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「日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 記念パッケージ」を製作!完成度の高いスナップフィットキットの素材を生かして仕上げる!

2025.07.20

日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時【フジミ模型 1/700】●Takumi明春 月刊ホビージャパン2025年8月号(6月25日発売)

日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時

昭和16年の竣工時を再現した
戦艦大和の姿をスナップフィットキットで!

 色分け成型されたパーツ、スナップフィットの組み立てで、無塗装でも素晴らしい艦船模型を簡単に作り上げることができるフジミ模型の艦NEXTシリーズ。開始から10年を経て、昭和16年竣工時「大和」を新たな気持ちで温故知新モデリング。実艦写真パッケージに展示用背景紙が付属するフルハル/洋上選択式キットを素材を生かして作る!

日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦橋アップ
▲フジミ模型の艦NEXT「大和」は、昭和20年の最終時、昭和19年の捷一号作戦時などが発売中だが、今回の作例は「昭和16年/竣工時 記念パッケージ」を製作
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時
▲昭和16年竣工時のキットは木甲板や艦橋などのパーツを新金型で追加し、副砲塔を両舷側にも搭載、二一号レーダーは未搭載の状態を再現している
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 横1
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 横2
▲キットは赤い成型色の艦底パーツと台座が付属したフルハル仕様。呉海軍工廠色グレーの船体色も生かして、作例はストレート組み+スミ入れで仕上げている
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦尾の飛行機作業甲板
▲艦尾の飛行機作業甲板。零式三座水偵と零観が付属。今回は使用していないが、甲板の歩行帯、軍艦旗、艦載機のマーキングなどは手軽なシールも付属している
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦首
▲艦首。幅が広く滑り止めやチェーンなどがモールドされた艦首甲板、前方に突き出た特徴的な艦底のバルバス・バウなど、ディテールの再現度は非常に高い
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 トップ部
▲艦橋上部の測距儀がすっきりした竣工時の姿をみごとに再現。トップ部のパーツは連合艦隊旗艦を表すホワイトで成型されており、塗り分けは不要となっている
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦橋後部
▲艦橋後部。甲板上の副砲塔、高角砲測距儀や探照灯管制器などの竣工時の状態はもちろんのこと、同型艦「武蔵」との細かな相違点もフォローされている
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 左舷側のシールド付き高角砲群、煙突側面の探照灯、副砲塔
▲左舷側のシールド付き高角砲群、煙突側面の探照灯、副砲塔。両舷の副砲塔が撤去されたのは昭和19年に入ってからで、竣工から約2年間はこの姿だったことになる
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦尾
▲艦尾。フルハルモデルのため、4基のスクリューやプロペラシャフト、舵も再現されている。水線より上の舷窓やステー類などのモールドも実にシャープだ
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 主砲
▲艦首方向の第1、第2主砲塔。砲身は開口済みで、組み立て後も可動する。基部の防水布の部分をホワイトで塗り分けるだけでも非常に実感の高い仕上がりとなる
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 艦橋トップと煙突
▲上方から見た艦橋トップと煙突。キットに付属するボーナスパーツを利用し、防空指揮所には水平双眼望遠鏡、ヤードには探照灯を接着剤で取り付けている
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 煙突周辺と後部マスト
▲煙突周辺と後部マスト。大和型戦艦の特徴的なマスト形状もわずか2個のパーツで形になる。煙突頂部のパーツもブラックの成型色なので塗装は不要となっている
日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時 木甲板はモールドにスミ入れとツヤ消しコーティング
▲右舷側中央部。木甲板はモールドにスミ入れとツヤ消しコーティングを施すだけでリアルな仕上がりとなる。ボラードも別パーツ化され面倒な塗り分けは不要だ

キットについて
 本キットはフジミの艦NEXTシリーズのバリエーションシリーズ第二弾です。これだけ精密なパーツ構成にもかかわらず、接着剤が不要で簡単に組み立てられるスナップフィットキットとなっています。船体の成型色は無塗装でも違和感のない呉海軍工廠色に近いグレーですし、他のパーツもそれぞれのカラーで成型されたパーツが準備されています。バリエーションキットではありますが、艦橋と中央構造物木甲板は新規金型で、太平洋戦争が開戦して間もない昭和16年12月以降の竣工時の姿を再現したものです。組立説明書はとてもわかりやすいていねいな説明書で戸惑うことはないでしょう。とくに艦橋パーツは意外とパーツも多く感じられるのですが、組立説明書通りに組んでいけば短時間で精度の高い大和が完成します。こまかい色分けは付属のシールで再現するというのも手軽でうれしいですね。
製作について
組み立てに関してはゲート跡や合わせ目が巧みに隠れて見えなくなるような考慮がされており、だいぶ親切な設計になっています。今回は各パーツのパーティングラインを消す処理をしつつ、ほぼストレート組みでスミ入れと汚しを加えて仕上げてみました。ちょっとしたことですが、使わない部品も結構はいっていますので、間違い防止のためあらかじめそれらは外してしまって別袋にまとめておくと余計な手間や事故を回避できます。また、今回は付属シールは使わずにしあげました。
 作業は、船体、中央構造物、主砲部、艦載機と分別して作業していきます。船体は艦底にあるパーティングラインを処理をしてから組み立てます。すべての弦窓は0.5mmのドリルで開口してスミ入れした際に際立つようにメリハリをつけておきます。艦橋は少しだけゲート処理と銃座の合わせ目の処理さえしてしまえば、あとはパチパチと組むことができます。中央構造物は煙突を組み立てて、合わせ目を処理してから上部パーツを接着します。今回はランナーの成型色を生かしそのまま接着しています。後部指揮所や高角砲台座なども合わせ目処理とゲート処理をしてどんどん接着していきます。マストはできるだけほそく見えるように少しナイフでカンナがけの要領でほそく削りました。探照灯のなかはシルバーで塗っておきます。高角砲のパーティングライン処理はちょっと面倒ですが、がんばってモールドを避けつつ処理をします。主砲の砲身キャンパスは筆塗りして最後に接着するようにします。後部のリノリウムはマスキングをして塗装しています。
 最後にすべてのパーツにスミ入れや汚しを施します。スクリューも塗装したら最後に全パーツを接着し、張り線してツヤ消しクリアーを吹いて完成です。
まとめ
 基本はいわゆる色プラなので無塗装でも充分楽しめます。キットにはシールしか同梱されていないので、その部位は塗装で再現しましたが、探照灯やリノリウム、砲身キャンパスやスクリューなどは非常によくできており、塗装と張り線とツヤ消しコーティングでこの仕上がりになるのは非常にポテンシャルの高い、だれでも簡単に楽しめるキットだと感じました。

フジミ模型 1/700 スケール プラスチックキット

日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時

製作・文/ Takumi 明春

日本海軍戦艦大和 昭和16年/竣工時
●発売元/フジミ模型●4840円、発売中●1/700、約37.6cm●プラキット


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Takumi明春(タクミアキハル)

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