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肉食恐鳥類のようなオリジナルSFメカ「ブルートル・テック社製 アサルトレッグAhN.125“ティレニス”」大森記詩スクラッチ作品連載【MIXINGSCAPE】

2025.04.09

MIXINGSCAPE/ブルートル・テック社製 アサルトレッグAhN.125“ティレニス”【スクラッチビルド 1/16】●大森記詩 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”

MIXINGSCAPE No.016

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。今回も多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々をお楽しみいただきたい。


ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”右側面

 ロス・ヘルモス社とブルートル・テック社は、各種歩行式有人作業機を準自律化する制御系ソフトウェアの実用化と、これに既存機体のリンクを可能とする改修キットの供給で大きな実績を挙げてきた。両社は提携を深めていくなかで、主に紛争地域での稼働率と作業機に対する現地改造の実状、なかでも自衛用火器の搭載、追加装甲による生存率の変化などの運用データを収集し、これを反映させた紛争地域用強化パッケージと二脚式歩行戦車の共同研究を推進する。こうした過程で開発されたアサルトレッグは、戦闘行動に最適化された自律行動能力と機体サイズ、ロス・ヘルモス社の作業機で培われてきた良好な整備性といった堅実な性能と、高い生産性から陣営と非正規を問わず普及していった。
 “ティレニス”は、コントーラ軍事部門の次期主力機であるハーレンといったリッパーの配備が進むなかで、装備の共通化とリンクシステムを更新したアップグレードバージョンである。当初はリッパーの配備数が充足するまでの随伴機、ウェポンステーションという運用が想定されていた本機であったが、向上した機体間リンク能力を用いた指揮ユニットとして、旧型のアサルトレッグを統率しながら敵の浸透機を駆逐するといった任務にも用いられるなど、その機体フォルムから連想される肉食恐鳥類の名に相応しい活躍を示した。

ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”頭部アップ
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”背面アップ

ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中1
▲脚部付け根の関節を増やして可動域を広めにとることで、機敏に動けそうなスタイルの芯棒を組みます。地形対応能力と、転倒した際の復元性も向上するのでは!などと想像しつつ、動かしながらイメージを膨らませていきました
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中2
▲コードも這わせるなどして密度感を出します。さらに、外側に太めのコードも付けていますが、カバーされた部位とまた別の軟質かつ曲線の記号となって、より可動しそうな印象になってくれました
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中3
▲武装は弾倉ではなく頭部側からの給弾ベルト式にしました。部分連結になっている戦車の履帯を流用していますが、一体型のため曲げながら使えて加工が容易です。小さな短冊状にカットしたプラ板を2列の履帯ではさんで厚みを出しています
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中4
▲頭部と胴体に合わせて脚部のバランスをとっていきますが、スラっとしたところは維持しつつ、しかし貧弱ではないようにしたかったので、ここは量ではなく面をつけることで調整しています
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中5
▲各所にヘリコプターに付いているワイヤーカッターを参考にしながら、機体にワイヤーが絡まらないように誘導して切断するデフレクターをつけました。頭部は密度一辺倒にならないよう意識して曲面を作りつつ、鳥の頭骨のような構成となっています
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中6
▲機体前部に対してカウンターウェイトにもなっているパワーパックへの繋がり方は、完全に面として一体化させてしまうと今度は重々しくなって脚部との相性が良くないので、ここではブリッジで補強されている構造にして緩急になる谷状の入り込みと抜けを作っています
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”製作途中7
▲各所のワイヤーカッターに加えてスモークディスチャージャーも付けていますが、頭部は詰め込み過ぎになりそうなので、シルエット上のワンポイントとして両脚上部としています。可動域とその取り回しを確保するために脚部の位置関係が広めになっていますが、その可動域を活用して脚を逆ハの字で内側に向けておさめたポージングにしてみました
ブルートル・テック社製-アサルトレッグAhN.125“ティレニス”

1/16スケール スクラッチビルド

ブルートル・テック社製 アサルトレッグAhN.125“ティレニス”

製作・文/大森記詩

全高31cm×全福20cm×奥行19cm


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