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『Ma.K』海洋堂1/35キュスターを大特集! 斑点迷彩機&成型色を入れ替えた2機を横山宏が製作

2023.07.08

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2023年8月号(6月23日発売)

全高10cm 1/35キュスターを徹底解剖!!

 今回は海洋堂1/35キュスター特集! 1/35キュスターは異なる成型色の2体セットで販売され、良好なプロポーションと可動を極力排した仕様が特徴。全高は約10cmで1/35ならではの組みやすさも重視した好キットに仕上がっている。
 横山宏はキュスターを通算5体製作。月刊ホビージャパン初掲載の斑点迷彩機や限定版の異なる成型色を活かして組んだ未塗装の2機などを紹介する。さらにパッケージアートのモチーフや製作時のポイントも掲載。1/35キュスターをあらゆる角度から楽しんでほしい。

Ma.K. in SF3D  1/35キュスター8体とパッケージの集合画像

シュトラール軍 無人強襲偵察用二足歩行戦車 キュスター 製作/横山宏

 1/35キュスター 全体画像1
▲横山氏の通算3体目の1/35キュスター。これまでと異なる目のデカールの位置に注目
 1/35キュスター 全体画像2
▲二足歩行戦車の名にふさわしいフォルム。筆塗りによる迷彩塗装が重厚感を生む
 1/35キュスター 全体画像3
▲クレーテ系の魅力でもある剥き出しの機関部。1/35というスケールを感じさせない仕上りだ
 1/35キュスター2体とランナー
▲特別カラー版(限定商品)のダークシーグレーとスカイの成型色を活かして同時進行で組み上げた2体
 1/35キュスターの頭部アップ画像
▲粗いタッチの斑点迷彩はインパクト絶大。目のデカールとあいまって凶暴な生物のようにも見える
 1/35キュスター 全体画像4
▲ファレホの地面テクスチャーペーストを塗ったベースに固定。デカールはキット付属のものを使用した
 1/35キュスター 全体画像5
▲キットを組むには模型用接着剤が必要。脚部の付け根以外の関節は固定式となっている
 1/35キュスター 側面のアップ画像
▲砲塔は旋回可能。左右に振ることで機関部上面のディテールが見える
 2体の 1/35キュスター 全体画像1
 2体の 1/35キュスター 全体画像2

▲ダークシーグレーとスカイの2色を掛け合わせた2体はスタイリッシュな印象(この特別カラーVer.は海洋堂直営店と海洋堂オンラインストア限定商品で販売終了となる場合があります)

 2体の 1/35キュスター 全体画像3
 2体の 1/35キュスター 全体画像4

▲月刊ホビージャパン2023年6月号にも掲載した横山氏のキュスター1体目と2体目。2体同時製作で製品版のデカールが間に合わず、ハセガワ1/35ナッツロッカーなどのデカールを使用
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 2体の 1/35キュスターの足元にいる戦士兵
▲同スケールの1/35フィギュアはタミヤ戦車兵の改造とエディ・アムゼルのボディに“横山ヘッド”を付けたもの。シュールな組み合わせだ
1/35キュスター パッケージ
1/35キュスター パッケージシール

▲キットのパッケージ。成型色の異なる2体セットを明示したデザインだ。色違いの限定版にはシールが貼られている

 3体の 1/35キュスター 全体画像1
▲土井眞一氏によるパッケージ作例(写真左、中央)。脚の角度を変えるなど小改造を施し、強めのウェザリングで仕上げている。朽ちた機体も同じタイミングで製作した
▲1/35キュスター製品化に際し、マッチボックスのビンテージキットの多色成型やパッケージデザインなどがイメージソースとなった
▲3色成型を色で示したデザインは1/35キュスターに踏襲された
 3体の 1/35キュスター 全体画像2
▲朽ちたキュスターの表面処理や脚部の角度を変える際のサスペンション部の延長、砲塔上部のレーダーアンテナも上に伸ばすなど各所に手が加えられている
1/35キュスター ランナー
▲1/35キュスター通常版の成型色はダークグリーンとダークアース。特別版同様、マッチボックスのキットの成型色をオマージュしたもの。接着剤を使用する基本的に固定式のキットで、パーツ分割も既存の日東キットのランナーと異なる箇所が少なくない
1/35キュスター ランナー2
▲通常版(写真左側)と限定版(右側)の成型色。往年のキットを思い起こす味わい深い色だ
▲今ではなかなかお目にかかれないマッチボックスのフラットで太いランナーもキュスターに受け継がれた
MAX渡辺 横山宏 KATOOOのスリーショット
▲キュスターをバックにMAX渡辺、横山宏、KATOOOが記念撮影!
ステンレスの入れ物に入っているパーツの画像
▲「ステンレスのバットにパーツを入れて2個同時に組みました。軽いトレイだとちょっとぶつかると吹っ飛んじゃうんだよね」(横山)
砲塔部分のキットの画像
▲日東キットで組みづらかった砲塔内部が上下分割で解消された
パーツにコードをつないでいる画像
▲本体接着前にスモークディスチャージャーにエナメル線のコードを取り付ける
パーツの曲がっている部分を買っといた画像
カットしたパーツを組み立てている画像

▲「40年前のオリジナルクレーテ完成直後の曲がっていないフックに戻しました」

屋外で撮った1/35キュスター2体の完成画像
▲組み上がったら屋外で撮影。未塗装でも充分見ごたえのあるものに

 海洋堂の1/35キュスターはこれまで3体塗装しましたが、今回は組み立てからやってみました。これまで海洋堂のスタッフに組んでもらったテストショットに塗装をするという段取りでした。今回は成型色がダークシーグレーとスカイの限定カラーのほうを、色を入れ替えて2体同時に組みました。
 未塗装で2体を組むのに9時間かかったけど、スモークディスチャージャーのコードの追加工作など余計な追加工作をしなければ8時間ほどで組み上がります。1体だったら5時間くらいかな? 2体同時だと2時間節約できます。結論から言うと、「このキット組み立て自体がヤバいくらいおもしろい!」です。なおかつ2体同時に作ると2個目はランナーのパーツもすぐ見つかるのでスイスイ組める。時間も短縮できます。谷明さんの原型による造形もすごくいいし、今まで40年ほど知っている1/20の大きさとは違うこのサイズは手に持った時に新しい発見がありますよ!
 インストやパッケージは水中ニーソで有名な古賀学さんに担当してもらいました。古賀さんは「月刊モデルグラフィックス」で架空のプラモデルをインスト化する連載をやってたこともあって、インストを単なる組み立て説明書以上のものに仕上げてくれました。とにかくとてもわかりやすい。今回オンラインで古賀さんと細かいところまでミーティングして新ジャンルを一緒に作ってるライブ感もすごかった。パッケージに使う色やフォント、中身の複数の成型色、ゴツくてフラットなランナーの形状などは往年のマッチボックスの飛行機キットへのオマージュです。組み立て途中や完成後塗らなくても楽しいキットができ上がりました。
 ここからは実際に組み立てて気づいたことを書いておきます。キュスターの一番の特徴であるスモークディスチャージャーにコードを付ける場合、インストの5と8のステップが終わったら後ろに穴をあけておくといいですよ。6のステップで砲塔後部にA-34のパーツを付ける時はグッと下に押し込みます。わしは1個目を押し込まないで付けてしまったので2個目を組んだ時に気づいて慌ててあとから押し込みました。19と20のステップで脚を組む時は、まず下の足底板を組んでおいて接着剤がきちんと乾いてから上の部分と繋げるといいよ。C-25とC-27の装甲はエッジが少し厚いのでフチを削っておくだけでカッコよくなった気分が味わえます。
 このキットは接着する前にもパーツがいいぐあいにハマってくれてポロッと落ちない。その組み心地がよくて流し込み接着剤をちょっと使うだけで組み上がっていくんですよ。砲塔が上下の分割でバルカン砲やシーカーをまずは下半分に接着してから上半分に接着するのが日東の1/20クレーテを使うキットと違うところ。異なる成型色で組むと砲塔の上下が別の色になって、組むのが一気におもしろくなります。砲塔の下のおなかみたいな部分が別パーツなのもおもしろいね。
 ランナー色違いで組むとワクワク感が全然違う。人間は明るい色と暗い色の差があるものに反応するんです。なので色彩心理学的にもこのダークシーグレーとスカイの2色で組むと集中力が出ますね。同じ色のパーツで組むと、どことどこを接着したのか接着した瞬間からそれがわからなくなるでしょ。色違いで組んでいくと接合面がいつまでも残って蓄積された自分の作業が見るだけでわかるのがおもしろいんですよ。それを意図して2体セットにしたわけじゃないけれど、塗装する前提で組む人もこのやり方で組んでいくと、パーツの境界線が2色で明示されて接合面もすぐにわかるし頑張った痕跡が見えるからやってみるといいですよ。
 ちなみにダークシーグレーとスカイの限定カラーバージョンは海洋堂の直営店と海洋堂オンラインストアで予約を受けていたけど、今回の撮影日の時点(23年6月上旬)でオンラインストアの予約は締め切られています。この記事が公開される頃には直営店での予約も終了となっている可能性があるけど、限定版を手に入れられた幸運な方はぜひこの2色で組み立ててみてね。もちろん通常版もグリーンとブラウンのミリタリーお約束カラーで2色ランナー色違い組みが楽しめます!
 順序が逆になりましたけど、通算3体目のキュスターは製品版のデカールを使って仕上げたものです。キュスターの特徴のスポット迷彩で塗ったものです。月刊ホビージャパン23年6月号に載った1体目と2体目のキュスターはテストショットでデカールが間に合わなかったのでハセガワの1/35ナッツロッカーなどのデカールを貼っています。この3体目には目玉のデカールを貼ったけど、目玉が付くと俄然キャラが立つね。スポット迷彩がいい感じでカッチョいいでしょ。第二次大戦後期のドイツの戦車のそれだよね。髙荷さんの名作ハンティングタイガーリモコン版パッケージアートを参考にします。“髙荷斑点”と言ってもいいかもしれません。
 このキットはほぼ無可動でフィギュアの延長上にある“自分で組むキャラクターフィギュア”のような側面がある。誰もが同じ完成度に到達できることは悪くないことだし、海洋堂がガチャーネンのスピリッツをそのままを引き継いで製品化したものなんですよ。まさに「ドーヤネン!」ですねん。

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット

シュトラール軍 無人強襲偵察用二足歩行戦車 キュスター

製作・文/横山宏

ARTPLA キュスター(2機セット)
●発売元/海洋堂●6600円、6月予定●1/35、全高約10.5cm●プラキット


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.118

シュトラール軍 無人強襲偵察用二足歩行戦車 キュスター

文/KATOOO(レインボウエッグ)

 キュスターはクレーテの新型機です。初出は月刊モデルグラフィックス1999年2月号。『SF3D』連載終了後の『Ma.K.』初の雑誌特集に作例が掲載されました。ノイスポッターの登場で旧式化したクレーテは戦闘用AIを更新し赤外線暗視装置やスモークディスチャージャー、新たなレーダーアンテナを備えた夜戦型にリニューアルされます。クレーテ同様、Kで始まるKÜSTER(ドイツ語で寺男)という名称になりましたが、横山先生によると、特段意味はなく、音の響きを重視して命名したそうです。
 夜戦型のキュスターは日中の運用も可能で、クレーテに代わって前線に復活したアップデート機という位置付けになります。横山先生にお話を伺うと、「みんなが知っているクレーテを少し変えて登場させたんです。実際の兵器もそうだけど、既存のものを利用して少しだけ変えたほうがいいんですよ。ドイツのタイガー戦車が夜戦もできるように付けた赤外線の照準器のまねなんだけど、バルカン砲のバレルも長距離を撃てるように少し延長してます。スモークディスチャージャーは『ロボットバトルV』でよく出してたから、マシーネンが復活した時に付けたいと思って最初に付けたのがキュスターなんですよ」と教えてくれました。
 キュスター製品の歴史を辿ると、2000年にモデルカステンからレジン製新規パーツ同梱キットが発売。2014年にウェーブからフルインジェクションのキュスター&フリードリッヒのセット、2020年にキュスター単品が販売されました。これまでのキュスターのマスプロダクト製品はすべて日東製クレーテを使用していましたが、23年6月に海洋堂から発売となる1/35キュスターは日東以外の新金型で初めてクレーテ系をプラキット化した製品に。フォルム、組み心地などポテンシャルが高く遊び心にあふれた好キットとなっています。40年もの長い間、一線で活躍してきた日東製1/20クレーテと、新設計され1/35スケールで登場した海洋堂のキュスター。新旧キットが交錯し共存する『Ma.K.』の奥深さを再認識する今日この頃です。


大好評!! Labubu×Ma.K.コラボフィギュア

 Labubu(ラブブ)と『Ma.K.』のコラボフィギュアが好評発売中。Snowmanの人気が特に高く、横山氏もお気に入りだという。ブラインドボックスの中にはミニカードが入っている。

▲S.A.F.S SnowmanとAusf.G Horizon。Snowmanの左目には涙のようなウェザリングが施されている

THE MONSTERS×横山宏 Ma.K.シリーズ

●発売元/POP MART●各1870円、発売中●約11cm●12ピース入りアソートボックス(22440円)も発売中


キチジョージ・モケイ展レポート

 23年6月10、11日に東京・吉祥寺の「ギャラリー永谷」で「キチジョージ・モケイ展IV」が開催された。“1983年”がテーマでロボットアニメや『Ma.K.』などから力作が集まった。

▲あま氏の1/10フリーゲとファイアボールSG
▲横山氏の1/72ハインケルHe111 H-20と1/48フォッケウルフFw190 A8/R2
▲横山氏は今回の1/35キュスターを展示

© Kow Yokoyama 2023 © Kow Yokoyama 2023 illustrated by Kasing Lung

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MAX渡辺/横山宏/KATOOO

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