HOME記事キャラクターモデルファルケの内部メカ、ついに明かされる——横山宏&MAX渡辺、“いつか完成させる”を、いまやる。時短のコツも伝授します!【Ma.K in SF3D】

ファルケの内部メカ、ついに明かされる——横山宏&MAX渡辺、“いつか完成させる”を、いまやる。時短のコツも伝授します!【Ma.K in SF3D】

2025.04.16

Ma.K. in SF3D【ハセガワ】 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

作りかけのまま止まっていた模型を仕上げる

 今回はMAX渡辺と横山宏が“特にアイテムを決めずに好きなものを作って持参する”特集! 横山宏は月刊ホビージャパン2022年3月号に掲載されたハセガワ1/20ファルケの内部構造再現モデルを3年越しに完成させ、MK44新バリエーション機ゴールドナイトも製作。MAX渡辺は2013年に下地のレインボウ塗りまで済ませて止まっていたヘキサモデル製1/20オスカルR6を12年越しに仕上げた。
 読者のみなさんもこれを機に作りかけで止まっている『Ma.K.』キットを完成させてみるのはいかがだろう。


傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 内部構造再現モデル 重装甲戦闘服 MK44G-6 ゴールドナイト 製作/横山宏

▲月刊ホビージャパン2022年3月号に掲載された未塗装状態から3年越しに追加工作を施して完成した内部構造再現モデル。ブルーグレーの本体色と機体内部色のコントラストが美しい
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▲ブリックワークス製「傭兵軍女性パイロット」のボディに「リフレッシュガール~裸足の季節」の髪をボブカットした頭部を接合。「商品化希望じゃ!」(横山)
▲一部のパネルは真鍮線接続で開放状態にすることが可能
▲F1マシンやスピットファイアの内部構造を参考にチューブ類を塗り分けた
▲左のダイブブレーキはランナーと真鍮線で折り畳んだ状態に改造した
▲パネルの裏側に細く切ったプラ板を貼ってリブにした
▲ミキシングフィギュアはピジョンのパイロットで整備中の反重力戦闘機を初めて間近で見たという設定を横山氏が考案
▲ウェザリングカラーで使い込まれた感のある汚しを施した
▲合わせ目は光硬化パテを埋めて整えた
▲整備時にゆるみ防止のためネジ頭は黄色く塗っている
▲接着面が小さくても光硬化パテ×UVライトで瞬時に硬化
▲ボンディックのUVライト

▲Pカッターや職人堅気のハイパーカットソーでパネルを切断

▲横山氏によるゴールドナイトのキット完成見本
▲宇宙用のゴーストナイトと同形状の後部バルジとスマートガンを持つゴールドナイト。フェイスマスクから背面まで続く白いラインとフチの金色が印象的
▲パイロットのヘルメットにも白いラインに金のフチが。金色のスペードを筆で描いている
▲40年以上のお付き合い! 本松カメラマンと記念撮影

 昨今のマシーネン界隈では1/35の新製品が続いたこともあって今回は共通のアイテムを決めずにそれぞれの好きな1/20のキットを作ることになりました。ということで今回は内部構造を作ったままで塗装せず放置していたハセガワのファルケ(月刊ホビージャパン2022年3月号掲載)を完成させることにします。「わしが今完成させておかないとファルケの内部は永遠の謎で終わってしまうぞ!」なんてことを今さら(デザインしてから42年過ぎました!)思ってしまったのでした。1/35ファルケでスタビライザーの折りたたみ方法も発明したしね。本当のきっかけは最近は使いやすいマテリアルやツールが簡単に手に入るので難しい改造も可能になったからですけどね。
 ファルケのパネルを切り離すにあたっては「職人堅気」のハイパーカットソーを使って切り離したりモールドの溝に沿ってPカッターで彫ってパキッと折ったりしていきます。薄い刃のエッチングソーをプラ板ではさんだ工具も必要に応じて自作していきます。反重力装置の外周は折れたドリルを研いだニードルなどで何度もなぞるとうまく切り離せるよ。
 今回エアブラシを使って塗装したのですが「時短」という目的が一番の理由です。筆塗装のほうが楽しくていろんな効果も出るけどエアブラシはとにかく広範囲を短時間で塗装できる! そして今回のような入り組んだところなど筆が届かないところも簡単に塗装できる。わしはエアブラシを吹く時は必ずゴム手袋をして有機溶剤用防塵マスクを着けます。長生きしてできるだけプラモデルを完成させたいからです。また、平たいマドラーを曲げて作ったスプーンも片手で塗料をすくえるので重宝します。ファルケの機体内部色は各国のレシプロ戦闘機のイメージをミックスしたような塗料を吹いたけど、すごくいい色でしょ。
 Pinterestで検索したタミヤ1/32スピットファイアのマーリンエンジンの画像を参考にファルケ内部のチューブは高圧オイルが流れる設定で銀やカッパーを筆塗りします。内部構造はチューブがゴムホースじゃなくて金属パイプだったりするのも大事なポイントです。続いてPinterestでブルーグレーに塗ったいい感じのファルケの作例を発見! 画面を見て本体色を作り筆塗りします。使ったキットは成型色が銀なので多少の塗り残しがあっても全然オーケー。
 塗り始めてから本体後部の合わせ目を何使って埋めるかを考え始める始末。引き出し漁ってたら大昔に買ったタミヤの光硬化パテを発見! 食うことはないけど「賞味期限が切れてたらどうしよう。えいっ! ままよ」って使ってみたらこれが大正解! UVライトを使うと一瞬で硬化してサクサクと削れるじゃありませんか!(目に紫外線が入らないよう注意しようね)このパテの発売時にはUVライトなんて便利なものが普及してない時代だったので「蛍光灯じゃなかなか硬化しないよぉ」なんてこともあったようですが、今これを使わないのは工作時間の大いなる損失だね! ビバUV!!
 外装パネルを留めるための細い曲がったフレームを追加工作します。プラ板を2枚重ねると曲げても折れにくいものになりますよ。内部構造を作って大満足して放置したまま3年が過ぎたけど、この機体内部の構造が今後のオフィシャルになることは間違いないって気持ちで完成させました。そして何よりファルケの反重力装置から今回のフォトストーリーの原案を思いついたのもいいでしょ。
 なんと今回はもう1体作例ありますよ。ハセガワの新製品ゴールドナイトです。2021年に既存製品を勝手に作者自身が改造して宇宙用のゴーストナイトのオリジナルを作った時にその地上型も作っていて、その地上型が今回めでたくキットになって発売されます。色の名前で「ゴールデンナイト」って提案してみたけど夜の新宿みたいなので「ゴールドナイト」に落ち着きました。製品には特色で金のラインのデカールを入れる予定なので製品を楽しみにしてください。(横山宏)

ハセガワ 1/20スケール プラスチックキット ファルケ改造

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 内部構造再現モデル

製作・文/横山宏

反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ
●発売元/ハセガワ●6820円、発売中●1/20、約28cm●プラキット

ハセガワ1/20スケール プラスチックキット

重装甲戦闘服 MK44G-6 ゴールドナイト

製作・文/横山宏

MK44G-6 ゴールドナイト
●発売元/ハセガワ●6160円、5月下旬予定●1/20、約13cm●プラキット

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© Kow Yokoyama 2025

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