HOME記事イベント田口清隆、手塚昌明ら豪華ゲスト登壇「調布特撮大戦2025」in映画のまち調布シネマフェスティバル2025 レポート!

田口清隆、手塚昌明ら豪華ゲスト登壇「調布特撮大戦2025」in映画のまち調布シネマフェスティバル2025 レポート!

2025.03.11

 今年で7回目となる「調布シネマフェスティバル」が2月7日から3月2日まで東京都調布市で開催された。
 「映画のまち調布」をテーマに掲げたこの映画祭は、撮影所も近く映画の作り手が多く住む調布の特徴を活かし、毎回豪華なゲストや貴重な展示で充実したイベントとなっている。
 今回も日本映画人気投票の上位作品上映(1位は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』)や、セレクション上映や親子映画上映会、調布市と友好のあるケベック州関連作品上映など20本以上の映画が上映されたが、注目は「調布特撮大戦2025」と謳われた特集上映だ。
 2月11日には昨年惜しくも逝去した村瀬継蔵総監督の『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』を上映、2回の上映に6名のゲストが登壇し監督との思い出を語った。3月1日には調布にスタジオを構える株式会社白組の特集として『ジュブナイル』を上映。デザイン画やプロップも展示され、上映後には安藤親広プロデューサーのアフタートークが告知されていたが、急遽山崎貴監督も登壇。会場は大盛り上がりとなった。

 同日の「調布vs田口清隆<大怪獣大暴れまつり>」では、調布市在住の田口清隆が監督した『ウルトラマンZ』第1話、『ウルトラマンブレーザー』第1話、『大怪獣映画 G』の音声吹替えなしのオリジナルバージョンを上映。3本とも調布を舞台に撮影され、時代ごとの街の移り変わりも楽しめるという本映画祭にぴったりのセレクションだ。
 各作品上映後にトークを挟み、ゲストに『ウルトラマンブレーザー』に出演した山田姫奈、内藤好美も参加。田口監督は「『ブレーザー』の第1話はテレビで観ることを考えず、スクリーンを想定して撮った」と語る。その言葉通りの、大画面で見てなお迫力のある密度の高い特撮シーンは圧巻。満員の観客も大興奮だった。

 映画祭を締めくくる3月2日には『ゴジラ』(1954年)の上映。調布市在住で、著書『ゴジラ×市川崑 1977~2006の現場』を上梓した手塚昌明監督と、『ゴジラ』をはじめとする東宝特撮映画のフィルム修復を手がけてきた清水俊文が登壇した。
 司会の「『ゴジラ』を30回以上観た方!」という声に元気に手を挙げる特撮マニアの2人。『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』を始めとする監督作で、初代ゴジラから直接つながる世界でのゴジラを描いた手塚は「『ゴジラ』は100回以上観ました」と、その原点にして完成された魅力を語る。
 『ゴジラ-1.0』の上映では、映画の作り手へ贈られる「映画のまち調布賞」録音賞を受賞した竹内久史、編集賞を受賞した宮島竜治によるトークも行われ、調布シネマフェスティバルならではの、作り手に焦点をあてた豪華上映を締めくくった。

 また、開催中は貴重な展示も行われた。『ジュブナイル』『ゴジラ-1.0』などの白組関係の展示、田口清隆の少年時代から現在にかけての作品資料、『大怪獣映画 G』の着ぐるみ・ロボとガラエモンが戦うミニチュアセット、『カミノフデ』ゴランザの着ぐるみと盛りだくさん。
 協賛施設などから提供された映画のポスターや台本も展示され、中には『ゴジラ』のピクトリアスケッチや、『獣人雪男』の画コンテなど驚きの資料も。『ゴジラ』の「平和への祈り」を歌うシーンが撮影された桐朋女子からは、大講堂の写真や当時の教務日誌が提供され、あの名シーンが9月24日の13:30から撮影されたことがはっきり分かる。見ごたえのある展示に来場者も興味をひかれていた。

 立ち寄った人々が興味を持てるような体験コーナーから、映画の技術や舞台裏を深く知ることができる展示まで、映画の魅力を余すところなく楽しめる調布シネマフェスティバル。来年もぜひ期待したい。

▲ 『ゴジラ-1.0』の機雷
▲ ミニチュアを本物の街並みのように撮影できる体験コーナー
▲ 『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』ゴランザ着ぐるみ
▲ 『ジュブナイル』プロップ、画コンテ
▲ 『ジュブナイル』テトラデザイン画
▲ 田口清隆少年時代の作品資料
▲ 『大怪獣映画 G』脚本、画コンテ
▲ 『ウルトラマンZ』『ウルトラマンブレーザー』画コンテ
▲ 『大怪獣映画 G』のロボとガラエモン着ぐるみ
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