「メカトロチューブ1号」を ”らしく” 仕上げる方法
2021.04.18 可愛らしいフォルムとカラーリング展開で、もはやホビージャンルのアイドル的なメカといっても過言ではない「メカトロウィーゴ」。その原点となる「メカトロチューブ1号」がハセガワからキット化された。ボリュームは違えども仕様は同社同スケールのメカトロウィーゴと酷似しており、手軽な組み味と色違い2セット分のパーツが同梱されているので、気兼ねなく模型遊びを楽しむことができる。
どちらかといえば使用感のあるリアルテイストが似合うメカトロチューブ1号。作例に施されたキット仕様を活かしたウェザリング方法を紹介するとともに、付属するフィギュアの仕上がり具合にも注目してほしい。
「ハセガワ メカトロチューブ1号」は、1/35スケールでの全高約10cmの手乗りサイズの架空の2足歩行ロボットです。「メカトロウィーゴ」をはじめとするメカトロシリーズの原点となるのがこの「メカトロチューブ1号」。2006年のワンダーフェスティバルで発表されて以降、1/12、1/20スケールのガレージキットとして販売されたそうです。ハセガワのウェブサイトでは小林さんによる「チューブ1号開発の経緯」のバックストーリーを観ることができます。
■ キット
メカモールドが施された可動フレームに、曲面主体の外装を被せる基本構造です。頭部と四肢の5ヵ所はポリキャップ受けのボールジョイントで広い可動範囲を持ちます。2体入りのキットはフレームと外装のランナーに分かれており、その名の通り「うすみどり」と「みどり」の成型色違いの2セット入りです。そのため、完成見本通りのツートーンだけでなく組み替えた色のバリエーションを楽しむことが可能です。
脚のスネ部の外装パーツには左右の区別がありませんが、そのほかの左右別外装パーツは裏にL、Rが表記してあるので後の組み立てに迷うことはないと思います。接着剤不要で組み立て可能ですが、今回は強度確保のため一部の関節を含めて接着しました。フィギュアは要接着です。
■ 塗装
外装から覗くメカフレームのチラリズム感が魅力と思えたので、彩色はメリハリの効いた感じを目指してみました。赤・黒は農業機械的発想からですが、結果ヒーロー感に溢れたロボットになりました。造形的に複雑なのでカラーリングはシンプルに赤、黒、ライトグレー、シルバーの4色です。ボールジョイントのポリキャップは塗料が乗りませんが、ボール部は塗装しても問題ないようです。
塗料は可動部が多く塗装剥げを避けるため、溶剤系アクリル(ラッカー)塗料とスミ入れにエナメル塗料を使用しました。工程はフレームの仕上げ後、外装を接着し合わせ目を消して仕上げています。外装のエアブラシ塗装の際、フレームのマスキングが少し面倒です。
■フィギュア
付属フィギュアは中部機械製作所の中部さくら令嬢。ちなみに「ちゅうぶ」ではなく「なかべ」とのこと。手足の接着は操縦姿勢をとるのに粘度の高い接着剤を使うか、0.5mm以下の真鍮線で軸打ちしたほうが調整しやすいと感じました。特に顔の向きを調整したい時は軸打ちするのがお勧めです。
塗装はファレホ筆塗りです。インジェクションキットとしては、目、鼻、口の造形がハッキリしているので塗りやすいと思います。
ハセガワ 1/35スケール プラスチックキット
メカトロチューブ1号
製作・文/菅原進哉
メカトロチューブ1号 No.01うすみどり&みどり/2体セット
●発売元/ハセガワ●2750円、発売中●1/35、約9.7cm●プラキット
© MODERHYTHM/Kazushi Kobayashi
菅原進哉(スガワラシンヤ)
繊細なフィギュア塗装仕上げがウリだが、理にかなった製作・塗装手順にも注目!!