HOME記事キャラクターモデル1/35 カングールのパッケージ作例、ファイナルフントセットを使用したディオラマをMAX渡辺&横山宏が仕上げる! フォトストーリーと作例の高精細スキャンも見逃すな!【Ma.K. in SF3D】

1/35 カングールのパッケージ作例、ファイナルフントセットを使用したディオラマをMAX渡辺&横山宏が仕上げる! フォトストーリーと作例の高精細スキャンも見逃すな!【Ma.K. in SF3D】

2025.02.17

Ma.K. in SF3D【海洋堂 1/35】 月刊ホビージャパン2025年3月号(1月24日発売)

1/35『Ma.K.』キットを楽しもう!! SECONDPART

ストーリーをイメージしながら作る

 月刊ホビージャパン2010年3月号から開始した「Ma.K. in SF3D」が今回で15周年を迎え、16年目に突入!! 1/35『Ma.K.』プラキット特集の後編をお送りしよう!
 横山宏は海洋堂から2025年3月発売予定のカングールを使ったディオラマを披露。ショートストーリーをイメージしながら製作したことで緊迫感が伝わる完成品となった。MAX渡辺はロケットチューブ装備のナッツロッカー、防弾板付きキュスター、ヴィネット仕立ての“ファイナルフント”を激作!! 15周年にふさわしい情報量たっぷりの作例を堪能していただきたい。

前編記事はコチラ


シュトラール軍多目的大型装甲戦闘服 カングール 製作/横山宏

▲月刊ホビージャパン2023年11月号に掲載された「キュスターが潜んでいた廃屋」に今度は「カングール2機と整備兵」を配置。息遣いが聞こえてくるような臨場感を醸し出す
web記事はコチラ
▲廃屋に調和する色調の迷彩塗装と激しいウェザリングが施されたカングール。ボディシェルのハッチは差し替えなしで開閉が可能
▲MAX渡辺製作の1/20カングールとの比較。どちらも原型はFUJIYAMA ARTS BROTHERSで、1/35は1/20の原型を3Dスキャンしたものが基になり、脚部は海洋堂のクレーテ系キットの金型が流用されている
▲MAX渡辺、横山宏、KATOOO、担当編集オオマツが15周年の記念撮影。「15年前の連載開始時、オオマツ君は10歳でした。この写真は正月に集まったじいちゃんと孫みたいだね」(横山)
▲キュクロープとキュスターを配したMAX渡辺のヴィネットを眺め、「この組み合わせは最強のペアだね。絵になるわあ~」と横山氏

 今回でこの連載は15周年だそうです!! 「渡辺君がやってくれるならホビージャパンで連載してもいいよ」って始まったこの連載が15年ですよ!! そんなわしもすっかりおじいちゃんになりましたね。読者のみんなは1982年から40年以上も飽きもせずわしの妄想に付き合ってくれて本当に申し訳ない!! 中断もあったけど結局長く連載が続いてくれたおかげでわしもみんなも模型作るのが上手になったよね。
 早速だけど前回から引き続きです。1/35マシーネン特集の後編ということで、どうすれば1/35のキットがかっこよく完成できるかも伝えていきますよ。今回はまもなく予約が始まる海洋堂のカングールを完成させました。これはFUJIYAMA ARTS BROTHERSというユニット名のサイトウヒール君と脊戸君(ふたりは奥さん同士が姉妹で義理の兄弟)が作った1/20カングールのレジンキットの原型を3Dスキャンしてそのデータから1/35のプラキットにしたものです! 谷さんのこさえてくれたマシーネンのキットの文法とはまた違った魅力があります。ヒール君原型のパイロットフィギュアは頭部が暗視装置使用中とバイザーを上げた状態の2種類入っていてそれを使うだけでポーズすら別物に見えてきます。そして村井太郎さん原型のシュトラールのハンマーを持った整備兵も完全新規造形です。
 そんなできたてカングール! キュスターの時に作ったエアフィックスの1/32情景キット「ストロングポイント」の廃墟と組み合わせてみます。ここ最近ショートストーリーをイメージしながら作っていくと何もストーリーの構想なしで作るのとは全く違って作例自体がドラマチックになるんです。この連載でKATOOOさんにショートストーリーを書いてもらってますが撮影日に「こんな感じの話にしてね」って指示できるように作るんです。これって1980年代の『SF3D』連載時に編集担当の市村君にストーリーを考えてもらうために作ってた時と同じやり方なんですよね。今回は「かつてキュスターが奪った拠点を今度はカングールが守りに回る」という占領から防衛に変わる緊張感が出せたらいいなと思ってカングールを配置してみました。このカングールは『SF3D』時代に存在しなかったデザインです。つまりカングールが出る頃は戦争が終わりに近づいている。戦争末期の兵器の必死さみたいなものを出すにはおかしな言い方ですが「廃墟」が映えます。
 そして1/35サイズのキットを塗装するときのコツみたいなものを解説していきますね。それにはまず飛行機モデラーの話を少し。今から50年前は飛行機プラモがプラモデルの花形のような時代でした。まるで飛行機モデラーが模型界を支配しているかのような時代。塗装に関しても「実機がどうのこうの」とどうやったら本物に近づけることができるかという涙ぐましい努力を業界一体となって頑張っていました。そして飛行機模型の塗装にもスケールエフェクト(空気遠近法)という考え方をうまく当てはめて、小スケールになればなるほど遠くに見えるように彩度を下げ、くすませて塗装することに躍起になっていたものでした。1/72の飛行機は1mの距離で見た時、72m先に置いた時と同じ見えるように塗ればいいという理論だった。確かに少しグレイッシュな塗装をすると渋くてかっこよく見えたものでした。しかしいつまでも72mも離れているのはおかしいなと気づき始めた頃にAFVモデラーが1/72や1/48の戦車を徹底的に作り込んで目の前で見たような鮮やかな色で塗装しだしたんです。MAXさんのパーシングはまさにそんな塗装ですよね。実はスケールエフェクトをあまり気にせず色の情報量を詰め込めばかっこいい模型が作れるぞ! 丁寧に細かいところにも情報を入れていけば小さな模型でもかっこよくなるぞ!! という結論に到達してしまいました。
 実はこれってマテリアルが進化したことが大きく関係していて、接着剤や塗料、デカール、筆などの性能が驚くほど進化していたのです。なんと老眼になって初めてルーペを使うことで若い時に見えていないものが見えるんだよ! これらのおかげで作る模型を自分の理想的な落としどころに持っていける。さらに言うと1/35や1/72といったスケールは実はそれほど関係なくてキットそのもののサイズが問題なんです。絵画だって部分を拡大すると粗いタッチになってるでしょ。同じ面積に情報量をいかに多く残すかが大事。単調なのがダメなんですよ。細かい筆でいろんなタッチで塗って情報量を残していくには絵を上手に描けるようになるのが近道だから、そして丁寧過ぎるとタッチが消えてなくなるので7割塗ったらデカール貼るくらいでいきましょう。毎回で申し訳ないけどプラモデルは立体に絵を描くような感覚で塗装する遊びなんだよ。(横山宏)

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット

シュトラール軍多目的大型装甲戦闘服 カングール

製作・文/横山宏

ARTPLA カングール2機セット&整備兵
●発売元/海洋堂●価格未定、3月予定●1/35、約10cm●プラキット●原型/FUJIYAMA ARTS BROTHERS(カングール)、村井太郎(整備兵)

次ページ──ヴィネット仕立ての“ファイナルフント”

© Kow Yokoyama 2025

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MAX渡辺/横山宏

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