電子の眼で空の脅威を切り裂く4本の刃
ズべズダ「対空自走砲ZSU-23-4“シルカ”」
2021.07.02
第二次大戦後、高速・大型化するNATO軍対地攻撃機から機甲部隊を防御するため、ソビエト軍は23mm高射機関砲4門を備えた対空自走砲ZSU-23-4“シルカ”を開発、1965年から運用を開始した。レーダー追尾による対空システムを搭載、毎分4000発の破壊力で1982年までに6500両を生産、ソビエトを含め41ヵ国で使われている。1990年代にドラゴンが発売していたZSU-23-4Mの1/35スケールキットが、このほどズベズダからパッケージも新たに再登場。1枚ずつ組み立てる方式の分割履帯などリアル系AFVキットのフォーマットを確立した秀作が復活!
■製作について
今回製作させていただいたのは、ズベズダから発売されているZSU-23-4シルカです。中東戦争などでお馴染みの車両です。
組み立てはそのままストレートに組んでいけばOKで、この作例でもストレート組みしています。パーツ数は多くないので、戦車初心者の方でも組み立てることはできるかと思います。パッケージの裏側に完成見本写真もあるので、それを参考にするとよいでしょう。
最近発売されているズベズダのキットは、箱の裏に大きな完成見本写真が印刷され親切なのでオススメです。もっとディテールアップをしたい人は別売りの他社製エッチングパーツや金属製銃身などを使用するとよいでしょう。
■塗装について
塗装は下地にガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ブラックを塗装後、GSIクレオスのカラーモジュレーションセット ロシアングリーンVer.を使用し、ベースにシャドーを塗装、続いてカラー+ハイライト2を7:3で混ぜたカラーを全体的に塗布します。
乾燥後、迷彩の塗り分けを行います。ある程度パッケージの迷彩を意識して塗装しています。迷彩色はガイアノーツのインテリアホワイトを選択しました。
装備品は筆塗りで塗り分けしていきます。スコップの持ち手の部分はフレッシュカラーなど(セールカラーなど)で塗装後、Mr.ウェザリングカラー グランドブラウンや、油彩ローアンバー+バーントアンバーなどを塗って、半乾きくらいでコットンや綿棒で拭き取ると、木の模様表現がそれなりに再現できます。
■ウェザリングについて
車両本体は油彩のローアンバーでフィルタリング。ローアンバー+バーントアンバーでスミ入れやストレーキングを施しますが、全体的に色味が濃くなるので、ホコリ系のピグメント(粉状)を迷彩の境界線あたりに擦りつけるようにしてぼかしていきます。
■履帯のウェザリングについて
履帯取り付けの前に、装着後にウェザリングできない箇所は先にウェザリングをしたほうがよいです。
履帯の塗装は、全体をマホガニーで塗装し、ハイライトにタミヤのフラットアースを塗布(ラッカー・アクリルどちらでも可)。乾燥後、グリーンスタッフワールドの水性ピグメント デザートアース、ミディアムアースを混ぜたものを、履帯の歯に残るようにして叩き付けるように施しました。水で溶けるので履帯を傷めずウェザリングできます。溶剤を使うウェザリングを履帯に施すと、どうしても破損させてしまう可能性があるので、その不安がないこのピグメントはオススメです。
履帯の歯のハイライトには、AMMOのドライブラシペイント ガンメタルを使います。こちらも水で洗って落とせるので、失敗してやり直す時も履帯を傷めないのでオススメです。
ズベズダ 1/35スケール プラスチックキット
ZSU-23-4M シルカ 自走高射機関砲
製作・文/小澤京介
ZSU-23-4M シルカ 自走高射機関砲
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●4620円、発売中●1/35、全長約18.6cm●プラキット
小澤京介(オザワキョウスケ)
2021年は作例以外にも、作品を2つくらいは完成させたいと思いつつまったく手をつけられてないので、とりあえずひとつだけでも完成させようと思っている今日この頃です。