HOME記事キャラクターモデル「機動警察パトレイバー2 the movie」最後の戦いを最高のキットでディオラマ化!“怪物”に挑む特車第二課の迫力たっぷりの勇姿を丁寧に再現!

「機動警察パトレイバー2 the movie」最後の戦いを最高のキットでディオラマ化!“怪物”に挑む特車第二課の迫力たっぷりの勇姿を丁寧に再現!

2025.03.14

18号埋立地地下の戦い【海洋堂 1/35】 月刊ホビージャパン2025年4月号(2月25日発売)

イングラム各機も丁寧に塗装

 各機はベースから取り外し可能。それぞれ20cmを超える大きさのため完成には時間を要したが、単体でも見映えのするようにポーズを小変更するなどして作り込んでいる。

イングラム1号機

▲トンネルの奥を覗き見する演技をさせるべく、左ヒザと足首を若干くの字に曲げるような角度に変更。左ヒジも大きく曲げている。切り離した隙間はエポパテで修正。首もよりも左に向かせている

メーカーサンプル

▲バイザー内のカメラ位置を変更。左側に向けて「視線」の演技をさせた

イングラム2号機

▲下半身を切り刻み、大股気味に広き、腰を落とすような姿勢に変更して動きを演出。劇中の壁にもたれかかる姿勢の再現だが、単独で立たせた際にも違和感のない範囲、かつしっかり自立するように調整している

メーカーサンプル

▲隣にいる遊馬に振り返る直前のため、カメラはやや左を向きつつある位置に微調整

イングラム3号機

▲下半身をポーズ変更。左腕は付け根を外側に開き、隣の1号機に手を差し出すような位置に変更後、エポパテでシーリングの皺を整えた。頭部はキットでは右向きだったので、1号機の首のシーリングブロックをパーツ複製したものを被せて強引に左向きに変更

メーカーサンプル

▲左ワキを開いた箇所は、エポパテの盛り削りで形を整えた
▲3機共通で背面もしっかり塗装。ナンバープレートやマーキング類は付属デカールを使い、全身に散らばる銀色の留め具はひとつひとつを筆で塗り分けた

 本作の公開当時、自分は高校生でした。中学でパトレイバーの洗礼を受け、模型雑誌のパトレイバー記事を読み漁り、見様見真似でレイバーの模型を作る日々…。そんな青春時代の最後に、後藤隊長の「第2小隊最後の出撃だ」というセリフを劇中で聞いた僕は震えました。話の内容が分かるまで何度も繰り返し劇場に足を運んだのを覚えています。今でも一番好きな映画を聞かれると、『パト2!』と即座に答えます。
 今回作例を製作するにあたり最初に考えたのは、決戦の場所である「18号埋立地地下搬入路」をきちんと作ることだと思いました。本作は、当時「実写よりも実写なアニメ映画」と評されたほど、重厚かつ精密な作品です。あまりアレンジを利かせたディオラマにするよりは、資料を参考に映画のセットのように忠実に作るほうがふさわしいと考えました。

イングラム
 というわけで、今回使用した海洋堂の1/35リアクティブアーマー装備イングラムですが、それぞれポーズを少し変えています。いったんパーツを切り離して好みの角度に曲げたら、エポパテでシーリングの皺のつじつま合わせをして整形しました。
 塗装は、白いFRP装甲は白サフ塗布後にGX1番 クールホワイトを塗っただけで、汚し作業はしていません。リアクティブアーマーの緑は、383番 暗緑色(川西系)を吹いたあとに16番 濃緑色を吹いて、エナメル塗料の黒やスミ入れ塗料 ダークグレイでスミ入れして少し暗めのトーンに。腕部や脚部は下地のグレーの上から514番 ジャーマングレー“グラウ”を吹いております。

ベース
 今回のメインはこの「18号埋立地地下搬入路」です。作るにあたり、「THIS IS ANIMATION 機動警察パトレイバー2 the movie 設定資料全集」や「THIS IS ANIMATION ザ・セレクト パトレイバー2 the movie」(いずれも小学館)、「METHODS 押井守・「パトレイバー2」演出ノート」(KADOKAWA)を参照し、レイアウト設定を見直しました。
 大まかにスタイロフォームを切った貼ったして形を決めたら、外壁としてプラ板を貼り込み。溶きパテや缶サフを塗り重ねて表面を整えつつ、床の線路跡のブロックを作ります。壁の弾痕はリューターや彫刻刀でガリガリと彫り込みました。
 通路のキャットウォークは、僕の開催する「プラモつくろーぜ会」にいつも参加してくださるU.B.Tさんに作っていただきました。最初はプラ板での製作を考えていたので、お陰様で大幅な時間短縮ができました! 他に小物として、配電盤をプラ材で作ったり、赤いLEDを使った非常灯などを作り込んだりしております。
 壁面の塗装はラッカー塗料の筆塗りです。主に338番 ライトグレーFS36495と、シミのところは32番 軍艦色(2)を使用しました。最後に少しタミヤ エナメル塗料のフラットブラックでウェザリングしています。
 筆塗りの筆を運ぶ合間に、黒の缶サフやグレーの缶サフを遠巻きから1プッシュだけ軽く吹き、霧状の粒をうっすら壁面に付けることでコンクリ壁の質感再現にチャレンジ。配管もグレー系の色を筆塗りしたり、エナメル塗料でウェザリングを足したりしました。あちらこちらにある錆色は、僕の作業場にある水を入れっぱなしにして錆びた塗料皿の錆を使ってます(笑)。

フィギュア
 今回、幸運なことに海洋堂さんのご厚意により特車二課フィギュアを複製していただきました。非常に秀逸な造形で、それぞれの個性がよくわかります。市販予定は今のところないとのことですが、ぜひ売ってほしいですね。ディオラマに配置するにあたって、3人とも首の向きだけ変える改造をしました。
 塗装はラッカー筆塗り、濃緑色や暗緑色をボディアーマーに使い、青いところはかなり昔のMr.カラー89番 青15号(あい)を使いました。
 今回、山崎ひろみのフィギュアも用意していただきましたが、彼は後方から対戦車ライフルで支援していて同じ場面にいないので、オマケということで、もうひとつ小さいベースを製作。フィギュアのポーズをあまり変えず、撃つタイミングを探っている感じにまとめました。

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット“ARTPLA SCULPTURE WORKS”AV-98 イングラムリアクティブアーマー1号機、同2号機、同3号機 使用

18号埋立地地下の戦い

ディオラマ製作・文/リョータ

ARTPLA SCULPTURE WORKS イングラムリアクティブアーマー1号機、同2号機、同3号機
●発売元/海洋堂●各8800円、発売中●1/35、約23cm●プラキット


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リョータ

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