【軍用車好き必見】「重レッカー車」がサンダーモデルより登場! 妥協の無い再現度のキットにさらに手を加えて製作「アメリカ軍 ワード・ラ・フランス M1000シリーズ2 重レッカー車」
2025.07.16US HEAVY WRECKE WARD LAFRANCE MODEL 1000 SERIES 2
第2次世界大戦において、米軍をはじめとした連合国側で使用された大型レッカー車を、ソフトスキンを精力的に展開するサンダーモデルがキット化。550点以上のインジェクションパーツに加え、エッチングパーツ、3Dプリントパーツを駆使して再現された精密なディテールは単体としてはもちろん、情景のワンポイントとしても抜群の存在感を発揮することだろう。


▲ソフトスキンはシャシー下面も見どころが多い。今回はエアタンクにカーモデル用のジョイントと銅線でパイピングを施した他、省略されているリレーバルブや後部のトレーラー用のカップリングもプラ板や真鍮パイプで自作している
軍用ソフトスキンモデラーの強い味方サンダーモデルから、Ward La Francesya 社の重レッカー車が発売されたので早速作ってみた。昨年のフォードF30 発売の時点で、M1A1レッカーの発売は明らかにされていたが、実車同様に「Ward La France M1 Model 1000」が先に発売となった。第2次世界大戦時の米軍の重レッカー車は大きく分けてM1とM1A1の2種になり、それぞれ「Ward La France社(以下ラ・フランス社)」と「Kenworth 社」で生産しており、ラ・フランス社ではシリーズ1から4までが「M1」にあたり、シリーズ5が「M1A1」にあたる。1/35では、廃業してしまったアキュレイトアーマーからM1A1のレジンキットが発売されていたが、M1のキット化はレジン・インジェクションともに初のキット化だ。シリーズ1から4までの違いは主に後部レッカー部分の構造の差で、キャビン部分やフェンダーが民間型のままであることは共通している。両社統一のソフトトップキャビンとフラットなフェンダーを持つことになるのは、シリーズ5、つまりM1A1になってからである。
いつものサンダーモデルらしい妥協のない再現度のキットは、軍用車両好きには堪らない魅力満載だ。エンジンだけでもなんと50以上のパーツから構成されている。作例はそのエンジンに点火コードや各種パイプ類を付加した。さらにシャーシ内には、ブレーキシステムのパイピングを実施して、密度感を向上させている。塗装は、英国好きなので英軍仕様。最初からレンドリース車両として生まれたシリーズ3とは違い、シリーズ2なので、米軍基本のOD色の上に、S.C.C.14ブルーブラックのミッキーマウス迷彩とした。レンドリース専用型のシリーズ3では最初から基本色を英国向けのS.C.C.2サービスブラウンに塗っていたようだ。
その他付加工作として、英軍向けのプーリーセットをプラスモデルから。クレーン基部部分には、LZモデルのアップデートセット1を使って、ギヤやチェーンを超繊細な3Dパーツに置き換えている。昨年の10月発売予定が遅れに遅れて、手元に届いたのが2月末、シリーズ2の後に続くのは何かは不明だが、本命のシリーズ5(M1A1)の発売はまだ先になる見込みだ。
サンダーモデル 1/35スケール プラスチックキット
アメリカ軍 ワード・ラ・フランス M1000シリーズ2 重レッカー車
製作・文/福田哲夫
アメリカ軍 ワード・ラ・フランス M1000 シリーズ2 重レッカー車
●発売元/サンダーモデル、販売元/バウマン●15400円、発売中●1/35、約23.5cm ●プラキット
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福田哲夫(フクダテツオ)
ソフトスキン大好きAFVモデラー。なかでも贔屓は英国車。