HOME記事工具・マテリアルメタリック塗料は“エアブラシ”でこそ輝く!3系統の「シルバー塗装」を使いこなすポイントを解説!

メタリック塗料は“エアブラシ”でこそ輝く!3系統の「シルバー塗装」を使いこなすポイントを解説!

2025.04.12

「メタリック塗料」&「パール塗料」を使いこなそう 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

メタリックの大定番「シルバー塗装」のコツ

 定番の「シルバー塗装」をご紹介。現在のシルバー塗料は主に粒子がキラキラする「キラキラ系」、鈍い金属光沢を持つ本物の金属のような「ピカピカ系」、本物のメッキ加工の様に見える「メッキ調塗料」の3系統に分かれる。それぞれの塗り方や特徴をご紹介していく。


1.キラキラ系「ガイアノーツ スターブライトシルバー」

メタリックマスターを準備

▲粒子がキラキラする系のシルバーの代表である「ガイアノーツ スターブライトシルバー」を使用してご紹介。メタリックカラーのポイントのひとつは希釈。溶剤もガイアノーツのメタリックマスターの様な乾燥の早いものを用意。乾燥が早いことで粒子がより早く固定されるので、均一な塗面となり輝きも増す。溶剤の希釈率を3~4倍にし、薄く重ね吹きしていく

プラ地に直接塗る

▲メタリックカラーの特性として、隠蔽力の高さが挙げられる。まずは、まったく下地塗装をしていない、プラ地のままの状態のパーツに吹き付けてみる

プラの色を隠蔽してキラキラと輝く

▲塗装した状態。下地はまったく未処理でも、ここまで美しい金属光沢となる。金属粒子もキラキラと輝いてキャラクターモデルのアクセントにぴったりなシルバーだ。メタリックカラーの金属粒子は不透明で光の遮断力も反射率も高いため、極めて隠蔽力が高く、プラの色も覆い隠してくれる

黒下地を吹いてみよう

▲メタリックカラーにより輝きと重さを与えてくれるのが黒下地。黒が余分な可視光を吸収するため、金属粒子の反射がより際立つようになるのだ。下地の黒は「光沢」を使おう。ガイアノーツのアルティメットブラックを吹き付けた

重厚感ある銀

▲黒下地で塗装した状態。光の反射率が上がり、黒でコートしたことで透けも無くなったので、より金属の塊のような重厚感あふれる仕上がりとなった。あえて下の黒を透かし気味にしてグラデーション塗装すると、さらに重厚感を強調できる

メタリック塗装に傷は厳禁!

▲メタリック塗装すると、パーツの傷がとても目立つ。表面をしっかりときれいに整形し、パーツをツルツルに磨いてから塗装すると、より美しい輝きに仕上がる

2.ピカピカ系「GSIクレオス スーパーファインシルバー2」

まるで本物の金属のような輝きに

▲さきほどのキラキラ系よりも金属粒子が小さく、粒々感が少ないのがピカピカ系。輝度が非常に高く、ソリッドな輝きが強調されるシルバーだ。その代表がこの「Mr.カラースーパーメタリックシリーズ スーパーファインシルバー2」

GGXブラックを下地に

▲ソリッド系のシルバーは黒下地と特に相性がいい。下地には、GSIクレオス最新の光沢ブラックである、「GGXブラック」を塗装し、グロスブラックの下地を作った

粒子感が少ない

▲粒子が細かいため、キラキラ光るというよりも“ピカピカな金属”という仕上がりになる。メタリックカラーは粒子の違いで表現が異なるため、使い分けるとより塗装が楽しくなること間違いなし!

一目で変わるシルバー塗料の魅力

 シルバーは隠蔽力も高く、展示会などで見ても一目で成型色ではないと分かる、そんなキラキラ感を楽しめる。キラキラ系とピカピカ系は基本塗装ポイントは同じだが、仕上がりは大きく変わるので上手く使い分けていこう。ラッカー系塗料のメタリックは塗膜も強く安定しており、可動部分が多いキャラクターモデルにも安心して使えるのが嬉しいところ。最初は無理に表面処理や下地塗装などをせず、プラモのパーツにそのまま塗ってみよう。金型から成型されたそのままのパーツ表面は適度な光沢があり、ヤスリがけするよりむしろきれいに仕上がることがあるので、気負わずにメタリック塗料を気軽に吹いてみよう。


3.憧れの「メッキ調塗装」が身近になったガイアノーツ プレミアムミラークローム

 鏡面の輝きが得られるメッキ調塗料は、現在大人気な塗料のひとつ。こちらは先ほどのシルバーとは塗り方が少々異なっているので、ポイントを押さえて見ていこう。

希釈しない! しっかり撹拌

▲ガイアノーツのプレミアムミラークロームを使用。メッキ調塗装においても多くの人から支持を集める塗料だ。基本、メッキ調塗料はエアブラシでそのまま塗装可能な濃度に希釈済みであることが多い。金属粒子が重く、下に沈んでいるので、しっかりと撹拌してから使おう

優しくふわっと塗る

▲メッキ調塗料は、エア圧を弱めにして塗る。ふわっと振りかける様なイメージだ

鏡面のような光沢

▲塗装した状態。鏡の様に光る、美しい鏡面光沢となった。よく混ぜる、エア圧を低くする、ふわっと優しく被せるように吹くを守れば、多くの人がこのようなメッキ調仕上げを楽しめる

×メッキ調塗料の主な失敗例

下地がきれいに整っていない

下地の黒がきれいに塗れていそうでも……

▲メッキ調塗料はプラスプーンのようなツルツルピカピカの面に塗ると簡単に輝く。しかし、プラモのパーツのように凹凸があり、さらに工作を重ねて表面に細かな傷があったり、下地に吹いた黒の塗面が平滑でなかったりすると鏡面仕上げのハードルが一気に上がる

普通のシルバー塗装の様になった

▲黒の下地塗装が平滑でない、もしくは下地の乾燥時間が足りていないと鏡面の様にならない。黒下地からメッキ調塗料を吹く時はツルツルの光沢ブラックにして、完全乾燥させてから塗るように心がけよう。プラ地に吹く時は、ヤスリを高番手までかけて表面をピカピカにしておくこと

吹きすぎた

圧塗りの状態

▲よくある失敗例。しっかりと塗り込もうとして厚塗りになると、光沢感のないシルバーになる。ふわっと吹き付けて、ミラーの様な輝きが現れたところで止めるようにしよう

プラモのパーツに吹く時に心がけること

 メッキ調塗料でスプーンをきれいに塗装するのは意外と簡単。しかしプラモのパーツとなると、さまざまな条件が絡んでくる。プラ地をきれいに磨く、下地をピカピカのグロスブラックにする場合は平滑に処理しておくことと完全乾燥を心がけ、優しくふわっと被せるように吹き付ける。このポイントをしっかりと頭に入れて塗装にチャレンジしよう。最初は失敗するかもしれないが、きれいに塗れた時の感動はひとしお。思い立ったらすぐにチャレンジしてみよう!


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ⒸKow Yokoyama2024

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