HOME記事キャラクターモデル『Ma.K.』の原点「A.F.S.」をMAX渡辺と横山宏が無改造のノーマル機として製作!さらにA.F.S. Mk.Ⅱ&アーケロンのオリジナルモデルも公開!! 【Ma.K. in SF3D】

『Ma.K.』の原点「A.F.S.」をMAX渡辺と横山宏が無改造のノーマル機として製作!さらにA.F.S. Mk.Ⅱ&アーケロンのオリジナルモデルも公開!! 【Ma.K. in SF3D】

2025.06.13

Ma.K. in SF3D/A.F.S. MkⅠ & A.F.S. MkⅡ SET【ウェーブ 1/20】 月刊ホビージャパン2025年7月号(5月23日発売)

『Ma.K.』の原点A.F.S.に迫る FIRSTPART

 今回はウェーブ製A.F.S.特集の前編。2016年のA.F.S. Mk.IIの再販以来、9年ぶりの販売となるA.F.S.はMk.IとMk.IIのセット販売となった。
 MAX渡辺は従来のA.F.S.にはない迷彩パターンでMk.I、Mk.IIを製作。横山宏はセットでの再販発表時に製作した2体を披露。さらに現存するMk.IIのオリジナルモデルも掲載する。前編で紹介するのはいずれも無改造のノーマル機。月刊ホビージャパン1982年5月号の『SF3D』連載第1回に登場した『Ma.K.』の原点であるA.F.S.の魅力に迫る。


傭兵軍 装甲戦闘服 A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II 製作/MAX渡辺

▲月刊ホビージャパン1982年5月号のカラーページに掲載されたA.F.S.Mk.IとMk.IIのディオラマをオマージュし撮影。MAX渡辺による従来のA.F.S.では見られなかったカラーリングの迷彩が新鮮だ
▲歩行ポーズにするとA.F.S.が人体に近い構造だとわかる。バイザーにはエアブラシで薄くクリアーオレンジを吹いた
▲A.F.S. Mk.I。Mk.IIとの最大の差異はヘルメットの形状だ。薄いグレーで塗られたエアインテークがアクセントに
▲A.F.S. Mk.II。左腕のレーザー基部は2007年のキットで新たに設定されたタイプを使用
▲MAX渡辺と横山宏のA.F.S.が揃い踏み! 左端は月刊ホビージャパン1982年5月号に掲載されたA.F.S. Mk.IIのオリジナルモデル。2000年代に発売されたウェーブ製キットに違和感なく溶け込む
▲ヘルメットを外した状態。Mk.IとMk.IIで異なるサイトウヒール氏原型のパイロットヘッドが付属する
▲後部側面の増槽は1984年の日東製1/20 A.F.S. Mk.IIのオプションパーツを踏襲したものがキットに付属
▲Mk.Iキットのランナーに付くスモークディスチャージャーを装備した
▲A.F.S.5機の特撮をセッティングし記念撮影

■痛恨?のDNFすなわちリタイア
 宮古島トライアスロン、残念ながらリタイアしました、模型芸人MAX渡辺です。自転車パートで脚を使い切ってしまい、ランパート2.5kmでレースをやめました。雨上がりのアスファルトから上がる熱気とここまでの疲労で心拍数が180から落ちず、両脚はバキバキと痙攣。このまま続けたら生命に関わると判断。悔しいですが、お陰でダメージが驚くほど少なく済み、苦渋なれど賢明な判断だったと思います。バイクは週3回ほど室内固定マシンで1時間。ランに至っては愛犬の朝晩のお散歩以外、一切出来ていませんでした。練習しないで完走できるほど宮古島は甘くなかった。次の徳之島に向けて短い期間ですが出来る限り時間を作り、カラダ作って臨みます!

■久しぶりだよおっかさん、いやA.F.S.♪
 弊社1/20 A.F.S.、なんと再販は9年ぶりとのこと。そんなに時が経っていたのか。ついこないだのような気がするのはボクだけでしょうか。ルナポーンやナイトストーカーなどバリエーション展開があったからかも?
 そんなA.F.S.ですが、なるほど触っていたらホンノリ久しぶり感、懐かしさを感じたのでそうなのでしょう。関節を詰めたり、スネを水平面でカットして短縮したりと小改造は以前やりましたので、久々登場の今回は、どストレートに組んで塗りだけ楽しむスタイルをチョイス。小気味良く組み上がる良いプラモデルですねぇ♪ 彩度控えめのライトブルーとオリーブグリーンでザックリ迷彩塗り分けし、このツートンを補い映えさせるオレンジイエローのデカールを貼りました。我等がレインボウエッグ謹製「Ma.K.コードレターデカール(黄)」!
 ウェーブのMr.Ma.K.高沢さんに写メ送ったら、「ラプターのカラーリング、A.F.S.にバッチリですね!」と。なるほど言われてみればそうだわ。やったことないのを試したつもりでしたけど(苦笑)。

ウェーブ1/20スケール プラスチックキット

傭兵軍 装甲戦闘服 A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、仁平哲也、堤啓介

A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II SET
●発売元/ウェーブ●4620円、5月下旬予定●1/20、約11cm●プラキット


A.F.S. Mk.II&アーケロンのオリジナルモデル

 1982年製作のA.F.S. Mk.IIと1984年のA.F.S.バリエーション機アーケロンを公開!!

▲印象的なポーズのMk.IIと日東製Mk.IIキットを改造したアーケロン
▲ウェーブ製キット(右)との比較。可動式キットのため関節部の長さが若干異なるが、オリジナルのフォルムを可能な限り再現しているのがわかる
▲オリジナルのボディはプラ板を組んだものが基部となっていてフラットな印象。キットは増槽を取り付けることで丸みを帯びたフォルムになる

傭兵軍 装甲戦闘服 A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II 製作/横山宏

▲オリジナルモデルと同じポーズを取らせた横山氏のA.F.S. Mk.I&Mk.II。オリジナルに近いジェイダイトグレー×ブラウンの迷彩塗装が施されている
▲「唯一の変更点はパイロットの頭部を可能な限り前進させてます。顔がよく見えると作品がよりよく見えてくるでしょ」(横山宏)
▲︎人体に近い形状のA.F.S.は“歩兵”であることを強く意識させる。コードレターは当初は数字だったがアルファベットに上書きされた設定だ
▲桜の花びらのような斑点迷彩にスポンジスタンピングによるウェザリングが映える。「43年前の納品の日に舞っていたのも桜の花びらだった」(横山)
▲筆塗りによる大胆なタッチが残る迷彩は応急的に塗装された臨場感を醸し出している

 今から43年前の4月24日に発売されたホビージャパン1982年5月号でタカラのミクロマン強化スーツを改造して少しリアルなパワードスーツの作例を完成させたのがA.F.S.だったのです。初代社長の佐藤光市氏がそれを見た瞬間にタイトルのSF3Dと記事の連載とキット化をソッコー決定します! そうやって突然『SF3D』の連載がスタートしたのでした。連載第1回には頼まれもしないのに書いたやたらと長い原稿と数点の描き下ろしイラストが載っています。「模型雑誌に作例を載せてもらうならそれくらいのものがないといかん!」と思ったんでしょうね。そこから始まって紆余曲折ありの妄想サーガに43年も付き合ってくれているファンのみんなには本当に感謝しかありません。もちろん昨日から付き合ってくれてる人にも感謝を込めて解説していきたいと思います。
 そんなマシーネンの原点であるA.F.S.の1/20キットがウェーブから9年ぶりに再販! しかもMk.IとMk.IIのセット販売です。2024年10月の全日本模型ホビーショーで展示するA.F.S. Mk.IとMk.IIの完成見本を初めて塗りました。『SF3D』連載時は余裕がなく単色で塗っていたけど、今回は40数年前の本体色を意識した迷彩で塗装することにしました。オリジナルを見ずに思い出しながら本体色を塗ってあとで見比べたらオリジナルはこんなに黄色かったのかと驚いた。本体色にブラウンを塗り重ねてスタンピングスポンジでウェザリングしました。
 傭兵軍のコードレターはアルファベット、シュトラール軍は数字と使い分けていますが、連載なんか思ってもみない時点なので傭兵軍最初のA.F.S.には数字のデカールを貼っていました。当然最近までMk.IやMk.IIのキットのデカールは数字がメインだったので、今回を機にアルファベットを上書きした設定にしてAやFのデカールを数字の上から貼ってみました。「数字を43と56にしたのはA.F.S.誕生が43年前で横山先生が1956年生まれだからですか?」とKATOOOさんが推理しましたが、まったくの偶然です(笑)。ゲームの駒が1/56、ミニカーが1/43スケールなので、それらを思い浮かべて貼りました。キットには作例と同じものが一度に貼れるデカールを入れてもらったので重ね貼りしなくて済みますよ。
 今回の再販はMk.IとMk.IIのセットなので、ヘルメットを取り替えてみるのもおもしろいでしょう。40数年ずっと気になっているのは、つま先とかかとが分かれていない足だと上手く歩けないだろうということ。個人的にいずれこの部分はなんとか解決したいと思っています。
 英語圏のファンはA.F.S.を「エー・エフ・エス」と言わずに「アーフス」って発音してました。『Ma.K.』も「マーケー」だしね。生意気だけどカッコいいのでわしも「アーフス」って呼ぶことにしてます(笑)。

ウェーブ1/20スケール プラスチックキット

傭兵軍 装甲戦闘服 A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II

製作・文/横山宏

A.F.S. Mk.I & A.F.S. Mk.II SET
●発売元/ウェーブ●4620円、5月下旬予定●1/20、約11cm●プラキット


Ma.K. in SF3D Photo Story「懲罰部隊の長い一日」

 うだるような暑さの砂漠地域で独立第71装甲猟兵連隊第1中隊第3小隊所属の5体のA.F.S.が行軍を続けていた。表向きは初めて装甲服を着て戦闘に参加する新入りの歩行訓練を兼ねた演習だというが、本当のところはどうだかわからない。急に編成されたこの小隊は懲罰部隊ではないかとの噂が拭えず、歩行演習に参加するよう指名されたのは素行が悪く目に余る者、暴力的な言動が目立つ者、素性がよくわからず不可解な行動を取る者など規律を乱すような要注意人物ばかりだったからだ。そうした荒くれ者の集まりのわりにはこの行軍に文句を言う者は現れず、出発地から30kmほどの地点まで脱落者もなく黙々と行軍は続いた。

 陽が落ちはじめ、あたりが暗くなりだした頃にひとりの隊員が口火を切った。
「曹長、この行軍の本当の目的はなんですか?」
 先頭から二番目のA.F.S.に搭乗していた新入りのジェラルド・クラウス伍長は声を荒げて指揮官のパトリック・ヘインズ曹長に尋ねた。クラウス伍長の声は通信装置を介さなくても聞こえるほどの大声で、怒りとも怯えとも思える感情が読み取れた。
「馬鹿野郎! 俺が上官とわかるような言動は慎め。これは単なる歩行訓練だと言っただろ」
 ヘインズ曹長は声をうわずらせて怒鳴ってしまい明らかな動揺を見せた。単なる歩行訓練ではないと勘づいていない者はいなかったが、曹長の動揺でそれは明白となった。
「今のは忘れろ。行軍を続ける」
 曹長は平静を装って行軍を再開した。クラウス伍長もそれ以上は追及せず曹長に続いて歩きだした。
 陽が完全に落ちた頃、突然爆音が鳴り響いた。各機のアラートシグナルが点滅する。レーダーは迫り来る敵を察知した。ナッツロッカーだ。
「各機、散開! 2機ずつ組んで応戦せよ」
 ヘインズ曹長は単独で回り込む方向に走り出す。
「畜生! やっぱり俺たちは囮だったのか? よりによってナッツロッカーと戦うなんて」
 クラウス伍長は逃げ出したい気持ちを抑え、A機のルイス・ボンド伍長と並走していく。
「大丈夫だ。ここは俺たちに任せろ」
 黄の3番機に乗るグレゴリー・ハック曹長が口を開いた。フル・クレイズ軍曹とともに特殊訓練を受けたハック曹長は懲罰部隊に潜入していたのだ。
 ナッツロッカーは砲塔を旋回させて三方向のA.F.S.にレーザーを撃つが、操縦に慣れていないクラウス伍長らの動きは予測しづらく、命中しない。
「こちらのほうが一枚上手だったようだな」
 ハック曹長とクレイズ軍曹のレーザーがナッツロッカーを捉え、巨大な怪物は鎮座した。


「横山宏 to 2025」レポート

 2025年5月3日から5月18日まで東京・青山のビリケンギャラリーで「横山宏 to 2025」が開催された。2024年に続いて3Dプリントフィギュアを使用した立体作品や既存の絵画に加筆した作品、キャンバスに描かれたアクリル画などすべて未発表の作品が展示・販売され、会場は大盛況となった。

▲初日に駆け付けたMAX渡辺氏と記念撮影
▲「横山宏 Ma.Kモデリングブック2」の塗装兵の概念を継承した「Type2 Paint Warrior」
▲タイガー戦車のパーツなどを流用してマスクを作った「Born in Osaka」
▲︎油彩に加筆した「FIRE BALL」
▲会期中に描き上げ徐々に増えていったペイントオンキャンバスの作品
▲2024年の「バンパイアセンター3番受付」の連作となる「3番受付の妹」
▲︎「横山宏 to 2025」のキービジュアルとなった「YELLOW FLASH KISS」。黄色のマスクが印象的だ

© Kow Yokoyama 2025

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MAX渡辺/横山宏

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