水性塗料マイスター むっちょ

2021.06.28

水性塗料マイスター/むっちょ(アーリーガバナーVol.4【コトブキヤ 1/24】) 月刊ホビージャパン2021年8月号(6月24日発売)

WATER PAINT Meister

水性塗料マイスター

むっちょ

 水性塗料マイスターには、月刊ホビージャパン連載コーナー「水性塗料ペインティングLAB.」で活躍中のむっちょが担当。筋骨隆々な『ヘキサギア』のアーリーガバナー Vol.4を使い、水性塗料による安心・安全な筋肉の仕上げ方を解説してくれた。

▲ 普段は『ウォーハンマー』をメインに製作する趣味人。モデラーデビューより以前に「スペースマリーンヒーローズ ペイントコンテスト2018」で月刊ホビージャパン初掲載され、MAX渡辺賞を受賞

 水性塗料のポイント 

 水性塗料は人体に有害な成分の含有量がラッカー系、エナメル系と比べても少なく、希釈用に有機溶剤も使わないのでお手軽に作業できます。一部塗料の希釈は水道水でも可能ですが、基本は塗料ごとに専用の希釈液を使うと筆ムラを抑えられます。ここではシタデルカラー用の「ラーミアン・メディウム」と水道水でヒトの肌の滑らかな質感を表現しました。

大きめの筆でウォッシング

筆ムラを抑えるために、一度に広く塗れる大きめの丸筆で塗装するのがおススメです。

▲各パーツの完成形が見えるくらいで組み立て。ウォッシング、ドライブラシを行うとそこそこ合わせ目が目立ってしまうことがあるので、流し込み接着剤を使って軽く処理します
▲手首、色分け済みの頭パーツはがっつりとしたパーティングラインがあるので有機溶剤を含ませた綿棒で表面処理。やりすぎると破損に繋がるので、慎重に
▲ペイントをする前にクリアーのトップコート。ツヤ消し半ツヤはお好みで、ツヤ消しだと食いつきアップ、半ツヤだとミスしたときの修正がしやすくなります
▲全体の色味をワントーン落とすためにウォッシング。今回肌の色としては、シタデルカラーのシェイド「セラフィム・セピア」と「レイクランド・フレッシュシェイド」を1:1で混ぜて使用します
▲シェイドカラーは希釈せずそのまま使用できますが、ここでは少し薄めるため、シタデルカラー用の希釈液「ラーミアン・メディウム」を加えます
▲太めの丸筆にたっぷりと塗料を含ませて、なるべくスピーディに、ザバッと塗布していきます。筆ムラを抑えるためになるべく1回のストロークでいきたいところ

▲色味を落とすのと同時に、モールドに塗料を溜めていくことで自然な陰影が生まれます。今回の筋肉のような有機的なキットにシェイドはピッタリです

▲顔も同じように丸筆で手早く塗装します
▲塗料が溜まりすぎた箇所は筆で吸い取って手早く調整。完全乾燥には時間がかかるので、乾燥途中で触らないよう注意しましょう

▲肌と同じ要領で、ズボンと革靴にはシェイドの「アグラックス・アースシェイド」でウォッシング。こちらはビン生のままでOKです

影と光の濃淡を強調

暗い部分と明るい部分にメリハリを付け、徐々にグラデーションで滑らかにしていきます。

▲ファレホ「ベースフレッシュ」をビン生で取り出し、タミヤの面相(細)で筋肉のモールドへ描き込みます
▲モールドに沿って描きこみ、そのフチに1段階明るい色を入れます。小さいので割とはっきりと描き込んで大丈夫です
▲左が塗装前、右が影を描き込んだもの。この後で光が当たる筋肉のエッジ部分に明るい肌色でレイヤリングします。レイヤーは2回ほど重ねれば充分です

▲シェイド後のズボンとブーツはセラマイト・ホワイトでサクッとドライブラシ。モールドとディテールを生かして簡単にそれっぽい質感になってくれます。また、ベルトや靴ヒモなどの塗り分けについてはシタデルコントラストを使っています

塗装終了!

▲手に持っているのが「アーリーガバナー Vol.4」。水性塗料の筆塗りには、今回のようなモールドがハッキリして、小さいキットに使うのがおススメです!

水性塗料で筋肉を感じろ! 安心! 安全! 簡単仕上げ

 SFチックなキットが多い『ヘキサギア』のラインナップの中では、かなり異色なこちらのアーリーガバナー。どこかハリウッド俳優感のある造形で組むだけでも楽しいが、今回は筋肉の造形をさらに強調させるために水性アクリルボーイが一肌脱いでくれた。こちらはキット本体の他にも付属パーツも充実しており、さらにマッチョを引き立たせるためにガバナー用のバイク「オルタナティブ クロスレイダー」も用意! 水性塗料で仕上げるバッキバキの筋肉の世界を見ていこう。

▲顔はシェイドカラーをモールドに流し込んだだけ。影になるので、彫りの深い顔ならこの作業だけで充分
▲ ブーツもシタデルカラーで革の質感を再現。シェイドと同様に粘度の低いシタデル・コントラストでヒモを塗り分け
▲ サイドチェスト! 筋肉の割れ目に入り込んだシタデルシェイドカラーの影は見事。ナイスバルク! と声をかけたくなる
▲ 背中もバキバキでデカい! 憧れの的たる背筋を作ったのはコトブキヤの成型と筆一本

▲アーリーガバナーに付属する一服パーツ。むっちょのこだわりもあってしっかりと塗装。オイルライターも含めベースカラーによるベタ塗り

▲もちろん真面目に武器も付属している。黒サフからのリードベルチャーでドライブラシ

▲ガバナーをさらに映えさせるためにバイクを製作。こちらも黒サフ立ち上げでエンジン部分にリードベルチャーのドライブラシのみ

▲ このドライブラシの際ははみ出してもダメージ感の表現になるためざっくりとした塗装に
▲ 最後にカバーをつけて全体にツヤ消しクリアーを吹いて終了!

 みなさんこんにちは! 水性アクリルボーイのむっちょです!
 今回は「マイスターに訊く! 模型テクニック10選」ということで、無臭! 速乾! 元気イッパツ! 水性アクリルボーイが「水性塗料ペインティングLAB.」を飛び出し(?)、ヘキサギア、アーリーガバナーの筆塗りお手軽フィニッシュにチャレンジしました!
 1/24スケールほどのモデルならば、シタデルカラーやファレホを使ったミニチュアペイントの技法を、ひねりなく使用してめちゃくちゃ楽しくその効果を実感出来るサイズなので、ミニチュア以外での導入を検討している方の参考になれば幸いです。

■おっさんの顔と筋肉は原点
 個人的に、この模型趣味が長く続くきっかけとなったのは、顔や筋肉の描き込みの楽しさがあったから!
 顔や筋肉のペイントは、ウォッシング(ミニチュアペイントではシェイド、シェイディング)や重ね塗り(レイヤリング)によって得られる効果がわかりやすく、基本に則った簡単なペイントでも筆を動かす楽しさを感じられるので、筆塗りに対して難しいイメージがある場合はまず、今回のようなキットを触って、肉の悦びを知るのもいいかもしれません。

■ウォッシュ&ドライの魔法
 このキットの下半身は主にウォッシングとドライブラシで超お手軽に仕上げています。
 比較的簡単にグラデーションのような表現ができる塗り方で、練習次第ではかなり幅広い表現も可能になる重要な存在。今回は少し使い古したズボンと革靴感を出してみました。

■タケウチメソッド
 黒サフ&銀ドライブラシでディテールをはっきりさせて塗り分けをしやすく、金属部分はそのまま残して重厚感を出す。下地が黒なので、奥まった箇所は色を入れなくても影としてアクセントにもなる……。
 僕自身が一番最初にミニチュアペイントをした時、この方法を習って急に去年あたりから「タケウチメソッド」と一部で呼ばれ出したこの塗り方。今回は実践として銃などの小物、バイクのフレームに施しました。が、塗り分けに関しては今回は出番がなかったので、また詳しくは次の機会に。

コトブキヤ 1/24スケール プラスチックキット“ヘキサギア”

アーリーガバナー Vol.4&オルタナティブ クロスレイダー〈フォレストカラーVer.〉

作・文/むっちょ

アーリーガバナー Vol.4
●発売元/コトブキヤ●2640円、発売中●1/24、約7.9cm●プラキット

オルタナティブ クロスレイダー<フォレストカラーVer.>
●発売元/コトブキヤ●1980円、発売中●1/24、約10cm●プラキット

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ⒸKOTOBUKIYA

むっちょ

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