【宇宙戦艦ヤマト メカニクス】第10回は地球連邦航宙艦隊の中核を成す「アンドロメダ級宇宙戦艦」! バリエーション艦も含めたアンドロメダ級を俯瞰『ヤマトよ永遠に REBEL3199』
2025.08.23宇宙戦艦ヤマト メカニクス
『宇宙戦艦ヤマト2199』から『ヤマトよ永遠に REBEL3199』までのリメイク版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する戦艦などのメカニックを解説する連載。第10回は地球連邦航宙艦隊の中核を成すアンドロメダ級宇宙戦艦。バリエーション艦も含めアンドロメダ級を俯瞰する。
解説/皆川ゆか
第10回:アンドロメダ級宇宙戦艦
AAA-1 アンドロメダ
有人戦艦型として完成した一番艦。宇宙海軍の総旗艦として山南修艦長の指揮で土星沖海戦を戦うが、艦首と機関部に大きな損害を受け、時間断層で改装。〈アンドロメダ改〉として火星絶対防衛線に投入され、ヤマト救出に尽力するなど活躍するも、爆沈。
● 諸元・性能
艦種:宇宙戦艦(旧:前衛武装宇宙艦)
全長:444m
全高:140m
全幅:114m
主機:次元波動エンジン×1
補機:ケルビンインパルスエンジン×4
乗員:約200名
艦載機:1式空間戦闘攻撃機〈コスモタイガーII〉×36機
100式空間偵察機×2機
空間汎用輸送機
SC97〈コスモシーガル〉×2機
内火艇×2隻
※コスモタイガーIIはコスモファルコンに代替可能
1 二連装次元波動爆縮放射機(通称:拡散波動砲)/(艦首)
2 40.6センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×4基
3 重力子スプレッド発射機×4基/(艦首両舷、隠顕式)
4 小型魚雷発射管×8門/(艦首両舷)
5 四連装対艦グレネード投射機×2基(前上部両側)
6 魚雷発射機×4基/(両舷側)[計画時「亜空間魚雷」]
7 ミサイル発射管×10門/(艦底)
8 短魚雷発射管×16門/(両舷側)
9 多連装ミサイル発射機×16基/(両舷側)
10 司令塔防護ショックフィールド砲×3基/(司令塔前部および基部)
11 近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基/(司令塔基部)
12 対空パルスレーザー砲塔×4基/(司令塔および基部)
13 拡散型対空パルスレーザー砲塔×1基/(司令塔基部後方)
A スラスター
B 照準システム
C 多目的投射機
■スラスターノズルおよび排水口
AAA-2 アルデバラン
2202年12月8日に進水した有人戦艦型。谷鋼三艦長の下、土星沖海戦に参加。火星絶対防衛線の攻防で船体側部に被弾。時間断層破棄後、優先的に修理・改修が行われた。現在は第28護衛隊の旗艦として運用され、尾崎徹太郎が艦長を務める。
AAA-3 アポロノーム
2202年12月8日に進水した有人空母型。土星沖海戦で白色彗星の超重力に捉えられた〈アンドロメダ〉救出に尽力するも、損傷が激しく敵ミサイルにより爆沈。安田俊太郎が艦長を務めた。
AAA-4 アキレス
2202年12月8日に進水した有人戦艦型。土星沖海戦参加後、火星絶対防衛線で艦橋に被害、船底部の外宇宙航法装置1基も失っている。仁科鷲雄が艦長を務めた。
AAA-5 アンタレス
2202年12月8日に進水した有人空母型。土星沖海戦では白色彗星に飲み込まれたヤマトを脱出した乗員の収容にあたった。戦役末期には火星絶対防衛線での攻防で船腹を中心に大きなダメージを受け、自力航行が不可能となっている。富山繁が艦長を務めた。
AAA-21 アルフェラッツ
有人型初期アンドロメダ級の21番艦。戦後、大規模な修繕を受け、第十一護衛隊の旗艦として第十一番惑星周辺に大量に残されたガイゼンガン兵器群カラクルム級戦闘艦の監視任務に就いた。グランドリバースとの遭遇で全乗員が大きなダメージを受けた。
ZZZ-0001 アンドロメダ改
本艦を自律無人兵器として運用することの危険性を主張する山南艦隊司令の意見を容れ、自動化は単独運用可能なレベルで止められた。白色彗星内部の帝星ガトランティス直上からの攻撃では山南自身が単独搭乗し、無人のアンドロメダブラックの艦隊(YF-2203)を率いた。このとき、山南は無人型に匹敵する機動性に抗するため、強化宇宙服を着用している。
バーガー戦闘団
ガミラス艦隊の増強のため、時間断層でライセンス生産された。識別番号としてCCCを冠する。空母型の基本構造に変更はないが、航空管制用電子装備や操艦システムがガミラス様式に換装されている。空母打撃群を編制すべく、〈ノイ・バルグレイ〉〈ノイ・ランベア〉〈ノイ・シュデルグ〉〈ノイ・ダロルド〉の4隻が先行して建造された。
アンドロメダ・アドバンスドステージ
時間断層で試験的に建造されたアンドロメダ規格の戦闘艦。有人型として自律無人型の量産前に建造が開始されたが、詳細な情報の不明瞭な艦が多い。砲戦を主体としたAAA-006アマテラス、ガミラスメイドと呼称されるガミラス設計によるAAA-009ランダルミーデ、AAA-010ヴェム・ハイデルン、AAA-011デレス・ガードラなどが戦役末期に投入された。
アンドロメダ級宇宙戦艦は波動砲艦隊構想の中核を成す新造戦艦として計画、建造された。
波動砲艦隊構想は、ガミラス戦争の終結に伴い、戦後復興と星間国家としての第一歩を踏み出した地球連邦が、太陽系を脅かす敵性勢力に備えるべく打ち出した軍備拡大計画である。とくに、イスカンダルからの帰路、ヤマトが遭遇したガトランティスの存在は、ガミラス戦争後の新たな脅威として認識された。地球防衛軍司令部はイスカンダル航海時のヤマトの作戦行動や兵器運用データを精査したうえで、新たな戦略・戦術ドクトリンとして新型波動砲を装備した艦隊の編制を策定、本構想が立案された。
コスモリバースシステムの副次効果として発生した時間断層では通常空間より時間が早く進むことを利用し、アンドロメダ級は本来の工期よりも圧倒的な短期間で完成した。2202年12月2日の八番浮遊大陸奪還作戦に一番艦〈アンドロメダ〉が参加、拡散波動砲によりガトランティス艦隊に大きな損失を与えた。12月8日には姉妹艦4隻の進水式が新都において挙行されている(4隻中2隻は空母型)。
アンドロメダ級はいずれも、艦首に拡散波動砲(二連装次元波動爆縮放射機)を装備する。拡散波動砲は集中射撃と拡散放射の両方が可能で、アンドロメダ級の最大拡散度数は256となっている。
また、拡散波動砲の予備チャージエネルギーを活用した重力子スプレッド発射機を艦首に4基備えた。これは波動砲を「戦略兵器」、重力子スプレッドを「戦術兵器」として運用するためのもので、状況に応じて波動砲の予備チャージエネルギーを戦術ビーム砲に回すことが想定された。さらに両者を複合的に運用することで、マルチ隊形時には前面にフィールドを展開、各艦の波動砲のエネルギー収束(波動レンズ効果)を行ったほか、敵ビームに対して防壁としても機能させた。
就役当時、アンドロメダ級は「前衛武装宇宙艦」の艦種で呼称されたが、土星沖海戦における運用はこの名称に相応しいものであった。
4基搭載された40.6センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔はヤマトの主砲よりも小口径だが、ビームジェネレーターの大型化や砲身途中の陽電子収束器により、破壊力と連射速度が増大。収束器は実弾射撃時にも同様の効果をもたらし、増加薬室として機能することで砲口初速が上がり、射程距離と貫徹力が向上した。
ヤマトが七色星団海戦で経験した瞬間物質移送機による攻撃を教訓とし、アンドロメダ級には近接戦闘への対策が盛り込まれた。艦橋まわりには対艦グレネード投射機、トルネード型側方光線投射砲、拡散型パルスレーザー砲といった兵装を持ち、船体側面や下面にはミサイル発射機が大幅に増設されている。
防御装備としてはヤマト同様、波動防壁を装備するほか、波動防壁を応用したショックフィールド砲で司令塔周囲をエネルギービームや実弾から防護する。
このように攻撃・防御の両面でヤマトを上回る性能を目指したアンドロメダ級だったが、特筆すべきことは操艦や火器管制などの自動化を進め、搭乗員の削減を図ったことにある。初期に完成した艦においても、艦橋要員の数はヤマトの半分以下であり、総乗員数も大幅に減っている。これはガミラス戦争によって人類が総人口の7割を失い、従来のシステムでは大規模な艦隊を運用することが難しいと判断されたことによる。
アンドロメダ級の自動化は戦役の進展に伴い、さらに推し進められた。想定を大幅に上回る敵戦力に対抗できる艦隊を用意することは時間断層の生産力を以てすれば可能ではあった。しかし、艦を運用すべき人材は決定的に不足しており、自動化の先の無人化は必然ともいえる道筋であった。これにより、ガトランティス本隊の太陽系侵攻後、新たに就役するアンドロメダ級は基本的に無人型となった。
これらは自律無人戦闘艦アンドロメダブラック(BBB)と呼ばれ、火星絶対防衛線へ投入されたのを皮切りに、終戦まで継続的に配備された。時間断層のAIと連動した艦橋のAU-13が制御する本艦は、無人化により搭乗員への負荷を考慮する必要がなくなり、船体各所に増設した高機動ノズルによって魚雷艇さながらの激しい挙動が可能であった。しかし、戦闘での損耗率は極めて高く、戦役終結まで残った数は少なかった。
有人艦として就役した一番艦の〈アンドロメダ〉は土星沖海戦で大きな損傷を蒙り、時間断層内で緊急修理と大規模な改装を施された。ガトランティス戦役末期に戦線へ再投入された〈アンドロメダ〉は〈アンドロメダ改〉と呼称され、山南単独突入型ともいわれる(改装に伴い、識別番号はZZZ-0001へ変更)。
〈アンドロメダ改〉は艦首波動砲口内にスプリッター(エネルギー噴流分割整流板)を増設、四連装の拡散波動砲へ強化。アンドロメダブラック同様に高機動ノズルを船体各所に増設し、高機動戦闘を可能とした。
ガトランティス戦役終結後、時間断層が破棄され、「地球の規模に見合った軍備の最適化」を掲げた第四次防衛計画に基づき、宇宙海軍の再編が行われると、軍首脳部は残った有人型アンドロメダ級の修理、改修を優先的に進めた。
これは時間断層の放棄に伴い、行き過ぎたAIによる艦隊運用が見直され、人間が中心となって作戦立案・指揮運用を行い、AIはあくまで補助的な役割に留める方針へと転換したことの顕れであった。しかし、もっとも大きな理由は無人型アンドロメダ級を継続運用することが難しかったためともいわれる。無人型アンドロメダ級は制御を時間断層AIに依存し、有人化するにはメインフレームそのものを変更せざるを得ず、船体の内部構造も、人間による運用を前提としなかったことで、大規模な改装が必要だったのである。
宇宙海軍の再編にともない、アンドロメダ級の艦種は波動砲艦隊構想時代の「前衛武装宇宙艦」から、国連宇宙海軍時代よりある「宇宙戦艦」の呼称へ変更され、マーキングも波動砲艦隊構想時の「フォーマル・ドレスアップ・モード(礼装・儀仗運用)」から「サービス・モード(通常運用)」へと移行している。また、一部が艦隊指揮艦として整備されている。
「HJメカニクス 22 特集:宇宙戦艦ヤマト2199-3199」
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一部スクラッチモデルも加え、作品解説とともに本作の魅力に迫ります。
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