【宇宙戦艦ヤマト メカニクス】第6回は「アスカ級補給母艦アスカ」!『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』にてヤマトなき状況で奮闘した補給母艦を徹底解説!
2025.04.12宇宙戦艦ヤマト メカニクス
『宇宙戦艦ヤマト2199』から『ヤマトよ永遠に REBEL3199』までのリブート版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する戦艦などのメカニックを解説する連載。第6回は『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』から登場し、グランドリバースの進行阻止作戦、その後の旧第65護衛隊のクルー回収、イカルス天文台へのクルー移送と、ヤマトなき状況で奮闘したアスカ級補給母艦アスカを徹底解説する。
解説/皆川ゆか
第6回:アスカ級補給母艦アスカ
● 諸元・性能
艦種:補給母艦
全長:278m
全高:98m
全幅:56.5m
主機:次元波動エンジン×1基
補機:ケルビンインパルスエンジン・2軸ノズル(艦尾複合ノズル)×2基
ケルビンインパルスエンジン・4軸ノズル(艦底複合ノズル)×1基
艦載艇・艦載機:艦種・機種、数は艦により異なる。
空間汎用輸送機SC97(コスモシーガル)、内火艇、コスモタイガーII、コスモパイソン、コスモハウンド(アスカのみ艦載可能)
● 砲熕兵器
30.5センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×2基
六連装大型エネルギー砲/(艦橋砲、司令塔最頂部)
四連装対艦グレネード投射機×2基/(艦首両舷)
小型魚雷発射管×4基/(艦首両舷)
中型魚雷発射管×8門/(艦首両舷)
ミサイル発射管×8門/(艦底)
短魚雷発射管×12門/(両舷)
多連装ミサイル発射機×12基/(両舷)
司令塔防護ショックフィールド砲×3基/(司令塔前部および基部両舷)
近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基/(司令塔基部)
対空パルスレーザー砲塔×4基/(司令塔および基部)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×3基(司令塔後方1、基部後方2)
多目的ランチャー(波動防壁弾)×6基/(両舷)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×2基/(艦尾両舷)
波動防壁弾
波動防壁弾は「網」状の導伝索を展開。内部に搭載された波動コイルが導伝索に波動防壁を展開する。エネルギーは弾体内の簡易波動炉心から供給され、活性波動共鳴波によって起動される。
活性波動共鳴波
活性波動共鳴波は波動実験艦・銀河でのコスモリバース研究の成果であり、この照射により、対象艦の波動エンジン炉心内の余剰次元の展開を促進し、出力とエネルギーを回復させる。これと反対に、波動共鳴機雷原で使用される抑性波動共鳴波は展開を抑制し、波動エンジンを停止させる。
姉妹艦
2207年10月のグランドリバース阻止作戦にはアスカのほか、補給母艦型のオウミ、エルベ、強襲揚陸艦型のバンクーバー、マミヤ、アムンゼン、コロッサスが投入された。この段階では補給母艦型各艦の塗装変更は実施されておらず、艦首はアスカ同様のオレンジ色となっている。
アスカ級補給母艦は、2204年の第四次防衛計画のもと、銀河系内外への長期航海が可能な高速戦闘補給艦として構想された。
ガトランティス戦役終結後に時間断層の放棄が決定されるまで、時間断層内の工廠では無人型のドレッドノート級主力戦艦が製造され続けた。第四次防衛計画で軍拡路線が否定され、「地球の規模に見合った軍備の最適化」を背景にドレッドノート級は有人システムへ改装され、建造途上にあった艦とともに再利用された。これらはドレッドノート改級と呼称される(識別番号末尾が2204年以降のものを改級とし、これ以前に就役した艦でも有人化改装が行われたものは再就役扱いとし、末尾を2204へ変更)。
このひとつが一番艦のアスカであり、建造途中にあったドレッドノート級を用途変更し、補給と防御を司る艦として建造された。なお、量産艦の建造にともない、艦級は「アスカ級」と制式化されたが、もともと軍組織内では「改級」という表記はされず、「ドレッドノート改アスカ級補給母艦 DAOE-01 “アスカ”」と表記されていた。
補給艦としてのアスカ級を特徴づけるのは、波動共鳴導波装置の搭載である。この装置は艦首と両舷の波動共鳴導波装置から活性波動共鳴波を照射することで、他の波動エンジン搭載艦の機関を賦活化させる機能を持つ。ただし、波動共鳴導波装置の設置により、艦首波動砲は廃止されたが、短期間での再搭載を可能とされている。
また、両舷の多目的ランチャーからは、通常の魚雷に加え、波動防壁弾(四式波動防壁展開弾)が発射される。防壁弾は船体を守る波動防壁を船外の任意の場所に展開し、盾として運用することを想定して開発された。なお、空母甲板設置にともない、後部甲板上の対空ミサイル・ランチャーは撤去されている。
一番艦アスカは補給機能に加え、指揮機能と強襲揚陸艦としての機能も試験的に盛り込まれた。後部着艦口はウェルドックとして機能し、扉は揚陸ランプとして使用可能となっている。2205年のイスカンダルへの親善航海時には永倉志織隊長率いる空間騎兵隊一個小隊が乗艦し、強襲揚陸機能を使用した。
量産計画の実施にあたっては、この機能を活かし、補給母艦型を基本としつつ、強襲揚陸艦型の建造も行われた。識別番号は奇数番号が補給母艦型、偶数番号が強襲揚陸艦型に割り振られている。なお、アスカは40m級の航宙機や宇宙艇の艦載を想定し、大きな格納スペースを持つが、量産型では廃止されている。
一番艦のアスカは実験艦のため低視認性塗装ではなく、艦首には警戒色のオレンジ色が施された。初期の補給母艦型各艦も同様の塗装であるが、量産計画の実戦段階移行にともない、艦首をクリームイエローに塗り替える予定となっている。アスカも同様の塗色とされるはずだったが、正規の指揮系統を離れたため見送られている。
アスカ級は第四次防衛計画実施後に量産された新世代艦のひとつであり、波動砲艦隊計画とは異なる艦隊運用の試みと位置づけられよう。
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