全高13cmには見えない質感、ディテール密度「HG ガンダムEX(復讐のレクイエム)」作例!1/144キットとは思えない驚きの情報量、リアル感を刮目せよ
2025.03.08RX-78(G)E ガンダムEX【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年4月号(2月25日発売)
RX-78(G)E ガンダムEX
ディテールアップ特集ということで、自分のお題はガンダムEX。海外SFメカのようなアレンジが秀逸でカッコいい! 一見して情報量の多いデザインですが、キットにもそれがきちんと反映されており、同スケールの他のキットと比べても圧倒的な密度感です。このキットにディテールアップの必要性ってあるの…? となりますが、装甲面等はディテールが少なく意外とプレーンな感じなんですよね。
なので今回は外装面へのスジ彫りなどのディテールアップに加えて、流用パーツを使ったディテールアップを施してさらに情報量を上げていこうと思います。
流用パーツとして使用する際の最近のお気に入りは、海外製の1/72スケールのAFVモデル。とにかく細かいパーツが豊富でゴチャメカなどによく流用しているのですが、ガンダムEXはミリタリーチックなデザインなので、これらAFV系のパーツとの相性がスケール、形状ともに抜群によいです。
流用のポイントとしては、例えばヒザ頭のフックなどのように「スケール感がぴったりなので基パーツの用途、形状をそのまま使用したいもの」と、胴体上部のように「なんだか分からないけどゴチャメカとして情報量を上げたいもの」で使い分けること。1/144などの小スケールではゴチャメカに使用するパーツは基パーツの用途が分からないほうが効果的だと思います。
そして今回ディテールアップの種類として上記のディテールを追加する方法以外にもうひとつ挙げたいのが、塗装。より細かい部分を塗り分けていくだけでも、情報量アップの一助になります。つまり、これも立派なディテールアップのひとつですね。
上腕や太モモなど、外装パーツのエッジ部分に0.5mm前後の段落ち面がある箇所がいくつかあるので、これらを細かく塗り分けていきます。外装がスライドしたりする際の警戒色、みたいなイメージです。他にもフレーム部分にモールドされているディテールを塗り分けていくことで、密度感、情報量アップの演出になります。ただし、これらはともするとスケール感を損なうことにもなりかねないので、留意しながら塗り分けていきましょう。
また、これらの細かいディテールアップを施す際に忘れてはならないのがエッジの処理です。ディテールアップの目的はさまざまあるかと思いますが、そのなかでも「解像度の向上」「スケール感の演出」という目的はその最たるものだと思います。
が、せっかくスケール感を演出するために細かいモールドや流用パーツでディテールアップしているのに、本来薄いであろうエッジの厚みがキットの成型都合の厚みのままでは「ただ細かいパーツを貼り付けたりスジ彫りを彫ったりしただけのプラモデル」に見えてしまいます。これを「1/144スケールの縮尺モデル」に見せるためには、細かいディテールアップと同時にこうした厚みの演出は必須といえるでしょう。その様な意図のもと、側頭部や胸部のダクトなどのエッジ断面を薄く見えるよう処理しています。小スケールでは特に分かりにくい工作ですが、効果は確実にあると思います。
ちなみにディテールアップ以外の工作ですが、腕が長すぎるように思えたので上腕部を中心に詰めて短く。シールドを装備した際に保持位置が下すぎるように思えたのでグリップ方式をやめて前腕内側にネオジム磁石を仕込んで取り付けられるようにしています。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”ガンダムEX (復讐のレクイエム)使用
RX-78(G)E ガンダムEX
製作・文/NAOKI
HG ガンダムEX (復讐のレクイエム)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2090円、発売中●1/144、約13cm●プラキット
\制作過程はコチラ/
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NAOKI(ナオキ)
メカニックデザイン、造形、造形プロデュースなどさまざまなフィールドで活躍するマルチクリエイター。