーツを組み合わせることで、このキットの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができたのではないでしょうか?
ファインモールド 1/72 スケール プラスチックキット
アメリカ空軍 F-4C 戦闘機
製作・文/ハルサー
アメリカ空軍 F-4C 戦闘機“エア・ナショナル・ガード(州空軍)”(初回限定特装版)
●発売元/ファインモールド●4510円、発売中●1/72、約21.4cm●プラキット
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ハルサー
1984年生 最近noteを始めました。毎日プラモに関する記事を投稿中です。https://note.com/harusaa_koubou