個展開催中の横山宏とMAX渡辺が海洋堂1/35カングール徹底攻略!! 超絶作例とフォトストーリーをお見逃しなく!【Ma.K in SF3D】
2025.05.09シュトラール軍 多目的大型装甲戦闘服 カングール 製作/横山宏
海洋堂のカングールがついに発売ということで、前回(月刊ホビージャパン2025年3月号掲載)に続いて2機おかわりしました。このキットはパーツの構成がすごく箱の厚み(深さ)がギネスブック級で「箱がアツい(厚い)ぜ!」だ(笑)。
キットはヒール君のマシーネン愛が全開! 1/20のレジンキットの原型から3Dスキャンした熱いキットだ! サイズ検討中にわしの愛も大きすぎて結果1/30くらいのサイズ感になったけど、フォルムがいいから収まりのいい大きさなのかもしれません。いや! これからはこのサイズが正解になりますのでよろしくお願いします。コクピット内のコンパネなどの造形もワクワク感のある造形になっていて、きっとザブングル系ファンも納得するものになってると思いますよ。
今回も海洋堂のプラ主任の塩入君から送られて来た3Dプリントの試作品を見ながらわしの要望をどんどん伝えて細かい部分をアップグレードしてもらいました。そのうちコクピットハッチの合う精度もどんどん上がっていきました。これも塩入君が工場との調整を頑張ってくれたおかげですね。すごくいいキットになったのでもっと欲を言うと、ほんの少しスモークが入ったキャノピーもバリエーションで欲しいですなぁ。
前回同様、今回も2機塗るので、1機は腕を組み替えた両腕マニピュレーターの機体を用意してもらいました。余ったレーザーの腕は交換用として装備してることにしましょう。薄い鉛の板を切って背面に紐で縛ったように工作します。実際はレーザーの腕を背面に積んで必要な時に換装する武装工兵部隊用ということだね。キットは2個セットで両方マニピュレーターの腕にしたら腕が足りなくなるから、1機はグローサーフントのシュレックでも取り付けたバリエーションにしたいですね。
今回の工作ですごく役に立ったのが“はじピン”っていう“逃げ恥”みたいな名前の「弾かないピンセット」。これを使うことでおなかのライトのような極小パーツも一度も飛ばさずに済みました。これ作った人天才だわ! そしてマスクから伸びるチューブは直径0.7mmのビニールコードがピッタリです。キットは肩の装甲板がないタイプを再現してるので百均で買ったつけ爪に虫ピンを挿して装甲にしてプラ板を三角に切ったものを虫ピンの両側に接着してディテールにしました。
機体内部はイギリス機のグリーンで塗ったけど、MAXさんのはロシア機のような機体内部色! シュトラール軍はこれもかっこいいんだよね。新たな2体は最初に塗ったオリジナルモデルのような迷彩塗装でオレンジの識別帯を入れました。以前作ったキュスター(月刊ホビージャパン2023年8月号掲載)もカングールの僚機ということで、識別帯を追加で塗ってます。
デカールは今回も7割塗り終わったら貼ってます。少し雑な感じで貼ってそこから塗装の続きをやるほうが元気な完成品になると思うよ。
このキットはすごくクオリティも高くたくさん注文が入ったそうです。予約した人は安心で予約してない人はドキドキですね。こんなに良くできたマシーネンのプラキットが購入できる時代が来るとは!! 長生きはするもんだね。(横山宏)

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット
シュトラール軍 多目的大型装甲戦闘服 カングール
製作・文/横山宏
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.134
シュトラール軍 多目的大型装甲戦闘服 カングール
文/KATOOO(レインボウエッグ)
カングールは大型後方支援機に代わる小型汎用機として開発された多目的大型装甲戦闘服です。
初出は月刊Play Online 1999年9月号。主に機体回収、山岳部や冬季の長時間偵察で活躍し、当初は武装がなく心もとないことから旧式のPWM.43の改良レーザーが取り付けられた設定です。両腕両脚があり人型ではないフォルムはユニークで、現実の大型重機に通じるテイストを持ったもっとも『Ma.K.』らしいメカのひとつといえるでしょう。
イラスト発表の翌年、月刊モデルグラフィックス2000年6月号の『Ma.K.』特集に横山先生が芯を作り、岩井秀氏、村生えでぃ氏、高橋幸一氏が製作を引き継いで最終的に横山先生がフィニッシュしたオリジナルモデルが掲載されました。2002年にサイトウヒールさんが原型を製作した1/20レジン製改造パーツは二度の改修を経て、2016年にヒールさんとせどさんの義兄弟ユニットFUJIYAMA ARTS BROTHERSからウェーブ製グスタフのクリアーパーツやクレーテの脚部を同梱したレジン&プラのハイブリッドキットとして発売。この2016年製カングールとパイロットの原型を3Dスキャンしてデータ化したものを基に海洋堂1/35カングールが開発されました。その完成度は非常に高く、今回の特集を見れば一目瞭然だと思います。
カングールのオリジナルモデルは日東製P.K.A.のボディとクレーテの腰部が芯になり、クレーテの脚部やグスタフの上腕を流用しています。シュトラールメカの“いいとこどり”ともいえるカングールは人気も高く、1/20レジンキットも長らく販売されていました。その1/20キットが原型となり、最新技術で1/35のプラキットになったことはエモーショナルで非常に意義のあることだと思います。
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