■キャラクターメカのパーティングラインを処理してみる
実際にキャラクターメカ(1/24 スコープドッグ/ウェーブ)を組み立てた状態から、ちょっと気になる箇所のパーティングラインを処理してみましょう。リベット表現の間のパーティングラインなど、ならしにくい箇所もありました。
▲ パーティングラインが分かりやすいのは上腕のリベットの箇所とスネのフレーム部。そこを整えてみましょう
▲ スネの前面、三分割された中央の面に縦にパーティングライン(とゲートの跡)があります。本来のデザインとしては無いものなので、この跡が消えるように整えます
▲ 組み立てたスネ部分から該当のパーツだけを取り出して、パーティングラインのある面を紙ヤスリで平らにならしています。紙ヤスリは600番で平らな当て木(のり付きスチレンボード)に貼っています。ヤスリを掛けるとわずかに段差があるのが分かります
▲ パーティングラインを消す前と消した状態の比較。わずかな面を整形しただけですが、気になるところがなくなり、整った印象となります
▲ こちらは上腕のリベット部分。パーツの側面に出っ張りを表現するため、リベットが並ぶ位置で金型を分割しているのがみてとれます
▲ ここでの整形はリベットがあるので、それのカタチをいためないように整形します。狭い範囲を整形するので、ナイフの刃のカンナ削りでまずラインをならしていきます
▲ カンナ削りの表面を整えるためのヤスリ掛け。ここで注意したいのはリベットの間ばかり削ってしまい、パーツ表面が凸凹になってしまうこと。ツヤが残っているところがヤスリ掛けの際に削れずに高くのこりやすい箇所です
▲ パーティングラインのところに集中しないよう、ヤスリを動かす方向を変えるようにして、リベットの周囲まで平らになるよう仕上げた状態。これで見た目もよくなりました。もう一つ、違った考え方の方法も紹介しましょう
▲ パーティングラインと周囲の面をならすことを優先して、リベットを削り落としてヤスリ掛けする方法です。無くしたリベットはこのあと貼り足して復活させます。リベットの位置が分からなくならないよう、事前にニードルで凹み跡を付けてあります
▲ パーツ面をならしたあと、市販のプラ製リベットパーツを貼り足します。リベットはナイフの先で刺して扱い、流し込み接着剤を少し付けて接着します。ひと手間増えますがパーツ表面がシャープに仕上がります
■ガールズプラモのパーティングラインを処理してみる
次は、肌の表現などパーティングラインが無い方が自然な仕上がりに見えるガールズプラモ(30MS SIS-M00 イルシャナ[カラーC]/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部)のパーティングラインを処理します。
▲ パーティングラインが見えているフェイスライン、手のひら、太ももの3箇所をならしてみましょう
▲ 曲面(太もも)に通っているラインをならします。ここでは紙ヤスリを二つ折りにしてハリを持たせた状態にし、曲面を崩さないようにヤスリ掛け。ヤスリキズから面の高い方を判断して、そこからなだらかに繋がるように削ります
▲ パーティングラインを整えたらそのヤスリキズ(800番)を消しつつ、パーツ全体の質感を整えてみましょう。メラミンスポンジでパーツ表面を擦っていき、淡いツヤ消し状態にしていきます。ここではメラミンスポンジを厚いブロック状にして使うのがコツです
▲ パーティングラインの跡を消し、質感も整えた仕上がり。ひと手間かけた効果があらわれています。ライン上にあったゲート跡も目立たなくなっています
▲ 耳からアゴにかけて残ったパーティングラインを整形。緩やかな面に沿わせつつヤスリ掛けするには弾力のある基材についたヤスリを使うのも効果的
▲ 整形前と整形後。パーツ本来の造形を崩さないように注意しつつ、ラインを消しています。パーティングライン自体が目立たない配置ですが、整形しておくと印象はよいものです
▲ ハンドパーツのパーティングライン消しは細かく向きを変えたり狭い所でも削ぎやすいデザインナイフが行いやすいでしょう。カンナ削りをしたり、彫る使い方もできます。“曲線刃”を使うのも有効です
▲ 整形前と整形後の比較。整形後のパーツはナイフでの整形後に紙ヤスリで仕上げています。パーティングラインを消すことで、より手袋らしく見えてきます。似た例として、服のシワの面をパーティングラインが通っているような場合もあります
ⓒ1982 BIGWEST
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