HOME記事ガンダムHG グフ・カスタムを実在兵器から考察してAFVモデル風にディテールアップ!“本物らしさ”を追求するテクニック解説

HG グフ・カスタムを実在兵器から考察してAFVモデル風にディテールアップ!“本物らしさ”を追求するテクニック解説

2025.03.15

AFVモデル風ディテールアップで陸戦兵器感を強調! 月刊ホビージャパン2025年4月号(2月25日発売)

AFVモデル風ディテールアップで陸戦兵器感を強調!

実在兵器から考証した追加ディテールで“本物らしさ”を押し出す

 航空機モデル風ディテールアップと並んで、古くからガンプラ製作に活用されてきたのが戦車などのAFVモデル風ディテールアップ。現実世界のAFVは陸戦兵器的に描かれることも多いMSともっとも近しい存在ともいえ、いわゆる第1次ガンプラブームの頃から定番のひとつとして重用されてきた作風である。作例担当は月刊ホビージャパンでスケールモデルを中心に活躍するえぬせ。その広い知見を活かし、どこにどのような装備があるべきか、どのような機能を持たせるべきか、などを考察しながら工作。情報量だけでなく説得力もある1作に仕上げている。

使用キット

HGUC グフカスタム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1760円、発売中●1/144、約13cm●プラキット


AFVモデル風ディテールアップのポイント

・実在のAFVからMSに合った装備や機能を施す

 戦車などを参考にスモークディスチャージャーや爆発反応装甲などをキットに追加していく。装備の意味や効果を吟味して、適した箇所に施していくことでよりリアルさが増す。

・構造や生産性も加味したディテール追加

 MSが実在するなら模型よりも複雑に分割されているはず。その構造や生産時の効率性などを想像させるディテールを追加して、現実味のある工業製品的なイメージを加える。

・フィルタリング塗装で巨大感や使用感を演出

 MSの装甲は退色や汚れ、補修などのさまざまな要素で細かく変色していると想像できる。フィルタリングでまだら状に塗装することで、巨大な物体が複雑に汚れているさまを表現する。

▲WWIIの時代の戦車、とりわけドイツ戦車の装備やディテールは特にガンプラに多く採り入れられている。スモークディスチャージャーやリベット留めの追加装甲板は記号として誰の目にも分かりやすい(写真は月刊ホビージャパン2025年2月号掲載の作例より。製作/小澤京介)
web記事はコチラ
▲特集の趣旨がディテール“工作”なので今回は控えめだが、ウェザリング塗装もAFV仕上げでは重要なディテール要素。チッピング、ドライブラシ、ウォッシングなどを加えればより実在感が高まる(写真は月刊ホビージャパン2024年3月号掲載の作例より。製作/らいだ~Joe)
web記事はコチラ

実際の構造を踏まえた形状変更

▲ガトリングシールドの銃身は薬室から砲口までが一直線になっていないように見えたので、市販パーツやプラ棒で砲身部分の直径が小さくなるよう作り直して実物感を高めた。造形的迫力でいえばキット状態も捨てがたいが、今回は作例方針も踏まえてこのようにした

装甲断面を多層構造に見えるように加工

▲脚のスソはBMCダンモで段落ちモールドを作り、さらにBMCタガネで彫り込んだ。スソ自体が薄く見えるようになり、段落ち部分を塗り分けることで多層構造であるように見せることができる

肩装甲の鋳造表現&分割表現

▲肩装甲はフチのフレームに丸い鋳造装甲が付いている、と解釈してフチの境目をスジ彫り。鋳造表現は溶きパテを塗り、軽く表面をヤスリがけして馴染ませて再現した

▲スパイクはくりぬいて市販パーツで受けを作って立体的に。磁石接続で着脱式にしている。肩装甲が複数のパーツから構成されていると視覚的にわかるようになった

靴部にツィメリットコーティング

▲歩兵から脚を守るツィメリットコーティングを施す。今回は手軽に使えるタミヤのコーティングシートセットを活用。まずはおおまかに切って貼り付ける

▲パーツに合わせて形を整える。少し欠けているほうがよりリアルに見えるので、部分的にそぎ落としている

▲他のツィメリットコーティング工作として、エポパテを盛って専用ローラーで模様を付ける方法もある。こちらはより広い面や大型モデルにも対応可能だ(写真は月刊ホビージャパン2018年12月号掲載の作例より。製作/林哲平)

脚部の細かなディテールアップ

▲ヒザ装甲は肩同様に部分的に鋳造表現を追加。側面スラスターには1/48戦車の履帯を増加装甲として貼ってみた。無識別型ザクIIを参考にしたディテールだ

ⓒ創通・サンライズ

1 2 3
この記事が気に入ったらシェアしてください!

えぬせ

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2025年4月号

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー