HOME記事工具・マテリアル見た目をよくする第一歩、パーティングライン消し!!【いまさら聞けないプラモデルの基礎:パーティングラインの処理】

見た目をよくする第一歩、パーティングライン消し!!【いまさら聞けないプラモデルの基礎:パーティングラインの処理】

2025.03.01

初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.05


パーティングラインって、なに?

金型の分割跡が細い線としてプラモデルのパーツに付いてしまっているものです

 パーティングラインの例を見てみましょう。いずれもランナーの中心に沿う位置に通っている線が
パーツ面やパーツのフチにつながっています。その途中にゲートがあるのもわかります。そこがパー
ツのカタチをつくる“金型”が分割されている境界ということです。そこにできるわずかな“跡”がパー
ティングライン。古い製品では段差になっていたり目立つこともありますが、最近の製品ではわずか
に線が残る程度だったり、配置も工夫されるなど目立ちにくくなっています。それでも金型と金型の
合わせ目がある以上は必ずあるものです。

▲ 戦闘機のミサイル。ランナーにあるパーティングラインと同様に、パーツにも分割線がみえます。胴体パーツではパーツのフチになっています
▲ SDガンダムの拳。厚みのあるパーツを上下に分割した様子が分かります。古いキットで少し段差になっています
▲ 戦車の車輪・サスペンション。こちらも古めのキットでパーティングラインがよくわかります。実物の部品にもこうした跡がついていることもあります
▲ キャラクターモデルの動力パイプ。蛇腹状の横にパーティングラインが見えます。この跡を消すと見た目の印象がよくなる箇所です
▲ ガールズプラモの太もも。最近のキットで少しの跡があるもの。滑らかにならしてしあげたいところ
▲ 航空機のキャノピー。Ω型の断面を再現するため、中心にパーティングラインが付いている例。これもヤスリ掛けや磨きで消すことができます

■パーティングラインが出来てしまう理由を金型の図で解説

 パーティングラインができるところや、その状態を図で確認していきましょう。どうしてできるのか知っておくことで、パーツを見ただけでパーティングラインの配置が予想できたりもします。

▲ プラモデルのパーツは金型に樹脂を流して作られます。その型の合わせ目にわずかな跡(パーティングライン)が残ります(図の赤い矢印のところ)。パーツのフチにある場合はあまり目立ちません
▲ この図の場合は、面の途中に跡が残ることになります。厚みのあるパーツや左右対称なカタチではこの状態になります
▲ 分割線の跡はパーツのフチだと少し尖ったようになっていたり、面の途中だとわずかな段差が生じたりします
▲ 面の途中にあるパーティングラインを滑らかにならし(削り)、連続した面にすることで“パーツっぽさ”から脱却できます

パーティングラインの処理は必要な作業なの?

自分の求める仕上がりに合わせて行えばOK! パーツ本来のキレイな仕上がりを求めるならチャレンジしてみよう

 プラモデルの組み立てや完成までを手軽に楽しみたいのであれば、パーティングラインのことは気にしなくてもかまいません。それはゲート跡と違って、パーティングラインが残っているとパーツがはまらないとか、組み立てに支障がでたりはしないからです。一方、先の図で紹介したようなパーツの途中にパーティングラインが残っているのを見つけると、いかにも「プラモデルっぽい」という印象を受けたりします。組み上がった状態でパーティングラインが目立たなければいいのですが、気になるようであればそこを整えてみましょう。そんなプラモデルっぽさが薄れて印象がよくなるはずです。


実際にパーティングラインを処理をしてみる

■パーティングラインの処理の仕方

 線状の跡が消えるよう、面をなめらかに整えていきます。パーティングラインが目立たない程度のもの(成型の都合でついた歪みが少ない)なら表面を削るだけで仕上げられます。また、パーツ表面を薄く削ぎ取る方法で粗削りをすると作業スピードも上がります。

①ナイフを使う

▲ 銃器などの武器パーツは細長い部分も多く、その分パーティングラインも長くなりがちです。そういった部分を手早く処理する方法を説明します
▲ ナイフの刃先を立ててスライドさせる“カンナ削り”で処理しています。薄くかき取るように表面を削って表面をならす方法です。ヤスリの削り跡のようなざらつきもなく、手持ちの道具で素早く加工する方法です
▲ この方法ではゲート跡のところで刃が引っかかって段差が生じたりしやすいので、注意が必要です。そこはヤスリなど平らに削れる道具も併用して整えるとよいでしょう

②紙ヤスリを使う

▲ パーツ表面にパーティングラインが通っていますが、わずかに跡が付いているだけなので、少し削るだけで整えられそうです。ゲート跡の仕上げも兼ねつつ、この線を消していきます
▲ パーツ表面を紙ヤスリでわずかにこするようにして、そのキズの付き具合からパーティングラインでのパーツの歪み(ズレや段差)などを確認します。この例では突起部分でわずかにズレがみえますが、球面部はほとんど段差などがないようです
▲ 紙ヤスリは800番を薄いプラ板に貼ったものを使い、表面をさらに削っていきます。ライン部分だけを削るのではなく、平面や曲面を保つように、周辺部とならしていくようにしましょう。なお、パーティングラインを処理する際には、一般的に400番~800番の紙ヤスリが使用されます
▲ パーティングラインを消して表面が滑らかになりました。リベットに通ったパーティングラインも丁寧に整形しています。球面の梨地表現が一部消えてしまいました。そこの補完作業はまた別の機会に説明します

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