HOME記事キャラクターモデル月面用P.K.A.「アイスムジーク」が初のプラキット化!横山宏&MAX渡辺がキットの魅力を余すところなく活かし重厚に製作

月面用P.K.A.「アイスムジーク」が初のプラキット化!横山宏&MAX渡辺がキットの魅力を余すところなく活かし重厚に製作

2025.03.17

Ma.K. in SF3D【ウェーブ 1/20】 月刊ホビージャパン2025年4月号(2月25日発売)

月面用P.K.A.初のプラキット化!!

 1999年にイラストが発表されたが、長い間キット化に恵まれなかった月面用P.K.A.。2024年10月の「全日本模型ホビーショー」で「アイスムジーク」という新名称とともにウェーブから1/20プラキットの発売が発表され、新旧ファンの間で大きな話題となったのは記憶に新しいところだ。
 今回はついに発売となるアイスムジークを特集! 横山宏は新規作例を含む2体、MAX渡辺はホワイト×オレンジの迷彩機を製作。ラインナップに加わった待望の新型機の魅力に迫る。

P.K.A. Ausf E アイスムジーク
●発売元/ウェーブ●4620円、2月下旬予定●1/20、約12cm●プラキット


シュトラール軍 装甲戦闘服 E型 アイスムジーク 製作/横山宏

▲グレー系の迷彩に黄色い識別帯が入った同部隊のアイスムジーク2機。新規作例となる右の3番機はボディ上部にグリーングレーのスポット迷彩が追加されている
▲月面で簡易装甲気密服が必要となり開発されたアイスムジーク。小型ロケットランチャーを携帯
▲空気再生循環システムを搭載し大型化した背面。月面用パワーパイプはシーリングされている
▲キャノピーは開閉が可能でヘルメットのバイザーも可動する。特徴的な形状のペリスコープで敵を探る設定だ
▲3番機は背面にもラフなタッチの斑点迷彩が見られる
▲2024年10月の全日本模型ホビーショーで初披露された5番機。テストショットなのでキャノピーは無色透明となっている
▲機体名になった「氷の音楽」をイメージしたキット付属のデカールを追加で貼った
▲︎P.K.A.H型ともっとも形状の異なるボディ後部。両側に円柱状のタンクが追加されたようなフォルムになっている
▲軸が回転し曲線切りに対応したデザインナイフでデカールを切り抜いた。「デカールはこのナイフを使って切ってます。慣れると手放せなくなるよ」(横山)
▲︎塗装前の素組み状態。クリアーパーツに色が付いている
▲ロケットランチャー。バイポッドを立てて置くこともできる

 1999年にB.D.で描いた月面用のP.K.A.がなんと四半世紀を経てプラキットになっての登場です。氷で作った楽器を氷点下の会場で演奏する映像を観て「氷の音楽会」を何かの機体名にしようと思っていました。月面の夜はマイナス173度にまで下がるようでP.K.A.が待ち伏せして戦う任務はまさに氷の演奏会にも通じるものがある。それで月面P.K.A.をキット化する際に氷の音楽をドイツ語にした「アイスムジーク」という名前に。その厳しい環境にもかかわらず響き的に美しい名前にしてみました。
 2024年10月の全日本模型ホビーショーで展示したのが5番の機体ですね。3番は今回のために新たに作ったものです。白い成型色が大昔のマテルの宇宙服トイみたいでかわいかったから塗らないで完成させようかとも思いましたが、結局撮影日の2日前から塗り始め、撮影前日という奇跡のタイミングでキットに入る製品版デカールをウェーブさんに届けてもらい無事完成となりました。2体作る時には同じ迷彩のカラーリングでも迷彩色の領域や識別帯の幅を変えたりパーソナルマークを変えたりとちょっとした違いを出せるのがおもしろいんです。なんせ40数年前にA.F.S.を作った時から「スーツは2体!」と決めていたくらいですから。今回5番機の背中に新規マークの凍ったト音記号も追加で貼っておいたので立派な「氷の音楽会」に仕上げることができました。
 新しく塗った機体の上部や背面にはグリーングレーの斑点迷彩を追加しています。この斑点はドイツ機で実際に施されていたもので、大きな斑点を追加したフォッケウルフD9の記録写真が残っています。シュトラール軍のスーツは大戦末期のドイツ機のような少しおかしな塗装とも親和性があるし、その時代のセンスでかっこよくなるんでやってみました。
 2体目を同じ部隊の設定で塗ると、フォトストーリーの原案も自然と浮かんできます。ベテランの軍曹が月面なのに突然キャノピーを開放して新人バディを驚かせるのを繰り返して楽しんでいます。今回はこのアイデアや軍曹のセリフなどをKATOOOさんに伝えて、フォトストーリーを仕上げてもらいました。前回の海洋堂の1/35カングールもそうだったけど、ストーリーを考えながら作ると作例が一段とドラマチックなものに仕上がります。このアイスムジーク2体も2025冬のワンフェスでウェーブさんのブースに展示したので会場で実物を見られた人はラッキーだったね。

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット

シュトラール軍 装甲戦闘服 E型 アイスムジーク

製作・文/横山宏


シュトラール軍 装甲戦闘服 E型 アイスムジーク 製作/MAX渡辺

▲ハナカマキリをイメージしたポップで味わい深いカラー
▲︎背部の曲面に大胆なタッチで筆塗りされたスプリンター迷彩が目を惹きつける。パーツの合わせ目は消さずにパネルラインに見立てた
▲月刊ホビージャパン2024年6月号掲載のMAX渡辺製作のP.K.A.H0。ボディの違いで全体の印象がだいぶ変わる
web記事はコチラ
▲側面はバブルキャノピーになっている
▲︎MAX渡辺、横山宏、KATOOOがそれぞれアイスムジークを持って記念撮影

■MOOK上梓♡「Ma.k in SF3D」ますます元気♪
 あっという間に一月が終わってしまい、2025年もさらに加速度ついてんなぁ~と、半ば呆れながら歳をとっていく模型芸人MAX渡辺です! 連載まとめ本も無事出版でき、『Ma.K.』絶好調ですね♪ KATOOOさんのフォトストーリー戦記が燃え過ぎてサイコー♡ みんな連載読んでるから「MOOKはパス!!」なんて言ってると大損するヨォ~♪ というわけで弊社新製品「1/20アイスムジーク」をウェーブシャチョー塗ります♪♪

■大好きアイスムジーク♡
 バンドデシネで見た時から大好きでした月面P.K.A.!! なんともシンプルなフォルム、泣きたくなるほど頼りない装備。こんな孤独で死にそうなミッション絶対イヤだ! って思ってました。今でもお断りですwww。ホントいいカタチに立体化してくれましたねぇ。バリエーションだけどある意味原点回帰。サイコー♡だな。
 横山センセのカラーリングで2機編隊の絵を作ろうかと画策したんですが、何か違うのを提示したほうがみなさんのヤル気にもつながるかと思い普段やらないカラーを採用してスプリンター迷彩を。あと、なんかイヤな予感もしたのね。案の定的中www。センセもうひとつ塗ってくるし。以前宇宙S.A.F.S.のバリエでユニコーンを塗った時(月刊ホビージャパン2017年4月号掲載、「Ma.K. in SF3D ARCHIVE」vol.5収録)、「ハナカマキリ」をイメージソースにして塗り分けてみたんだけど、アレを思い出して踏襲してみました。キャノピーのスモークオレンジともいいマッチングでなかなかの仕上がりかと満足しています♪

ウェーブ1/20スケール プラスチックキット

シュトラール軍 装甲戦闘服 E型 アイスムジーク

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介

© Kow Yokoyama 2025

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MAX渡辺/横山宏

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