【HJチャンピオンまつり】レジンシェフとうけけ団のガレージキットで『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』の55周年お祝い!【コモリプロジェクト】
2025.08.12 コモリプロジェクトHP
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HJチャンピオンまつり
南海の大怪獣登場
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。毎日、蒸し暑いですね。梅雨前線が消滅して強烈な日差しが差し込んだり、そうかと思えば突然の土砂降りになったり。まったく落ち着きのない梅雨です。くれぐれも熱中症には気をつけましょう。
さて、今回は独断と偏見で周年のお祝いをしたいと思います。時は遡ること55年前の1970年8月1日。東宝から一本の新作映画が封切られました。お馴染みのゴジラシリーズとは一線を画し、他界した円谷英二監督の跡を継いだ有川貞昌氏が特技監督となり、三体もの新怪獣を一気に注ぎ込んだ娯楽大作、それが『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』です。(なんで今さら?)なんてビックリされる方もいらっしゃるでしょう。そもそも(知らないなぁ)と言われる方もいるかもしれない。そりゃ確かにゴジラやラドンやモスラに比べたら――いや、比べるまでもなく知名度は低いですよ。でも、知らないからやらないという判断をK編集長はされません。怪獣愛に満ち満ちた人ですからね、封切に合わせて夏の発売号に載せることを快諾してくださいました。
ここに紹介するガレージキットはすべてレジンシェフとうけけ団のものです。30cmのスタンダードサイズで造形された南海の大怪獣達は、どれも徹底したこだわりとユニークな遊び心に溢れています。
まずは大イカ怪獣ゲゾラ。イカが立って歩くとこうなるのかと納得させられるような、前後左右に大きく足をくねらせた造形になっています。驚くべきはその中身。胴体を被せるとまったく見えなくなるその下には、スーツに入った中島春雄さんが造形されています。
お次は大蟹怪獣ガニメ。ゴツゴツした外見を持つカルイシガニのイメージそのままに造形されています。甲羅のザラザラなんて驚きますよ。やりはしませんでしたが、おそらく大根が摩り下ろせます。付属には植毛用の毛が用意されていたりして、どこまでもこだわりを要求されるキットです(笑)。
最後は大亀怪獣カメーバ。これまた造形が異様にすさまじい。特にカメーバの足やお腹の細かいモールドには圧倒されます。塗料を乗せると、ジュワッという感じで染み込んでいきますからね。
これまでたくさんの怪獣キットを作ってきましたが、こんな体験は初めてでした。カメーバといえば劇中で何度も見せる首の伸縮ですが、当然ながらそれも再現できるようになっています。これら三体を造詣したのは原型師の杉田知宏氏。決してメジャーとはいえない存在にここまでの愛情を注げるのは、揺るぎない怪獣愛を持っているから。そうでなければこんな表現は不可能です。
イカの刺身、カニ雑炊、スッポン鍋を食べる時、ただ美味いだけじゃなく、ゲゾラやガニメ、カメーバのことを思い出してください。そして、こんなだったよなぁとしばし彼等の勇姿に想いを馳せてみてください。その想いが集まれば、またいつの日かスクリーンに姿を現す日が来るかもしれません。
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小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』『ツイン・アース』など著作多数。