HOME記事スケールモデルTV放送で話題になった昭和100年記念ディオラマを撮り下ろし掲載!「昭和の日」に懐かしい昭和の情景を作品を通して追想【自分流~“知”の探求者たち~】

TV放送で話題になった昭和100年記念ディオラマを撮り下ろし掲載!「昭和の日」に懐かしい昭和の情景を作品を通して追想【自分流~“知”の探求者たち~】

2025.04.29

英雄と出会う日【スクラッチビルド 1/16】●山田卓司 月刊ホビージャパン2025年6月号(4月24日発売)

英雄ヒーローと出会う日

昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」

BS朝日とのコラボ企画、
情景王が昭和100年記念ディオラマを作る

 4月5日(土)夜11:00よりBS朝日で放送された「自分流~“知”の探求者たち~」では、本誌レジェンドディオラマビルダー、情景王こと山田卓司が取り上げられた。当番組は「志を持って『自分流』を探求する人々を密着するドキュメンタリー番組」で、氏の作品への取り組みや製作過程を垣間見ることできた。ここではBS朝日の番組スタッフの協力のもと番組内で製作された、昭和100年を記念したディオラマ作品「英雄と出会う日」をホビージャパン撮り下ろしにて紹介。番組内では時間の制約などで作り切れなかった部分も追加工作し、完全版としてお届けする。

昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」全体
自分流ロゴ

 志を持って『自分流』の探求をする人々に密着するドキュメンタリー番組。研究者・芸術家・アスリート・お笑い芸人…など、何かひとつのことに打ち込み探求する人々を毎回主人公に、今をときめく著名な人物から、これまで陽の当たることのなかった人物まで、その“熱い探求心”と“流儀”を取り上げていく。(番組ホームページより要約)

BS朝日 毎週土曜
夜11時放送

昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」後ろ
▲2025年は昭和100年にあたる年ということで「昭和」をテーマに製作。お祭りや縁日をモチーフに6歳の少年がお小遣いを握りしめ、ヒーローのお面を買いに来た、まさにその瞬間を切り取っている。ディオラマは木製ベースにスタイロフォームで地面を作り、販売用の枠は5mm角の工作材やバルサ材から製作。大量に作ったお面やビニール風船などを紐で固定している。ディオラマサイズはおよそ横37㎝×縦25㎝×高さ32cmほど
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」少年フィギュア
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」少年フィギュア背面
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」少年フィギュア製作途中
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」少年フィギュア製作途中2

▲少年は6歳男児と想定。アルミ線を骨組みにしてGSIクレオスの「Mr.スカルプトクレイ」で製作。昭和時代を彷彿させる髪型に半袖半ズボンの夏服、乳歯の生え変わりを想起させる口元、そしてお面のヒーローたちに胸躍らせる表情など、まさに情景王の真骨頂といえる佇まいだ

昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」お面製作途中
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」お面製作途中2
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」お面製作途中3
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」お面アップ
▲お面はエポパテで原型を作り、4個ずつバキュームフォームで成型。ヒーローからひょっとこ、天狗、忍者、力士などさまざまなお面を用意した。角材にお面のゴム紐(を模した糸)を巻き付けて固定している
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」展示台アップ
▲展示台の裏にはゴム紐が切れて不良品となったお面などが、ダンボールや木箱の上に無造作に詰まれている様子も
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」ビニール風船
▲ビニール風船は発泡スチロール球を塗装してそれらしく仕上げた
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」風車
▲風車は色紙を小さく切り出し、竿はプラ棒で製作。風車が刺してある藁束は麻紐を束ねたもの
昭和100年ディオラマ山田卓司製作「英雄と出会う日」横

 本年は昭和100年にあたるということでしばらくの間、作っていなかった「昭和」モチーフの作品を作ってみました。また、ナイスタイミングなことにBSテレビ朝日「自分流」の取材を受けることになりましたので、この作品の製作過程を放送で観た方もたくさんいらっしゃるかと思います。番組は広く一般の人々が視聴されるということでさまざまな対外的配慮や時間的制約がありましたので、本誌掲載にあたり取材時には手が回らなかったところに追加工作、再塗装させていただきました。
 私の少年時代は我が国初の本格的テレビまんが『鉄腕アトム』に始まり『鉄人28号』『エイトマン』…と有名無名を問わず新たなヒーローたちが次々と生み出され、まさに百花繚乱。さらに『ウルトラQ』をきっかけとして怪獣ブームも沸き起こり、1960年代はアニメ特撮の興隆期となりました。そんな時代の思い出を作品にしたくて、祭りや縁日に出店する露店のお面屋さんを作ると面白いのではないか? と考えました。ただ、当然ながら当時のヒーローたちにはそれぞれ著作権が存在していますから、自分の創作物として作るには少しアレンジする必要があります。昭和時代に販売されていたお面は、実際とは塗色が違ったり形状が違っていたのは、もしかしたら著作権逃れのためだったのかもしれません。
 今回のディオラマはお面と少年のサイズ感から考えて1/6スケールとしました。お面は実物通りバキュームフォーム成型で作ることは決めていたので、基本形として小判型に切り出したプラ板に、エポパテを盛り付けて原型を作ります。テレビや映画のヒーローたちに紛れて天狗やひょっとこ、オカメ、鬼、力士など昔から販売されていたであろうお面も作りました。そして0.5㎜厚のプラ板を熱して成型。形状でもパチものっぽくアレンジしましたが、さらに塗色もアレンジ。販売用の枠は構造がよく分からなかったのですが、昭和時代と思われる写真から想像して5mm角の工作材やバルサ材から製作。表面は鬼目ヤスリで削って質 感表現。お面はゴム紐をこの角材に引っ掛けるように固定して販売されていた様子。資料写真ではお面とともにビニール風船や風車も並んでいたので、こちらも追加。ビニール風船は発泡スチロールの球を塗装。風車は色紙を小さく切り出し、竿はプラ棒。風車が刺してある藁束は麻紐から。
 人形は6歳児の少年を想定。アルミ線を骨組みにしてGSIクレオスの「Mr.スカルプトクレイ」で製作。お面のヒーローたちに胸躍らせる表情や佇まいには少し悩みました。

1/16スケール スクラッチビルド

英雄と出会う日

ディオラマ製作・文/山田卓司


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